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アルプスアルパイン、世界初のカメラを活用した次世代の自車位置測位システム「ViewPose」を用いたC-V2X実証実験を開始
実証実験に必要となるの「5.9GHz帯C-V2X実験試験局免許」を総務省より国内で初取得
2021年2月12日 11:54
- 2021年2月10日 発表
アルプスアルパインは2月10日、クアルコムテクノロジーズ(Qualcomm Technologies,Inc.)と共同で開発を進める世界初のカメラセンシングシステム「ViewPose」を用いたC-V2Xの実証実験を行なうため、国内で初めて総務省より5.9GHz帯におけるC-V2X実験試験局免許を2月1日に取得したと発表した。
ViewPoseはクアルコムテクノロジーズのVEPP(Vision Enhanced Precise Positioning)を利用する世界初のカメラセンシングシステム。トンネルや屋根付き駐車場など、GNSS(Global Navigation Satellite System/全球測位衛星システム)の受信が困難な状況においても、正確な車両位置を特定し続けることができるという。
今回、C-V2X実験試験局免許取得により、いわき事業所にて共同開発をすすめるViewPoseの高精度位置測位情報を用いて、同社が開発中のC-V2Xシステムの実証実験を開始し、安心、安全で高度な道路交通情報システム実現を目指すとしている。
免許取得までの経緯
自動車業界ではCASE(Connected, Autonomous, Shared & Services, Electric)への動きが加速。乗員および歩行者の安全で快適な移動に貢献するコネクテッドカーの実現には、クルマとさまざまなものが通信して相互に情報共有し合うV2Xの技術が欠かせないとされている。
そこで、このV2Xの通信方式において、これまではETCなどで実績のあるDSRCが先行しているが、昨今では携帯電話などで利用されている既存の通信インフラを活用できる点や通信範囲の広さから、C-V2Xが主流となってきてる。中国が先行して導入を進めており、次いで米国が採用を決めるなど、各国がC-V2Xの導入を検討を開始。
C-V2Xでは、米中を中心に5.9GHz帯を利用周波数帯と定め、電波法の改正を検討中。日本では、5.9GHz帯は移動中継局が使用する周波数帯と重なるため、これまで実験試験局免許の取得に至る企業はなかったが、2020年5月に改訂された総務省の「周波数再編アクションプラン」の中で、5.9GHz帯をC-V2X用の周波数帯として割り当てた際の既存無線通信システムとの共用などに関わる技術的条件について、2021年度末までに検討を行う旨が公表された。
このような状況において、アルプスアルパインは2月1日、国内で初めて5.9GHz帯におけるC-V2X実験試験局免許を総務省より取得。いわき事業所に車載製品に関する多数の評価設備を有していて、中でも周回1kmのテストコースは広域通信の特徴を持つC-V2Xの評価に適した環境という。
アルプスアルパインはC-V2Xについてはこれまで、中国のC-V2Xチップサプライヤーとの生産・開発に関する相互補完パートナーシップ締結によるオールインワンモジュールの開発や、中国での相互接続性テストへの参加。無錫市C-V2X特区での継続した実証実験の実施など、C-V2Xの導入で世界をリードする中国地域における取り組みを中心に、業界に先駆けて技術開発を進めている。
今回の免許取得により、同テストコースを用いて、クアルコムテクノロジーズと共同で開発を進める「ViewPose」の高精度位置測位情報を活用した開発中のC-V2Xシステムの実証実験を開始。社会実装評価を推進するとともに、会得した知見をC-V2Xアプリケーションに応用して欧米中他グローバル展開を進め、より安心、安全で高度な道路交通情報システム実現を目指すとしている。