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新型「ヤリスクロス」スペシャルムービー ライバル車の女性ユーザーの多さに驚いた開発ストーリーなど公開
「ロバスト&ミニマリスト」をコンセプトに日常生活を基軸にしたモデルに
2020年8月31日 15:49
- 2020年8月31日 発売
- 179万8000円~281万5000円
トヨタ自動車は8月31日、新型コンパクトSUV「ヤリスクロス」を発売。同社公式Webサイトでは、ヤリスクロスのチーフエンジニアやデザイナーなど、開発陣がヤリスクロス開発に対する思いを語るスペシャルムービーを公開している。
ヤリスクロスは、ガソリン車4グレード、ハイブリッド車3グレードを用意し、すべてに2WD(FF)と4WDを設定。価格は179万8000円~281万5000円。月販目標台数は4100台で、生産工場はトヨタ自動車東日本の大衡工場・岩手工場となる。
日産「ジューク」やルノー「キャプチャー」の好調な販売に「これはあるなぁ」と企画を提案
公開された開発ストーリーの映像の中で、トヨタ自動車 TC製品企画 ZP チーフエンジニアの末沢泰謙氏は「日本でSUVと言うと男性をイメージされたり、大きなクルマをイメージされるんですけど。ちょうど4年半ぐらい前に日産ジュークやルノーキャプチャーがヨーロッパで非常に販売が伸びている」ということから、ヤリスクロスを企画したことを明かした。
そのユーザー層について、末沢氏は「驚いたのがユーザーに女性が多いこと。なぜ買われたのか聞いた時に、まずは小さいということ。小さくて背が高くて、小まわりが利いて、目線が高いから運転しやすいということと、コンパクトなサイズで大きなタイヤがおしゃれでかっこいい、いままでにない。“これはちょっとあるなぁ”と思って、デザイン性やSUV要件、ユーティリティを加えて提案したところ、企画を進めることができました」と話した。
「ロバスト&ミニマリスト」をコンセプトに日常生活に基軸を置いたモデルに
ヤリスクロスのデザインについては、トヨタ自動車 デザイン部 主幹の西友康氏が「アクティブ、スポーツ、週末みたいな図式でアプローチしているクルマが多い中で、最高発のメーカーとして違った角度からアプローチしたい」と、日常生活に基軸を置いたモデルを目指したという。
「ロバスト & ミニマリスト」という思想のもと行なわれたヤリスクロスのデザイン開発においては、街乗りのSUVとして必要なものを考え、必要なものだけに削ぎ落としていったという。
西氏は「ロバストとミニマリストという言葉を決めたのは、SUVとしての力強さをもちろん表現する、だけどそれを過剰に表現しない。それがミニマリストとか、必要なものを必要なだけという考え方。そこを入れることで決定的な差がライバルのクルマたちに対してできるんじゃないかなと思って作ってきました」と述べている。
クロスオーバーでありながらドライバーに不安感を抱かせない走り
走行性能についてはトヨタ自動車 凄腕技能養成部 FDチームグループGXの大阪晃弘氏が語り、背の高いクロスオーバーモデルでありながら安心して走れるということを目指して開発したという。
大阪氏は「ヤリスよりドライビングポジションは高いのですが、不安感をドライバーに抱かせないように、ボディ剛性をしっかりとって、大きいタイヤに対しても対応できるように、EPSのチューニングをまっすぐ走る時から路面のインフォメーションをしっかり分かるような状態にして、ダンパーも走り出しからしっかりストロークして、そこで減衰を出してグラグラしないっていうところを、データをしっかり取りながら感性と合わせ込みで作り込みました」と話し、その仕上がりについては「トヨタ自動車としては安心安全をベースにして、より自然にクルマを動かそうということで、ドライバーの操作に対して気持ちよくクルマが動いてくれるというところを作りこんでいます。自分が狙ったラインに気持ちよくトレースできる、そういう感じになっていると思います」と述べている。
動画の締めくくりに、チーフエンジニアの末沢氏は「本当にやりたいことがなんでもできる、あるいは何でもできるように思わせる。自分はアクティブなんだ、アクティブなようにまわりからも見られるような、ぜひそういうカーライフを将来のユーザーのみなさんには味わっていただきたいなと思っています」とのメッセージを述べている。
なお、公式サイトではこの動画のほかにもヤリスクロスの商品紹介、ジャーナリスト解説、ヤリスクロスの生産を担当するトヨタ自動車東日本 取締役社長の宮内下図公氏のヤリスクロス製造にかける思いなどの動画が公開されている。