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写真で見る トヨタ「ヤリスクロス」(プロトタイプ)

ヤリスクロス。撮影車両はHYBRID G。ボディカラーはシルバーメタリックとブラックマイカルーフの2トーン

 トヨタ自動車「ヤリスクロス」は都市型コンパクトSUV。2019年に発表されたコンパクトカー「ヤリス」の資質を受け継ぎつつ、ブランドの一員に加わることになるモデルだ。なお、今回紹介するのはプロトタイプで、価格をはじめ装備やグレードによる差異など現時点では未公表となっているほか、市販モデルでは細部に変更が加えられる可能性もある。そのあたりは正式発表をお待ちいただきたい。

 ヤリスブランドを冠するモデルだけに、基本的なメカニズムはヤリスを踏襲。プラットフォームは「TNGA(Toyota New Global Architecture)」のコンパクトカー向けとなる「GA-B」を採用する。ボディサイズは4180×1765×1560mm(全長×全幅×全高)と、ヤリスと比べると全高はもちろん全長、全幅ともにひとまわり大型化。ホイールベースも2560mmと10mm延長されている。また、SUVならではのポイントとして最低地上高は170mmを確保。130~160mmだったヤリスよりもアップするとともに、アプローチアングルも17°と砂利道や雪道などでも安心して走行できる数値を獲得している。

 大型化したボディもあって、外観もボリュームのあるデザインを採用。通常、この手のバリエーションモデルの場合、ベース車からできる限りパーツを流用するのが一般的だが、開発陣によれば「ヤリスと同じ(外装)パーツはコーナーセンサーぐらい」とのこと。それもあってヤリスブランドの一員でありながら、ヤリスとの明確な差別化が実現しているわけだ。

ルーフやフェンダー、リアコンビランプまわりなどディテールは似ているものの、外観で同じパーツは使っていないという

 一方、内装に関してはヤリス譲りの仕上がり。インパネまわりはほぼ同様の造形ながら、中央から下を専用デザインとすることでSUVらしさを表現。また、サイドブレーキが手動式から電動式に変更されており、センターコンソールも大きく形状が変わっている。

 パワートレーンはハイブリッドとガソリンの2タイプ。ハイブリッド車は1.5リッター直列3気筒エンジンを核としたTHS-II、ガソリンエンジン車は1.5リッター直列3気筒エンジンを搭載する。詳細スペックはどちらも現時点では非公表となっているものの、ベースのヤリスと大きく変わることはないはずだ。

 注目したいのは4WDシステムで、ハイブリッド車には「E-Four」、ガソリンエンジン車には「ダイナミックコントロール4WD」を採用。E-Fourは「プリウス」譲りのシステムとなるが、悪路など滑りやすい路面で効果を発揮する「TRAIL」モード、雪道でスムーズな発進をサポートする「スノーモード」を搭載。ダイナミックコントロール4WDは「RAV4」譲りのシステムで、「ノーマル」「マッド/サンド」「ロック/ダート」と3つのモード選択が可能な「マルチテレインセレクト」が用意される。また、滑りやすい下り坂などで利用できる「ダウンヒルアシストコントロール」も搭載している。

 目立たない部分ではあるものの、ブレーキもヤリスより強化されている。標準ホイールサイズが16インチとなったことで、フロントのブレーキローター径を1インチアップしたほか、リアもドラムからディスクへ。走行シーンを選ばない安定したブレーキ性能を手に入れている。

 先進安全装備はミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせた予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を搭載。クルマや自転車、歩行者との衝突回避をサポートするプリクラッシュセーフティはもちろん、車線の中央維持をサポートするレーントレーシングアシストなどを装備。さらに、ヤリスからの進化点としてレーダークルーズコントロールが全車速追従機能付となったほか、横風に対応した車両安定化システム「S-VSC」をトヨタ車として初搭載しているのも見逃せないポイントとなる。

 現時点で判明しているグレードはハイブリッド車が「HYBRID Z」「HYBRID G」、ガソリンエンジン車が「Z」「G」の各2タイプ。ヤリスではベーシックグレードとして設定される「X」が用意されるか否かは不明となっている。

