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日産の新型「キックス」デザインについて開発者がプレゼン。マーケティングの狙いとは?
発売から約3週間で販売台数9000台超え
2020年7月23日 10:05
- 2020年7月22日 開催
日産自動車は7月22日、新型「キックス」のオンラインプレゼンテーションをメディア向けに実施。前回の「企画・開発」に続き、デザイン・マーケティングについて解説が行なわれた。
SUVらしさと先進さを取り入れたデザイン
プレゼンテーションでは、まず日産自動車 第2プロダクトデザイン部 プログラムデザインダイレクター 入江慎一郎氏がデザインの特徴について説明した。
外観では、フロントの「ダブルVモーショングリル」や、切子細工からインスパイアされたというデザインのLEDシグネチャーランプといった新世代のデザインランゲージを採用。SUVとして躍動感や自信に満ちあふれたようなデザインとして、所有した人がワンランク上の喜びを得られるようにしたという。
前後ライトにはLEDを用いて、ヘッドライトはインテリジェントで精悍な印象を与えるデザインにするとともに、リアコンビネーションランプは高級車と同じ厚みのあるレンズを採用。シグネチャーランプ部分には切子細工のような細かいグラデーションが施され、点灯するとキラキラと高級感のある光り方をするとした。
アルミホイールは17インチの切削光輝2トーンとして、シルバーの切削光輝部分でアーバンなイメージを演出しつつ、空力も両立したデザインとしているとのこと。
計13色を用意するボディカラーのうち、2トーンカラーを4色設定。訴求カラーとなる「プレミアムホライズンオレンジ/ピュアブラック2トーン」と「サンライトイエロー」の2色は若々しさや躍動感を、「ラディアントレッド/ピュアブラック2トーン」「ブリリアントホワイトパール/ピュアブラック2トーン」の2色は、「e-POWER」の先進性やクリーンさ、大人な雰囲気をそれぞれイメージしているという。
なお、このサンライトイエローは入江氏いわく「最初は設定されていなかった色で、ボディデザインとのマッチングや、SUVのワクワクする“元気なイメージ”を強く与えるカラーとして、どうしても投入したかった色」とのこと。「もし自分がキックスを購入するのであれば、このサンライトイエローにしたい」というほど、強い思い入れがあると話していた。
内装は、コンパクトカーでありながらもSUVとしての機能性と楽しさを感じ、上質なマテリアルによって包み込まれた空間作りが特徴。9インチの大型ディスプレイを備えるナビゲーションのほか、e-POWER専用のシフトノブや7インチTFT液晶画面を用いたシームレスなメーターなど、高品質のアイテムを装着。
インテリアカラーは落ち着いた印象のブラックと、華やかで明るいオレンジタンの2色を設定。インパネのラッピングにはシートと共通デザインのダブルステッチを用いるなど、高級感を付与しているとした。
成長を続けるコンパクトSUVカテゴリー。狙うは“向上心を持っていて自分を成長させたいと思っている人”
続いて、日産自動車 日本マーケティング本部 チーフマーケティングマネージャー 小木曽宏行氏がキックスのターゲット層など、マーケティングについて解説した。
キックスが属する“コンパクトSUV”(S-SUV)のカテゴリーは、近年拡大を続けているSUVマーケットの中でも特に台数が伸びており、全SUVカテゴリーのうちの約43%を占め、2019年の全需は24万台にまで成長しているという。
このS-SUV市場は、購入に際しては市場平均でも重視されている「外観」「外装色」だけでなく、市場平均では割合が低めな「運転のしやすさ」「快適な乗り心地」を重視。このことから、実際に試乗を参考にする割合が市場平均より高いという特徴があるとした。
そして、キックスのコミュニケーションターゲット層は、20代~30代の子供がいない人を想定。前保有車は軽自動車(30.3%)、ハッチバック(28.5%)、SUV(13.1%)が多く、「今までよりもクルマをアップデートしたい」「運転を楽しみたい」「仲間と一緒に出かけたい」というニーズがあるという。さらに、今の生活が楽しいと考えている割合が高い一方で、現在の生活に対する満足度は低いということから、「これからも向上心を高く持って新しい物事にチャレンジし、自分を成長させていきたいと考えている」と分析。
そこに対してキックスが提供できるベネフィットとして、「次世代パワートレーンのe-POWER」「自分の意のままのドライビングをサポートしてくれるハンドリング」「無駄のないスマートな走りを可能にするワンペダル」を挙げ、「これらによって、もっともっとワクワクして生活の幅を広げてもらいたい」「デザインでかっこよさを感じてもらって、e-POWERで先進技術がもたらす気持ちのよい加速を体感していただき、新たな運転の楽しさをご提供したい」と小木曽氏は紹介した。
そのほかにも、ハイブリッド車を検討している人にe-POWERという選択肢を増やしてもらえるように、価格帯は他社のハイブリッド車とほぼ同等の価格に設定したとのこと。