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KONDO RACING 近藤真彦監督が「1勝と言わず2勝ぐらい」と力強く勝利を誓った「GT300マシン初公開イベント」

新型GT300マシン「56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R」初公開

2019年2月22日 開催

近藤真彦監督によってお披露目されたKONDO RACINGのGT300マシン「56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R」

 KONDO RACINGは日産グローバル本社ギャラリーで2月22日、SUPER GT GT300クラス参戦マシンを初公開する「NISSAN MECHANIC CHALLENGE ~KONDO RACING GT300アンベールイベント」を開催した。

 KONDO RACINGは2019年シーズン、SUPER GTのGT300クラスで日産自動車のレース専用車両「GT-R NISMO GT3」を使った「56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R」でレースを戦う。

56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R
リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rのゼッケンナンバーは56で、車両のメンテナンスはエムケイカンパニーが担当する
ボディのカラーリングはブルーを基調としており、イエローのヘッドライトも特徴的
タイヤは横浜ゴム、ホイールはレイズという組み合わせ。タイヤサイズは前後とも330/710 R18
ドアパネルに「NISSAN MECHANIC CHALLENGEなど多数のロゴが記載されている
ドライバーには平峰一貴選手、サッシャ・フェネストラズ選手の2人を起用

「1勝とは言わず、2勝ぐらい」と近藤監督が必勝を宣言

近藤監督や平峰選手などのトークショーが約30分に渡って行なわれた

 イベント当日は冒頭でKONDO RACINGの近藤真彦監督のかけ声によりリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rがアンベールされ、ニューマシンがお披露目になった後、近藤監督やこのマシンでGT300クラスに参戦する平峰一貴選手に加え、2012年から人材育成プロジェクトとして合同レース参戦を行なっている日産自動車 日本アフターセールス本部 アフターセールスリテンション部 部長の長谷川浩嗣氏、日産・自動車大学校 愛知校 校長の田中篤司氏の4人と司会のピエール北川氏によるトークショーが行なわれた。

 トークショーでは8年目を迎える合同レース参戦の意義やこれまでのエピソード、新たに挑戦するSUPER GT参戦に向けた意気込みなどが語られた。

 まず、近藤監督は新たなSUPER GT挑戦のきっかけについて「これまではスーパー耐久の参戦をやらせていただいていまして、ここで2016年のチャンピオンになることができました。そこでスーパー耐久の頂点を見てしまったわけです。チャンピオンを継続していくことは非常に難しいことでもあり、チャンピオンを獲った後、モチベーションを持ち続けていけるのか不安なところもありました。だったら戦う場所を変えてみようかと思いまして、同じGT3車両を使う戦いなら勝つ自信がありましたので、GT300に場所を移してみようということになりました。GT300の方はすごくお客さんもいますし、(プロジェクトで参加する)学生さんもモチベーションが上がるんじゃないかと思いまして『よし、300行くぞ!』と、言っちゃってからが大変でした」とコメント。

日産・自動車大学校 愛知校 校長の田中篤司氏

 これを受け、田中校長も「われわれは近藤監督といっしょに7年間、スーパー耐久をやってきました。スーパー耐久という舞台は学生の育成に適した舞台ではあって、もちろん(SUPER)GTに行きたいという声もあったのですが、GTはハードルが高いとわれわれも思っていました。ただ、7年間やって、チャンピオンも獲って、ひととおりのプログラムができあがったので、次にチャレンジしてみようかという思いもありました。そこで、ちょうど1年ぐらい前に『実は相談したいことがあるんです』と近藤監督に言いに行ったら、近藤監督の方から『GT300、行く?』と、こちらから相談に行ったのに、もう監督の頭の中では決まっていたんです。ある意味では、あうんの呼吸で意思の疎通ができていたということで、これまでの7年間の経験がそのままジャンプアップして(GT300参戦という)結果につながったんじゃないかなと思います」と語り、近藤監督もGT300挑戦を「機が熟した結果」と評した。

日産自動車株式会社 日本アフターセールス本部 アフターセールスリテンション部 部長 長谷川浩嗣氏

 また、2019年から開始するSUPER GTのGT300クラス参戦では、新たな試みとして日産・自動車大学校の生徒たちに加え、全国の日産自動車販売会社のテクニカルスタッフ(ディーラーメカニック)もメカニックとして参加することになっている。

 これについて長谷川部長は「今回の『NISSAN MECHANIC CHALLENGE』では、チャレンジという言葉に2つの意味を込めています。1つは、テクニカルスタッフにとって普段の仕事とは異なるレースというフィールドで活躍する。これは彼らにとっても1つの挑戦になると思うんです。もう1つは、国内最高峰のレースカテゴリーであるSUPER GTに参戦していく。これこそが大きな挑戦で、この2つの挑戦という意味を込めて『NISSAN MECHANIC CHALLENGE』と命名しました」と解説。

 さらに長谷川部長は「まさに今、レース参戦に向けてテクニカルスタッフの応募を受け付けているところで、参戦したいというテクニカルスタッフにはエントリーシートを書いてもらっています。ここには参戦に向けた思いや自己PRなどを書いてもらっていて、1人ひとりのエントリーシートを読ませていただいているのですが、熱い思いが書き切れずにA4のシートの裏まで使って書き連ねられているといった応募がたくさんあります。読んでいて私も非常にわくわくしていますし、本当にこのプロジェクトを近藤監督や田中校長といっしょに立ち上げてよかったなと感じています。ただ、それだけ熱い思いをたくさんいただいている中から、どうやって選んでいいのかと別の意味で悩んでいます」と語り、SUPER GT参戦に向けて多数のテクニカルスタッフが熱意を持って応募していることを明らかにした。

自分だけでなく、日産・自動車大学校の学生たちも応援してほしいと語る平峰選手

 そんな熱い思いを受け、それを実際のレースで結果につなげていく立場である平峰選手は、「僕もこのチームで走らせてもらって、たくさんの皆さんのお力添えがあって実現しています。もちろん、ファンの皆さんもそうです。その思いを乗せて、僕も0.1秒の世界で戦っています。その中では皆さんの応援はぜひ欲しいですし、僕だけじゃなく、チーム全体、そして日産・自動車大学校の学生たちのこともぜひ応援してください。レースではとにかく勝ちにいきますし、新規参戦チームだということも関係ありません。まわりは敵ばかりなので、とにかく倒しにいくというところを皆さんにお見せできるように頑張ります」と力強く語った。

「1勝とは言わず、2勝ぐらいしてひと花咲かせようと思っています」と必勝を宣言した近藤監督

 トークショーの最後に近藤監督は、週明けの月曜日からスタートするというテスト走行に向け、平峰選手に「壊さないでくれよ、新車なんだから」と笑いながらプレッシャーをかけた後、「KONDO RACINGはまた新しいプロジェクトをスタートさせることができました。日産自動車さん、日産・自動車大学校さんの協力がなければこのプロジェクトをスタートさせることはできなかったのですが、そのほかにも今日はたくさんのサポーターのみなさんに来ていただいて本当にありがとうございます。皆さんの夢を乗せて、2019年のGT300で、1勝とは言わず、2勝ぐらいしてひと花咲かせようと思っていますので、ぜひ応援してください」とコメントし、参戦初年度ながら勝利を目指すレースをしていくことをアピールした。

トークショーの終盤には、KONDO RACINGのロゴマークが入ったオリジナルノートや非売品のミニチュアカーなどが当たるプレゼント抽選会も行なわれた
アンベールイベントは日産自動車の公式YouTubeチャンネルで生中継が行なわれ、現在もアーカイブ動画が公開されている(54分1秒)