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メルセデス・ベンツ、新型「Sクラス」を日本導入 世界初「SRSリアエアバッグ」採用で後席の安全性向上
8年ぶりフルモデルチェンジ。価格1293万円から
2021年1月28日 12:40
- 2021年1月28日 発売
- 1293万円~1724万円
- ファースト エディション:1938万円~2040万円
メルセデス・ベンツ日本は1月28日、8年ぶりにフルモデルチェンジしたフラグシップモデル新型「Sクラス」を発売した。ディーゼルモデルの「S 400d 4MATIC」「S 400 d 4MATIC ロング」と、ガソリンモデルの「S 500 4MATIC」「S 500 4MATIC ロング」の4モデルをラインアップ。価格は1293万円~1724万円。
メルセデス・ベンツのSクラスは、いつの時代もその時点で持てる全ての技術を搭載するメルセデスのフラグシップと位置付けられるモデル。先代モデルは2013年に発表され、累計販売台数は世界で50万台を超えた。
日本導入される「S 400 d 4MATIC」「S 400 d 4MATIC ロング」には、最高出力243kW(330PS)、最大トルク700Nmを発生する直列6気筒 3.0リッター直噴ターボディーゼルエンジンを搭載。
「S 500 4MATIC」「S 500 4MATIC ロング」では、最高出力320kW(435PS)、最大トルク520Nmを発生する直列6気筒 3.0リッター直噴ターボエンジンに、最高出力16kW(22PS)、最大トルク250Nmを発生する電気モーター「ISG」と「48V電気システム」を採用。約1kWh容量のリチウムイオンバッテリーを搭載して、従来のハイブリッド車のような回生ブレーキによる発電で充電を行なう。
新型Sクラスは全モデルでトランスミッションに9速AT「9G-TRONIC」、駆動方式に4WDシステム「4MATIC」が採用され、1速から9速までの変速比幅が広いことから、エンジン回転数が大幅に低減され、優れたエネルギー効率と快適性を実現するという。
モデル | ステアリング | エンジン | 変速機 | 駆動方式 | 価格 |
---|---|---|---|---|---|
S 400 d 4MATIC | 右/左 | 直列6気筒 3.0リッター直噴ディーゼルターボ | 9速AT | 4WD | 12,930,000円 |
S 500 4MATIC (ISG 搭載モデル) | 直列6気筒 3.0リッター直噴ターボ | 13,750,000円 | |||
S 400 d 4MATIC ロング | 直列6気筒 3.0リッター直噴ディーゼルターボ | 16,780,000円 | |||
S 500 4MATIC ロング(ISG搭載モデル) | 直列6気筒 3.0リッター直噴ターボ | 17,240,000円 |
現代に求められるラグジュアリーを再定義
新型Sクラスでは、モデルチェンジするにあたって「センシュアル ピュリティ(官能的純粋)を追求したデザイン」「人間中心の最新技術」「安全性の更なる追求」など、「現代に求められるラグジュアリー」を再定義し、その充実を図ったという。
世界初の装備として後席左右リアエアバッグやフロントウィンドウに投影可能なAR(拡張現実)ナビゲーション(オプション設定)を採用。生体認証(指紋/顔/声)によるシートポジション等の設定が可能など、全ての要素において最新のラグジュアリーとして再定義を図った。
安全運転支援システムでは、アップデートした新しいシステムを採用。「アクティブステアリングアシスト」では、必要な車線認識を従来のステレオマルチパーパスカメラだけでなく、360度カメラシステムも使用することで、対応が可能なカーブが増えたり、高速道路上で今まで以上に精密に車線中央を維持することができるようになったほか、「アクティブエマージェンシーストップアシスト」「アクティブブレーキアシスト」「緊急回避補助システム」「アクティブレーンキーピングアシスト」「アクティブブラインドスポットアシスト」「PRE-SAFEインパルスサイド」に新機能が追加されるなど改良が加えられた。
世界初の後席左右のSRSリアエアバッグ
