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レクサス、「IS」をマイナーチェンジ 熟成の新型FRスポーツセダンは価格480万円から
Toyota Technical Center Shimoyamaで鍛え上げた操縦性や乗り心地。「クルマを操る楽しさ」を追求
2020年11月5日 16:23
- 2020年11月5日 発売
- IS350:650万円
- IS300h:526万~642万円
- IS300:480万~555万円
- 特別仕様車:585万円~700万円
レクサス(トヨタ自動車)は11月5日、マイナーチェンジしたFRスポーツセダンの新型「IS」と、特別仕様車“F SPORT Mode Black”を発売した。価格はIS350が650万円、IS300hが526万~642万円、IS300が480万~555万円、特別仕様車は585万円~700万円。
Toyota Technical Center Shimoyamaをはじめとする世界各地で走り込み、走りの性能を鍛え上げた新型IS
新型ISでは、Toyota Technical Center Shimoyamaをはじめとする世界各地で走り込み、走りの性能を鍛え上げたとしている。減速、操舵、加速がシームレスに繋がる気持ちよさなど、ドライバーの意図に忠実でリニアな応答を追求し、日常の走行シーンにおいても気持ちのよい走りを感じることができるという。
デザインにおいては、ワイド&ローなプロポーションにこだわったほか、高精度なプレス技術によってシャープな造形を実現し、アグレッシブな意匠とした。さらに、進化した「Lexus Safety System +」などの先進安全技術も採用された。
Lexus International チーフエンジニアの小林直樹氏は「新型ISを開発するにあたり念頭に置いたのは、ドライバーの意図がクルマに、また、クルマの挙動がドライバーに正確に伝わるという対話を大事にすることです。その実現に向けご好評いただいているコンパクトなボディを活かし、新設のテストコースでチーム一丸となって開発し、熟成を図りました。レクサスのコンパクトFRスポーツセダンとして、上質な乗り心地でありながら高い車両コントロール性を備え、長く乗れば乗るほど操る楽しさなどの新しい発見や、作り手の想いを感じていただけるクルマを目指しました」とコメントしている。
新型ISのボディサイズは4710×1840×1435mm
新型ISのボディサイズは4710×1840×1435mm(全長×全幅×全高)で、従来モデルと比べ全長で30mm、全幅で30mm、高さで5mmそれぞれ拡大。ホイールベースについては2800mmで変わらず。
パワートレーンは、V型6気筒 3.5リッターエンジンを搭載する「IS350」、直列4気筒 2.5リッターハイブリッドシステムを搭載する「IS300h」、直列4気筒 2.0リッターターボエンジンを搭載する「IS300」をラインアップ。ガソリンモデルのトランスミッションは8速ATで、駆動方式は2WD(FR)。ハイブリッドモデルの「IS300h」には2WDと4WDモデルが用意される。
ISのマイナーチェンジにおいては、2.5リッターハイブリッドモデルではアクセル開度に対するエンジンとモーターの駆動力制御を変更。2.0リッターターボモデルでは、ドライバーのアクセル開度などから走行環境を判定し、シーンに応じて適切なギヤ段を設定するアダプティブ制御を採用し、よりドライバーのアクセル操作や意図に対してリニアなレスポンスを実現させたという。
ボディでは、サイドラジエーターサポートの補強、フロントサイドメンバーのスポット打点追加、Cピラーからルーフサイドにかけての構造最適化などによりボディ剛性を高めることで、ハンドル操作に対するレスポンスなど運動性能も高めるとともに、ノイズや振動を徹底的に排除し乗り心地を向上させたとしている。
足まわりでは、ホイールの締結にハブボルトを採用し、締結力の強化と質量の低減を図った。また、新採用の19インチタイヤはコーナリングフォースを大幅に向上するなど、気持ちのよいハンドリングとブレーキングを実現させたという。
サスペンションは、ショックアブソーバーのオイル流路に非着座式のバルブを設け、微小な動きに対しても流路抵抗による減衰力を発生させる「スウィングバルブショックアブソーバー」を採用。アブソーバーのストローク速度が極めて低い場合でも減衰力を発揮することで、応答性がよく上質な乗り心地を実現。
