国交省と経産省、高速道路で「トラックの後続車無人隊列走行技術」を実現

高速道路本線を80km/h、車間9mで走行

　国土交通省・経済産業省は3月5日、高速道路におけるトラックの後続車無人隊列走行技術を実現したと発表。実際に、2月22日に新東名高速道路の遠州森町PA～浜松SAの約15kmにおいて、後続車の運転席を無人にした状態でトラックが走行したことを明らかにした。

　国交省と経産省では、トラックドライバーの不足や高齢化、燃費の改善など物流業界が直面する課題の解決や成長戦略を踏まえ、2020年度内に高速道路におけるトラックの後続車無人隊列走行技術を実現することを目標として、「トラックの隊列走行の社会実装に向けた実証」プロジェクトを豊田通商に委託して、車両技術の開発を行なうとともに、新東名高速道路の長泉沼津IC～浜松いなさIC（約140km）にて、後続車無人システムによる実証実験を進めてきた。

浜松SA内を車間5mで走行

本線から浜松SAに分流

　今回実現したトラックの後続車無人隊列走行技術は、3台の大型トラックが、80km/hで車間距離約9mの車群を組んで走行するもの。車間距離維持機能や先行車追従機能等を搭載することにより、80km/hで車間距離約9mでの走行を実現させた。なお、安全確保の観点から後続車の助手席には経験を積んだ保安要員が乗車している。

　経産省では、3月8日にYouTubeの経済産業省ライブ配信チャンネルに、後続車無人隊列走行技術の実際の走行時の様子や後続車無人システムの詳細についての動画をアップするという。

　国交省と経産省は、今後の取り組みとして「2025年度以降の高速道路におけるレベル4自動運転トラックの実現を目指し、高性能トラックの運行管理システムについて検討を行なう」ことが掲げられていることから、これを踏まえて、今回実現したトラックの後続車無人隊列走行技術の成果を生かしつつ、引き続き、自動運転技術を搭載した高性能トラックの開発、社会実装を推進していくとしている。