ニュース
アルプスアルパイン、「デジタルキャビン」を実現する最新技術をCEATEC 2020 オンラインで解説
Eミラー、ゾーンサウンドシステム、統合ECUなど
2020年10月21日 11:47
- 2020年10月20日~23日 開催
- 展示テーマエリア:ニューノーマル
アルプスアルパインは10月20日より開催されている「CEATEC 2020 オンライン」内のコンテンツの1つピックアップウェビナーにて、「Emotion in mobilityを実現するデジタルキャビンのデモ実演」を実施した。
今回のCEATECでは“Emotion in mobility「移動」を、「感動」へ。”をコンセプトに掲げ、これまでのコクピットを進化させる技術開発を発表。中でもドライバーを始め、すべての乗員の5感に訴える技術により、安心、快適、感動を与えるデジタルキャビンについて、実際のデモ実演を行なった。
自動運転やEV化など自動車の進化にともない、アルプスアルパインではクルマを形作るシステムも様変わりすることを予想し、現状クルマには200個を超えるコンピュータが搭載されているが、今後はブレード化されて3~4個に集約されると想定。また、特にドライバーに関わる機能の集約は先行して開発が進められていて、次世代コクピットの開発競争が激化しているという。
そこでアルプスアルパインでは、ドライバーだけでなくキャビン全体を開発領域とした「デジタルキャビン構想」を立ち上げている。これはセンサーやスイッチ、ディスプレイやスピーカーなどのハードウェアの技術と、それらをコントロールするソフトウェアの技術を持つ同社ならではの強みだという。
デジタルキャビンのデモンストレーションを実施
アルプスアルパインが構想するデジタルキャビンでは、スマートフォンが鍵となり、かざすことでドアの開閉が可能となる。さらに、運転席は自動的にドライバーの体格に合わせて位置を調整し、センターコンソールは後部席の人でも使える場所に自動的に移動。
ドライバーの運転準備が整うと、自動的にフロントにある大型ディスプレイが起動し、さまざまな情報が表示されるが、ドライバーの視線移動が最小限になるように配慮された配置となっている。また、ステアリングやシートを振動させることでドライバーだけに警告を送る安全運転サポート機能や、ドライバーのみや搭乗者のみなど、狙った乗員だけに音が聞こえるゾーンサウンドシステムといった機能も搭載する。
そして完全な自動運転技術が確立した場合、ドライバーは運転することはなく、搭乗者と共にリラックスして移動することが可能となる。乗員はサイドパネルのディスプレイを自由に動かせ、好みの音楽を聴いたり、情報の取得などが可能。さらに天井一面には搭乗者全員が一緒に楽しめる大型ディスプレイも装備。また、映像に合わせたライティングも行なうことで、移動空間を感動する空間へと演出。感動体験をより充実したものにするための付加価値が盛り込まれている。
これらのデジタルキャビンの機能やサービスを可能にしているのが、アルプスアルパインが開発している統合ECU=HPRA(High-Performance Reference Architecture)で、ECU本体をブレード化したことで、グレードの異なる車種でも柔軟に対応。さらに、ソフトウェアの更新により機能の拡張や更新も容易になるという。
なお、アルプスアルパインはデジタルキャビンの他にも、物流遠隔監視システム、ドローンによる道路追従点検システム、タッチレス操作パネルなどを出展している。