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プジョー、新型「208」と新型EV「e-208」発売
ガソリンと電気、2つのパワートレインから選べるコンパクトカー
2020年7月2日 19:00
- 2020年7月2日 発表
- 208:239万9000円~293万円
- e-208:389万9000円~423万円
プジョー(Groupe PSA Japan)は7月2日、Bセグメントコンパクトカー、新型「208」および100%EV(電気自動車)の新型「e-208」を発売した。価格は208が239万9000円~293万円、e-208が389万9000円~423万円。
人々のモビリティの様相、クルマの使用方法が変化し、動力としてのエネルギーの移行が進行している今。プジョーの新型208は、ローンチ時から電気(EV)と内燃機関(ICE=Internal Combastion Engine)という、まったく異なるエネルギー源の選択の自由を発表している。
ただし新型208は、動力源が異なっていてもデザインは共通で、ドライビングプレジャーもスペース効率さえも共通となる。もはやEVも特別なものではなく、パワートレインのチョイスで専用モデルを選ぶ時代ではないと提唱する。
プジョーブランドのさらなる確立に向けた重要なモデルとなる新型208は、鮮烈かつシャープで、未来感溢れるデザインを採用する。他に似るもののないスタイリング、新世代i-Cockpitの3Dヘッドアップディスプレイ、より上級セグメントに搭載される多くのADAS(先進運転支援システム)も備えている。
また、プジョーは200年のブランドの歴史において、冷静かつプラクティカルにエネルギー移行の時代にコミットし、それでいて刺激と安心感を両立させた未来像を提示していく決意の証として、ブランドのビジョンを「#UNBORING THE FUTURE(退屈な未来は、いらない。)」というキャッチフレーズに込めている。
そしてこの新型208を、未来へのビジョンの具現化の1つと位置付け、プジョーブランドの価値である「高い期待への解答」「スタイル」「エモーション」を表現。その軽やかで未来的なエクステリアは、明るくスポーティでエネルギーに満ち、輝く未来への期待感を象徴する。
新型208のデビューにあたり、プジョーCEOのジャン-フィリップ・アンパラト氏は「冷静さと目的意識をもって、わたしたちのブランドの偉大な物語は、さらに進んでいきます。プレゼントを選ぶかのように、新型208のトリムレベルとパワーソースを自由にあなたの好きに選んでください。その自由さも含めて新型208をお楽しみください!」と述べている。
なお、新型208はすでに欧州の「カー・オブ・ザ・イヤー2020」および「レッド・ドット・デザイン賞 2020」を受賞している。
ガソリンと電気、2つのパワートレインを同等に選択可能
新型208に搭載されるICEとEVは対等な存在とされ、機能、装備、スペースなど自動車としての基本を同等とした上で、ユーザーのライフスタイル、使用状況、好みなどに応じて自由に選べる。
プジョーは、従来の一般的なイメージであるガソリン車が普通の自動車、EVが高価格車、高級車という考えを払底し、実際に購入して、日々の生活を共にする中で月々の所有コスト/運用コストを同等にする「TCO(Total Cost of Ownership)コンセプト」を提案する。
このTCOコンセプトは、PSAグループの最新世代の車両プラットフォームCMP(Common Modular Platform)のもとに成立し、BセグメントおよびCセグメント専用の新しいプラットフォームは、ディメンジョンとパワーユニットのバリエーションに高い柔軟性を備える。その最大の特徴は居住空間で、ラゲッジスペースなどを限りなく同一にしつつ、EV、ICEのすべての動力源に対応。Cセグメント以上に対応し、PHEVが搭載可能なEMP2(Efficient Modular Platform)とともにグループPSAの電動化を戦略を担うとしている。
CMPは「Economy」という合言葉のもとに開発され、この新しいプラットフォームは新型208のCO2排出量の抑制に多大な貢献をしているという。さらに、CMPによって快適性と安全性も大きく向上している。主なポイントは下記の通り。
・軽量化(対PF1プラットフォーム比で30kgの軽量化)
・改良されたエアロダイナミクス(フラットなフロアパン、電子制御エアインテーク)