世界初の装備として、助手席の機能に影響を与えない後席左右の「SRSリアエアバッグ」を搭載して、後席の乗員の安全性の向上を図った。
このエアバッグは前席のシートバックの裏側に格納されており、万が一の事故を検知し、後席の乗員を守るべく展開。シートベルトの拘束機能を補完し、乗員の頭や首を支えることで、負荷を大きく軽減。エアバッグの外縁部はチューブ状となっており、ガスによって強く膨張する一方、その内側となる中央部は周囲の空気を取り込んで柔らかく膨張する。
これにより、乗員の体格やチャイルドシートの有無など様々な状況に柔軟に対応して効果を発揮。これを万が一の事故の際、膨張させることで表面積を増加し、乗員の傷害の可能性を減らす「SRSベルトバッグ」および座面の前部を跳ね上げることで前面衝突時の乗員の潜り込みを防止する「クッションエアバッグ」と組み合わせることで、より一層後席の安全性を高めた。
世界初ARナビゲーションをフロントウィンドウに表示
また、世界初となるAR(Augmented Reality = 拡張現実)ナビゲーションを有機EL メディアディスプレイだけでなく、フロントウィンドウに投影するシステムもメーカー純正オプションで選択可能。
従来、目的地を設定して行先案内をする場合、地図上に進むべき道路がハイライトされるが、新型Sクラスではそれに加えて、車両の前面に広がる現実の景色がナビゲーション画面の一部に映し出され、その進むべき道路に矢印が表示される。さらに、フロントウィンドウのヘッドアップディスプレイ上には、進むべき道路が約10m先の景色に重ねて矢印で表示される。クルマの進行方向が変わると、それに従って矢印も動き、常にどの方向に進むべきかを分かりやすく表示。これにより、目線を逸らさず、より直感的にどの道路に進むべきかを判断することができるという。
後輪操舵システム「リア・アクスルステアリング」
そのほか、新型Sクラスでは後輪操舵システム「リア・アクスルステアリング」が採用され、「駐車モード」ではフロントホイールと逆方向に最大4.5度、「シティモード」(約60km/h以下)でフロントホイールと逆方向に最大4.5度、操舵を行なう。
また、ドライビングダイナミクス向上としてフロントホイールと同方向または逆方向に最大3度まで(約60~120km/h)、さらに高速域(約120km/h以上)での走行安定性としてフロントホイールと同方向に最大2.5度の操舵が行なわれる。
発表記念特別仕様車「S 500 4MATIC ロング ファースト エディション」
なお、新型Sクラスの発表を記念して、日本限定540台の特別仕様車「S 500 4MATIC ロング ファースト エディション」も同日から注文受付を開始する。価格は「S 500 4MATIC ロング ファースト エディション(ISG搭載モデル)」が1938万円、「S 500 4MATIC ロング ファースト エディション<AMGライン>(ISG搭載モデル)」が2040万円。
特別仕様車は「S 500 4MATIC ロング」をベースにエクスクルーシブさを追求した限定車。エクステリアは標準仕様とAMGライン仕様の2種類から選択可能。エクステリアカラーはそれぞれ「ダイヤモンドホワイト」「オブシディアンブラック」の2色から選択可能で、AMGライン仕様ではさらにインテリアカラーも「ブラック」「シエナブラウン/ブラック」の2種類を用意。
標準仕様では「19インチマルチツインスポークアルミホイール」、AMGライン仕様では「21インチAMGマルチスポークアルミホイール」と1インチずつ大型化した専用のアルミホイールを装備して差別化を図った。
インテリアはダッシュボードや前席のセンターコンソール、ドアトリムなどにもナッパレザーを用い、ルーフライナーはDINAMICA仕様とし、さらに前席背面や後席中央のアームレストの一部にもウッドトリムを装備するなど質感を向上させた。
インテリアトリムには「ハイグロス・スレートポプラウッドトリム」を採用して、クールな印象を際立たせた。また、後席左右に装備される11.6インチリアエンターテインメントシステム、助手席側後席のフットレスト付エグゼクティブシートやSRSリアエアバッグに代表されるリアコンフォートパッケージを標準装備とし、後席の快適性を大きく向上させている。