ニュース
KONDO RACING、SUPER GT 2020年シーズンを振り返る「シリーズチャンピオン報告会」レポート
藤波清斗選手「無観客レースはテスト走行のようだった」
2020年12月21日 10:58
- 2020年12月20日 開催
日産自動車は12月20日、神奈川県横浜市の日産グローバル本社ギャラリー内 日産ホールで「2020 SUPER GT GT300クラス リアライズ 日産自動車大学校 GT-R シリーズチャンピオン報告会」を開催した。
2020年のSUPER GT GT300クラスに参戦したKONDO RACINGは、56号車「リアライズ 日産自動車大学校 GT-R」を藤波清斗選手、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手の2人がドライブ。第5戦 富士と第7戦 もてぎでクラス優勝を果たしたほか、シーズンを通じて堅調にポイントを重ね、2位と13ポイント差の95ポイントを獲得してGT300クラス年間チャンピオンに輝いた。
今回のイベントは、日ごろから日産系チームに声援を送ってくれるファンに対して応援の感謝を伝え、シーズンの振り返りなどを選手やチーム関係者が行なうもので、およそ1時間にわたって実施された。
藤波清斗選手&ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手のトークショー
イベントではMCの木幡ケンヂ氏とミスフェアレディによるシーズンの振り返りが冒頭で行なわれたあと、56号車で2020年シーズンを戦った藤波選手とオリベイラ選手が登壇してトークショーが行なわれた。
藤波選手はステージ上に並べられたマシンとトロフィについて感想を問われ、「今シーズンはコロナの影響もあって、レースができないかもということもあったのですが、レースができて、シリーズチャンピオンも獲れたという夢のような状態です。本当にうれしくて、今でもいろいろな人から温かいメッセージをいただいています」と回答した。
また、今シーズンは開幕が7月までずれ込んだことについて「3月~5月にはレースができるか分からず、正直に言えばモチベーションも上がらない状態でした。ただ、準備をしていつレースが再開されてもいいように、自分なりにできることをやって、その成果が結果に表われたので、やってきたことは無駄じゃなかったなとしみじみ感じています」と語り、開幕後の数戦が無観客で実施されたことについては「ファンの皆さんがいてくれるのが当たり前になっていましたが、走っていても誰もいないし、レースを見てくれる人がいないので、なんだかテスト走行をしているような感じでした。ただ、サーキットには来られなくても、インターネットやTVなどで皆さんが見ていると思って一生懸命走っていました。ちょうど第5戦からの観客がいる状態で優勝できて、皆さんの前でいい走り、いい結果を見せることができて本当にうれしく思いました。お客さんがいることですごくパワーになりましたし、うれしかったです。応援があると全然違いますね」と説明。これまでにない環境でレースを戦ったことで、自分が幸せな環境にいることを再確認したとふり返った。
オリベイラ選手はシリーズチャンピオンを獲得したマシンについて「このクルマ(56号車)は自分と藤波選手にとって本当にスペシャルで、今シーズンを素晴らしいものにしてくれて本当に感謝しています」と説明。
シーズン初勝利となった第5戦については「今シーズン最初の勝利ということで非常によかったです。マシンもタイヤもすべてが完璧で、ファーストスティントを走った藤波選手からバトンを受け取って、それからも自信を持って運転できました」と語り、2勝目となった第7戦については「(激しいバトルを繰り広げた)谷口選手は非常に経験豊富なドライバーで、お互いにリスペクトしているので恐さを感じることはなく、本当にバトルを楽しめました」とふり返った。
来年に向けた抱負についてオリベイラ選手は「今年は本当にタフなシーズンになりましたが、来年も皆さんとまた元気に会えることを期待しています。また、来年もSGTにこのチームで参加することができたらチャンピオンを獲りたいと思います」とコメントした。
「NISSAN MECHANIC CHALLENGE」トークショー
また、KONDO RACINGではSUPER GT GT300クラスの参戦にあたり、独自の人材育成プロジェクト「NISSAN MECHANIC CHALLENGE」を実施。全国の日産販売店で働いているテクニカルスタッフや日産自動車大学校の生徒から選抜されたメンバーがチームの一員としてレース活動に参加している。
イベント後半では藤波選手とオリベイラ選手の2人に続き、NISSAN MECHANIC CHALLENGE参加メンバーによるトークショーも行なわれた。
この活動に参加したことで日常業務に生かせている点について、埼玉日産自動車のテクニカルスタッフである渡部祐浩氏は、「チームワークであったり、こだわりを持って妥協を許さない整備を行なうという点ですね。お客さまにクルマを安心・安全に乗っていただくという部分で、これまで以上に気持ちが引き締まって毎日やっています」と回答。神奈川日産自動車のテクニカルスタッフである藤波智人氏は「僕もレースの世界を見て、チームワークが一番大事なんだと学びました。職場でも周囲を見て仕事をすることがチームワークを作る上で大切なことだと思っていて、その点が非常に勉強になりました」と述べた。
日産自動車大学校の日下部飛翔氏は「自分はこの活動でリーダー的なポジションを努めさせていただいていますが、まず視野が広くなったと思います。1人ひとりとコミュニケーションすることで現場の状況を把握することができて、自分としてはまわりの状況をよく見ることができたかと思っています」と答え、同じく日産自動車大学校の池谷竜一氏は「これから整備士を目指して就職活動をしていく上で、プロの整備士の皆さんの実際の動きを見させてもらうことができたので、自分でもプロの皆さんのような動きができるように今後の学校生活を頑張っていこうと思っています」と抱負を語っている。
サイン入りレーシンググローブなどが当たるプレゼント抽選会も
また、今シーズンはサーキットでの活動は少なかったものの、パブリックビューイングなどでチームのPR活動に貢献した「2020 リアライズガールズ」の前田真実果さんと五十嵐みささん、「BUSOUサーキットレディ」の逢坂真希さんと蒼乃茜さんの計4人も登壇。シーズン中の活動内容などについて紹介し、それぞれ今シーズンの応援に対して感謝の言葉を述べた。
最後には藤波選手とオリベイラ選手が再び登壇してプレゼント抽選会を実施。藤波選手とオリベイラ選手のサイン入りレーシンググローブ、リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rスケールモデル、KONDO RACINGメッセンジャーバッグなどが来場者に贈られた。