エクステリアでは、ボディパネル製造工程において、内側から突き上げる成形を追加した「突き上げ工法」を採用し、リアフェンダーのシャープなキャラクターラインを実現。また、上下方向のプレスの動きに合わせて金型が横方向からスライドする機構を追加した、レクサスならではの緻密で立体的な造形を可能とする「寄絞り(よせしぼり)工法」を世界で初めて開発。これによりラゲージ後端部のキャラクターラインにおいて、高精度でよりシャープな造形を実現させたという。
新意匠のスピンドルグリルはグリルの先端を起点に立体的な多面体構造とすることで押し出し感を強調。また、スピンドルをモチーフとしたブロック形状とメッシュパターンを組み合わせ、スポーティな印象とした。
エクステリアカラーは、強い陰影により造形を際立たせる「ソニックイリジウム」と、金属質感と高光沢を実現した「ソニッククロム」の2色を新規設定した。
インテリアでは、マルチメディアシステムに新たにタッチディスプレイを採用するとともに「SmartDeviceLink」「Apple CarPlay」「Android Auto」に対応。iPhoneやAndroidスマートフォンを10.3インチタッチワイドディスプレイに連携させることで、画面操作や音声操作が可能になるなど利便性を向上させた。
インストルメントパネル上部やドアパネルに有彩色を設定しツートーン配色とすることで、左右方向の広がりを強調。また、ツートーン配色によるコントラストで乗車時に高揚感を感じさせるカラーコーディネートとした。
ドアトリムの一部にレクサスの新たな加飾表現である複数のエンボスラインを交差させたグラフィックパターンを採用。オーナメントパネルにアッシュ(オープンフィニッシュ/墨ブラック)、ブラックジオメトリーフィルム、F SPORT専用サテンクロムを新規採用。表面処理などのアクセントをつけることで、素材本来の質感表現にこだわったスポーティな室内空間とした。
前後異サイズ19インチホイールを専用設定した“F SPORT”
“F SPORT”は、前後異サイズ19インチホイールを専用設定し、スタビライザー、EPSなどを専用チューニング。さらに、ショックアブソーバーの減衰力を最適に制御するNAVI・AI-AVSを標準装備して、状況に応じて優れた乗り心地と走行安定性を両立。コーナリング時には切れ味鋭いハンドリングと相まって、ISの走りの真価を発揮させるという。
また、F SPORTおよびFモデルに採用されている専用のFメッシュデザインのスピンドルグリルを採用。また、グリルロア部のエアインテーク、サイドにロッカーモールフィン、リアスポイラーとリアバンパーロアガーニッシュを配し、ピアノブラック塗装のカラーリングで統一することで、“F SPORT”の精悍さを表現した。
さらにF SPORT専用外板色として、「ラディアントレッドコントラストレイヤリング」を採用。深みのある赤を実現する塗膜厚の厳密な管理にレクサスの高い塗装技術と匠の技が活かされた。
特別仕様車“F SPORT Mode Black”
特別仕様車“F SPORT Mode Black”は、「IS350」/「IS300」の“F SPORT”をベースに、専用のアルミホイールやブラックを基調としたカラーコーディネートで、ISの特長である走りとデザインに磨きをかけたモデル。
BBSと共同開発したマットブラック塗装の鍛造アルミホイールの軽量化により、さらなるばね下質量の低減を実現。また、ブラック塗装のドアミラーを採用することで、精悍さを際立たせた。デザイン面ではアルミホイール表面の滑らかさにこだわり、職人が30年以上かけて培ってきた技術で、1本ずつ手作業で丁寧に仕上げたという。
インテリアでは、アッシュ材を銀墨色に仕上げた専用デザインのステアリングやオーナメントパネルを採用。アッシュ材の流麗な木目に高輝度塗装を施すことで、光を受けると銀墨の独特の輝きに移ろい、太陽光を受けると鮮やかな銀色が出現するなど、自然素材が持つ本物の質感を際立たせ、加工から研磨、塗装まで各工程を職人が一つずつ手作業で仕上げたとしている。
さらに、“F SPORT”専用本革スポーツシートや専用メーターオープニングなどの特別装備により、スポーツドライビングの高揚感を高めた。