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パナソニック、アンチグレアタイプの車載ディスプレイ用反射防止フィルムを製品化

ウェット製法で低反射率0.5%を実現

2020年10月12日 発表

 パナソニック インダストリアルソリューションズ社は10月12日、アンチグレアタイプの車載ディスプレイ用反射防止フィルム(品番:MUAG8[G200N])を製品化したと発表した。業界初のコストパフォーマンスに優れたウェット製法で低反射率0.5%を実現させた製品となり、サンプル対応を開始して、量産は2021年4月の予定。

 センターインフォメーションディスプレイやサイドディスプレイなど車載ディスプレイの大型化、高精細・高画質化、異形状化、操作性向上が進むなか、安全・快適に運転をするために、ディスプレイは見やすく瞬時に情報を得られる必要があり、映り込みの低減が強く求められている。

 車載ディスプレイの映り込みを低減するためには最表面に反射防止機能が必要となる。同社では、反射防止には、大画面化や異形状化に対応しやすく衝撃時の飛散を防ぐフィルムを貼合する方式が適していると考え、開発品は反射防止フィルムの製法としてウェット製法を採用した。

 ウェット製法は、生産リードタイムが短いなどコストパフォーマンスに優れる一方で、反射防止特性に課題があったという。

 同社はこの課題に対して独自の樹脂設計技術、ハードコート材料設計技術、ナノコーティング技術により、反射率を0.5%以下に抑える低反射特性を実現させた。また、厳しい使用環境下でのフィルムの劣化に対してはDIN規格をクリアするハイレベルの耐候性があるとしている。

 なお、独自の光学材料設計によるフィルムの赤外線透過率が高いため、ディスプレイの周辺部にドライバーモニタリングシステムなどの赤外線センサーを配置する場合、検知に必要な光量が確保できればセンサー部を覆ってのフィルムの貼り付けが可能になり、センサー受光部の穴開けなどの工程削減やデザイン性の向上に寄与するとしている。