ボディサイズは4180×1765×1560(全長×全幅×全高)mm。実車を前にすると数値から感じるよりボリュームがある。撮影車両はZでボディカラーはシルバーメタリック

ハイブリッド

撮影車両はHYBRID G
フロントマスクは台形のグリルデザインでどっしりとした安定感がある
先進安全装備はToyota Safety Senseを搭載
フェンダーとサイドシルは樹脂製のガードでカバー
車名バッヂが付く
ヤリスと異なりサイドミラーはドアマウントに
ドアミラー根元にエアロスタビライジングフィンが付く
リアコンビランプサイドにもエアロスタビライジングフィンを装備
ルーフアンテナはシャークフィンタイプ
ヘッドライトはハロゲンのプロジェクター。バンパー下部にデイライトとウインカーが付く
1.5リッター直列3気筒エンジンを核としたハイブリッドシステムを搭載
オプションと思われる18インチアルミホイールと215/50R18タイヤ。標準のタイヤサイズは205/65R16となるようだ
燃料は無鉛レギュラーガソリン仕様
内装は上級モデルとなるHYBRID Zで撮影。内装色はブラウン
ステアリングはヤリスと同タイプ
ハイブリッド車ながらシフトはガソリン車と同じ
ペダルまわり
パーキングブレーキが電動式に。ヤリスでは運転席側にあったEVパワートレインモードスイッチなどは助手席側に移動
4WD車にはモードセレクトダイヤルが付く
RAV4譲りと思われるメーターパネル。グレードによってはヤリスと同じフードレス双眼デジタルTFT式メーター装着車もあるようだ
7インチTFTパネルを使ったマルチインフォメーションディスプレイ
トヨタでは標準になりつつあるディスプレイオーディオを装着
ステアリングコラム右側のスイッチパネル。パワーバックドアやハイブリッド車ならではのAC100Vスイッチがある
オートエアコン
シートヒーターとUSBソケット
グローブボックス
サイドブレーキレバーがなくなったセンターコンソール
マップランプ。緊急通報(ヘルプネット)用スイッチも装備
運転席、助手席ともサンバイザー裏にバニティミラーを装備。照明も付く
ブラウンの内装色はシックな印象。シート表示は合皮とファブリックのコンビネーション
電動パワーシートを用意。スイッチはちょっと独特な形状で右が前後スライド、中央がハイトアジャスト、左がリクライニング
運転席のドアトリム。不織布を使ったトリム(中央のブラウン部)はヤリスと同様
ドアミラーとパワーウィンドウのスイッチ
リアシートは4:2:4の3分割可倒式を採用
中央部はアームレストとしても利用可能
後席ドアトリム。中央部はブラウンではなくブラック
G系グレードの標準となると思われるファブリック仕様のシート。こちらの内装色はブラックになる
荷室には6:4分割のデッキボードを装備。上段セット時にはリアシートを倒すとフラットなスペースになる
デッキボードを下段にセットした状態。荷室容量は390L(VDA法)、リアシート中央部は単独もしくは右側とセットで倒すことが可能。左側と中央の組み合わせは不可
AC100Vコンセントが備わる
ハンズフリーバックドアを用意。バックドアのボタン操作のほか、キー携帯時はバンパー下に足を出し入れすることで開閉が可能
ベビーカーを積載した状態

ガソリンエンジン車

撮影車両のグレードはZ。ボディカラーはシルバーメタリック。ハイブリッド車との違いはブランドロゴ部分が分かりやすい
上級グレードのヘッドライトにはLEDを採用。点灯素子を制御することで先行車や対向車の部分だけ減光して見やすさを確保するアダプティブハイビームシステムも装備
デイライト部分がウインカーを兼ねる
リアコンビランプの点灯パターン。ポジション時
ブレーキ時
ウインカー作動時
バックランプ点灯時
1.5リッター3気筒エンジンを搭載
メーターパネル。左側がタコメーターになる
ステアリングコラム右側のスイッチ群。下部にはボンネットオープナーとETC車載器用スペースがある
ラゲッジにはDC12Vソケットを装備