・転がり抵抗の削減(駆動系およびサスペンションなどのフリクションの低減)
・パワートレインの最適化(燃焼圧力の向上、ダウンサイジング、フリクションの低減、トランスミッションのレシオカバレッジの拡大、アイドリングストップの標準化)
・乗車時の低騒音化および温度管理による快適性の向上、振動レベルの低減
・Bセグメントでは前例のない各運転支援機能
ガソリン車モデルはPureTech1.2リッターターボエンジンを搭載
ガソリンモデルのパワートレインは、PureTech 1.2リッターターボエンジンの進化型。低振動、低騒音とドライバーの意図に忠実なトルクデリバリーが特長で、最高出力100PS、最大トルク205Nmを発揮し、GPF(ガソリン・パーティクル・フィルター)を装着し、排ガスのクリーン化とともに燃費をJC08モードで約7%改善した。19.5km/LというJC08モードでの優れた燃費は、エンジンはもちろん、CMPとBセグメント最多段数(2020年7月現在)となる電子制御8速オートマチックトランスミッションEAT8の相乗効果によるもの。EAT8によりスムーズで軽快、効率とレスポンスに優れた走りを実現した。
EVモデルは欧州WLTP340kmのエモーショナルな電動化
新型e-208は、100%電動パワートレインを搭載。電気モーターは最高出力136PS(100kW)、最大トルク260Nm。搭載バッテリーは50kwhで、同セグメントとしては大容量タイプ。自然吸気ガソリンエンジンで2.6リッター相当の最大トルク260Nmをゼロ回転から発生させ、瞬時の応答性を発揮することで刺激的なドライビングを実現。
また、e-208は3つのドライビングモードを装備。「Sport」はパフォーマンスとフィーリング重視で最大100kw/260Nmを発生。「Nomal」は日々の利用における快適性を最適化して80kw/220Nmに。「Eco」は航続距離の最大化を図り60kw/180Nmに制限している。
また、ブレーキモードも2つの選択が可能で、ドライバーはギアシフターの操作で望みの回生ブレーキ強度を選ぶことができる。「D」モードでは内燃機関でのエンジンブレーキ、アクセルオフの挙動をシミュレートし、自然な走行感を重視。「B」モードではエネルギー回生を強化。アクセルペダルだけでより積極的に減速をコントロールできる。
バッテリーは50kwhリチウムイオンバッテリーで、液冷ヒートポンプで充放電時のバッテリー温度の管理と最適化が図られる。このバッテリーは1個当たり約13.1kgのモジュールを18個組み合わせ、総体積約220Lとなるバッテリーユニットを前席座面下、後席座面下、センターコンソールなどに重量配分を考えて格納する。ICE、EVに両対応するCMPプラットフォームなので居住空間、ラゲッジスペースは同等となる。
洗練された魅力的な外観造形(エクステリアデザイン)
新型208の外装は、ひとめでそれと分かる個性的で味わい深い造形で、美しいプロポーションとディテールを擁し、それを強調するように要所要所にクロームのアクセントが配される。表情豊かで力強く、凝縮感のあるデザインは、プジョーブランドがさらに上級のマーケットに挑戦するという意図を示す。
これまでよりも低く、ワイドで伸びやかな新世代のボディラインは、すっきりとして張りのある面がスポーティネスを感じさせ、また、スタンスが広くワイドなフェンダーが相まって力強さと優しさの絶妙なバランスを両立。
サイドビューはより長く彫刻的な造形のボンネット、セットバックしたフロントウインドスクリーンがスポーティさを、極端なまでに寝かせたCピラーがリアフェンダーの造形とあいまってワイドで安定感のあるスタンスを産み出している。
GT Lineではグロスブラックのホイールアーチを備えたとで、スリムなボディと対称的にさらにタイヤを大きくワイドに見せる。この仕様では17インチホイールを採用し、スポークの間に樹脂のブレードをインサートしたことで、バネ下重量の削減(1台あたり約3.6kgの軽量化)とホイールまわりのさらなるエアロダイナミクスの向上を実現した。
ひと目見て新型208と分かるように、フロントエンドは新世代プジョーのシグネチャーともいえるフルLEDの三本爪をモチーフとしたヘッドライトを採用。下方に伸びるデイタイムランニングライト、通称セイバー(サーベルの意)は、高度な三次元のデザイン処理が施され、正面から見ると内向き、斜めから見ると直線的、サイドから見るとタイヤとフェンダーラインと同心円を描き、さまざまな表情を見せる。
