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フォルクスワーゲン、4月20日週よりツヴィッカウ工場などで段階的な生産再開

ドイツ、ポルトガル、スペイン、ロシア、米国の工場は4月27日週から

2020年4月15日(現地時間)発表

フォルクスワーゲンのツヴィッカウ工場

 独フォルクスワーゲンは4月15日(現地時間)、新型コロナウイルスにより停止していた各工場の生産状況について、フォルクスワーゲン乗用車ブランドの工場であるツヴィッカウとブラチスラバ(スロバキア)で4月20日週より順次生産を再開すると発表した。その他のドイツ、ポルトガル、スペイン、ロシア、米国にある工場は4月27日週から、南アフリカ、アルゼンチン、ブラジルとメキシコの工場では5月中に順次生産を再開する予定とした。

 これに先立ち、中国での車両生産用の部品供給を確保するために、4月6日からブラウンシュバイクとカッセルの工場で段階的に生産を再開し、続いてザルツギッター、ケムニッツ、ハノーバーのコンポーネント工場とポーランドの工場が4月14日から稼働を再開。

 中国では33工場のうち32工場が現在生産を再開しているが、現時点でコロナウイルス感染の症例は報告されていないとのこと。同社はコロナウイルスのパンデミックに伴う世界的な状況を注意深く監視し続けているとし、今後の進め方についてはフォルクスワーゲングループ内の情報共有やプロセスなどを踏まえて決めていく方針としている。

ツヴィッカウ工場では新型EV(電気自動車)「ID.3」の量産を開始。2019年11月にはアンゲラ・メルケル独首相らが出席してID.3の記念式典が行なわれた

 今回の発表について、フォルクスワーゲン ブランド生産・物流担当取締役のアンドレアス・トストマン氏は「従業員の健康は最優先事項です。安全な職場と最高レベルの健康保護を100項目計画で提供しています。私たちの責任を真摯に認識しながら、経済が勢いを取り戻し、再び自動車が工場を離れ、ディーラーや顧客に届くようにしていきます」とコメント。

 また、従業員協議会の会長であるベルント・オスターロー氏は「これまでに経験したことのない状況に直面しています。しかし、私たちの従業員は仕事を再開する意欲が非常に高いことを知っています。そして工場休業後の生産ラインの再立ち上げについては、豊富な経験を持っています。今回、パンデミックに合せて私たちはこれまでのプロセスを調整する必要があります。1つは健康保護に関する新しい合意です。約100項目からなる対策により、フォルクスワーゲンでの感染のリスクを可能な限り低く抑えています。これは業界の新たな基準にもなるでしょう。しかし、私たちは現実的である必要があります。最初は新しく導入された手順などにより、従業員の間で疑問や戸惑いも発生するでしょう。これまでこのような条件下で車両を開発、生産、販売したことはありません。そのため、マネージャーには従業員が新しい手順を完全に理解するよう求めています。現在は、質問に答えることに時間をかけるほうが、日々の生産台数よりも重要なのです」と述べている。