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トヨタ、米国で新型燃料電池大型商用トラック公開 新型「ミライ」のFCシステム搭載

荷重量は8万ポンド(約36t)、航続距離は300マイル(約480km)以上

2020年12月10日(現地時間)発表

新型燃料電池大型商用トラック

 トヨタ自動車の北米事業体であるToyota Motor North America(TMNA)は12月10日(現地時間)、燃料電池大型商用トラック(FC大型商用トラック)の新型プロトタイプを初公開した。この新しいFC大型商用トラックは新型「MIRAI(ミライ)」に搭載している第2世代のFCシステムを採用することで、将来の量産化を見据え、より力強い加速性能を実現するなど、パフォーマンスと柔軟性を大幅に向上させたという。荷重量は8万ポンド(約36t)、航続距離は300マイル(約480km)以上と、幅広い商用トラックニーズに適応できる設計となっている。

 トヨタは2017年からロサンゼルス港湾地域で商用トラックへのFC技術展開の可能性を検証するため、さまざまな改良を行ない実証に取り組んできた。ロサンゼルス市港湾局が中心となって進める貨物輸送の「ゼロ・エミッション化」プロジェクト(「ZANZEFF:Zero-and Near Zero-Emission Freight Facilities Project」)においては、12月から2019年に公表したケンワースのトラック「T680」をベースにしたFC大型商用トラック(第1世代FCシステム搭載)の貨物運送会社への納入を開始。今回初公開した新型FC大型商用トラック(同「T680」ベース、第2世代FCシステム搭載)についても、貨物輸送オペレーションでの実証を進めていく。

新型燃料電池大型商用トラック

 今回の発表について、同プロジェクトのチーフエンジニアであるTMNA 電動車・先進技術部門のアンドリュー・ランド氏は「FC大型商用トラックの大規模な実証は、貨物輸送の『ゼロ・エミッション化』に向けた重要なステップです。これまでの実証を通じて、FC技術が日常の貨物輸送に適していることを確信していますが、今後は新型プロトタイプを追加することで、量産化だけではなく、より長距離の輸送など幅広い用途での活用も視野に入れていきます」と語っている。

従来型の燃料電池大型商用トラック