また、フロントバンパーは、シンプルなラインで構成されてボディと融合。複数のグリルを組み合わせるのではなく、シンプルに1つのグリルの中央にプジョーのライオンマークを配している。ボンネット先端には車名の208のバッヂが付く。
リアエンドにはトランクリッドいっぱいにブラックバンドが走り、ここも三本爪をモチーフとしたテールライトを内蔵。リアビューを引き締めるディフューザーはグロスブラック仕上げで、クロームのエキゾーストパイプを装備する。
ちなみに、この大胆なデザインは、2015年フランクフルトモーターショーにてワールドプレミア)にPEUGEOT FRACTAL Conceptにインスパイアされたもの。
なお、e-208と208の外観は、ボディカラーに合わせて塗装されたラジエーターグリルと、見る角度によって変化するダイクロイックライオン、リアハッチのe-208バッヂとCピラー部分のeマーク、この3つが異なる
内装はハイテク・ハイタッチ・3Dになったi-Cockpitを搭載
新型208の内装は、デザイン、質感、ビルドクオリティ、機能とあらゆる面でBセグメントのイメージを一新。3D表示になったi-Cockpitの新世代バージョン「3Di-Cockpit」を採用したことで、ユーザーインターフェイスとユーザーエクスペリエンスを革新。また、新しい3Di-Cockpitは「視覚ゾーン(EYE)」「操作ゾーン(HANDS)」「ボディゾーン(BODY)」の3つのレイヤーから成り立っているという。
視覚ゾーン
すべての情報を見やすく、ドライバーの視界の中に注意深く配置。ステアリングホイールより上のゾーンは視覚を司り、ステアリングホイールの奥に見える3Dデジタルヘッドアップインストルメントパネルには、ホログラムによる情報投影が行なわれ、3D表示される。
この独自の3D-iCockpitは、3D表示によりデータの重要度や緊急度に応じて、ダイナミックかつ奥行きをもって情報を変化して表示。手前の1層目には主に重要かつ安全に関する情報、2層目にはそれらに準ずる情報を表示。この3Dの表示によりドライバーは情報に対して約0.5秒ほどの反応時間を短縮する効果があるという。センターコンソール上部には7インチのスクリーンが配置され、空調、オーディオ、ナビゲージョンシステム、車輌設定などが行なえる。
操作ゾーン
ステアリングホイールの横から下のエリアは、物理的なスイッチが配されていて、実際に手で操作するゾーン。すべての素材は手触りがよく、各パッド、パーツのクリアランスは今まで以上に詰められ、精緻な印象をもたらす。また、ダッシュボードにはソフトパッドが、中央部にはカーボン風の装飾が施される。人間工学に基づいたEAT8のシフトレバーはドライブ・バイ・ワイア式。ステアリングホイールに備わるパドルシフターは、オートマチックモードでもドライバーの意思に応じてマニュアルシフトを可能にする。
Bセグメントの常識を凌駕する最新機能を標準装備
新型208は、先進運転支援機能(ADAS)と安全性の充実を図り、基本機能は全グレードに標準搭載される。
アクティブクルーズコントロール(ストップ&ゴー機能付き)
前車が完全停止したのち3秒以内に再発進すればアクセル操作せずに追従。3秒以上経過した場合はワンアクションで設定速度まで回復。渋滞時の加減速にも対応する。
レーンポジショニングアシスト
左右の車線の任意の左右位置(無段階)をドライバーが選び、その白線から一定の距離を保ったまま走行が可能となる。一般的には左右両車線の中央をキープするが、ドライバーの好みや工事などでガードレールが迫っている場合など乗る人の感覚に寄り添った制御ロジックを搭載。ほぼ全速度域でステアリング補正を実施。アクティブクルーズコントロールとともに先進的な運転支援をドライバーに提供する。
レーンキープアシスト
約65km/h以上の速度で走行中、車載カメラが車線を検知し、ウィンカー操作がない状態で車線からはみ出しそうになると、自動的にステアリングに反力を生じさせ、元の車線へと戻してくれる。
アクティブブラインドスポットモニターシステム
走行中、斜め後方のブラインドスポット(死角)に存在する後続車輌を超音波センサーが感知。ドアミラー内にオレンジ色の警告灯を点灯。さらに後続車輌の進路に入ろうとした場合は、ステアリングの反力によって車線変更を抑制する。
インテリジェントハイビーム
ルームミラー部に取付けられたカメラが常に前方の状況を分析。先行車や対向車の有無、照明の状況などにより、ハイビームとロービームを自動的に切り替え、対向車を幻惑することなく、常に最適な前方視界を確保。
トラフィックサインインフォメーション
制限速度および進入禁止に関する道路標識をマルチファンクションカメラが読み取り、インストルメントパネルに表示。制限速度はドライバーが任意でクルーズコントロールまたはスピードリミッターに連動させることが可能。
バックソナー/ワイドバックアイカメラ
バックする際に車輌後方の状況をタッチスクリーンに投影。またステアリング操作による距離や車輌の進行方向の表示、および俯瞰映像により精度の高い表示を提供。さらに後部近接ソナーも備える。
フロントソナー/サイドソナー
フロントおよびサイドにも近接ソナーを完備。
プロキシミティスマートキー(プジョー初)
車輌が近接するキーを検知することでドアのアンロック/ロックを行なうキーレスエントリーシステム。ロックは2m以上離れると作動、アンロックは1.5m以内に近づくと作動する。バッグやポケットに入れたキーを押す必要がないのでスマートに乗り降りができる。
快適なモビリティのための最新装備
2つのLEDヘッドライト
GT Lineは三本爪をモチーフにしたLEDラインを備えたハイパフォーマンスなフルLEDヘッドライトを、AllureはLEDならではの効率、明るさ、デザイン性を備えたLEDヘッドライトを装備する(Styleはハロゲンヘッドライト)。
コンパクトハッチバックに期待されるハンドリングを実現
プジョーのDNAの1つであるスポーティでダイナミックなドライビングフィールを実現。Groupe PSAのB/Cセグメント用最新プラットフォームCMPをベースにし、これまで以上にスムーズでフリクション感の少ない乗り味とスポーティなハンドリングを実現。なお、サスペンション形式は、フロントがマクファーソンストラット、リアがTBA(トーションビームアクスル)の組み合わせ。e-208はバッテリーの重量増に対応させるため、リアのTBAにパナールロッドを追加している。
より低く、よりワイドに。なおかつコンパクトなボディサイズ
CMPにより従来モデルに比べ、ボンネットが低く長く、よりタイヤが四隅に配された安定したスタンスを持つ美しいプロポーションを実現。サイズは全長で+120mm、全幅で+5mm、全高で-25mmとなり、よりスタイリッシュなデザインに更新。ADASなど大幅に装備が充実しているが車重はほぼ同等。最小回転半径は5.4mで先代モデルと同じ。
CHAdeMO急速充電なら約50分で80%チャージング
新型e-208に搭載されているバッテリーは50kWhで、WLTP認証プロトコルに準拠し、最大340kmの航続距離を実現。エアコンと連動した液冷式ヒートポンプにより、バッテリーの温度を最適に管理し効率的な急速充電と長い航続距離そしてバッテリーの長寿命化を実現。
なお、以下の3つの充電モードが設定されているが、いずれの方法においても50km走行距離分のつぎ足し充電を行なうことを推奨している。
コンセント型普通充電
車輌に標準搭載されている3kW 15A 200Vケーブルにて充電。100%充電:約18時間/50km充電:約4時間弱
ウォールボックス型普通充電
6kw/200Vのいわゆるウォールボックス型普通充電器での充電。100%充電:約9時間/50km充電:約2時間弱
eリモートコントロール:スマホアプリで充電予約とエアコン作動
e-208はスマホのアプリを利用したリモートコントロールというEVならではの機能を実装。スマホにダウンロードした無料のMyPeugeotアプリ(iOSおよびAndroid OSに対応)の操作によりリモートチャージングとプリコンディショニングの操作が可能。
リモートチャージング
リモートチャージングは充電器に接続されている新型e-208に対してスマホから充電操作ができる機能。
・充電状況の確認(ON/OFF、普通・急速充電、充電レベル、速度、満充電残り時間)
・充電予約(設定した時間に充電を開始する)
EVとICEの月々の所有コストを同程度にする施策
プジョーはTCO(Total Cost of Ownership)という考え方のもと、自動車としてEVとICEが分け隔てないというコンセプトを提唱。EVとICEで月々の所有コストを同程度に抑えることで、ユーザーの好みに合わせた選択の自由を提案。車輌価格、エネルギーコスト、保険代、メンテナンスコスト、税金、補助金、ローン金利など、EVが有利な項目、ICEが有利な項目を含め全体を計算し、双方がそれほど変わらないことをユーザーに説明したうえで、ガソリン車とEVを対等に検討できるようにしている。