スバル、新型スポーツカー「BRZ」公開 新2.4リッターエンジン＆アイサイト搭載で2021年夏発売

新型BRZは「誰もが愉しめる究極のFRピュアスポーツカー」を実現

　スバルは4月5日、新型スポーツカー「BRZ」（日本仕様）を公開した。日本での発売は2021年夏を予定する。

　BRZは水平対向エンジンを搭載したFRレイアウトのピュアスポーツカー。2012年に発売した初代モデルは「低重心」「軽量」「コンパクト」を特徴とする水平対向エンジンを低い位置に搭載することで、世界トップクラスの低重心による優れたハンドリング性能を実現。

　今回のトヨタ自動車とスバルによる共同開発の特徴として、クルマのベースを共有しながらもそれぞれの個性を引き伸ばす異なる走りの味を持たせることに注力。トヨタの新型「GR 86」開発チームとお互いに切磋琢磨した結果、新型BRZでは「誰もが愉しめる究極のFRピュアスポーツカー」を実現したという。

新型BRZ

　これは、これは2019年9月に合意した「新たな業務資本提携」の中で掲げた「もっといいクルマづくり」へ共に取り組むことの具体例であり、これまでの自動車業界における協業の形に捉われない、両社にとっての新たなチャレンジになる。今後も、トヨタとお互いの持つ強みを持ち寄り、さらに関係を深めることで「もっといいクルマづくり」の可能性を追求するとのこと。

新型BRZ

初代モデルに対してフロント横曲げ剛性を約60％、ねじり剛性を約50％向上

SGP（スバルグローバルプラットフォーム）の開発から得たノウハウを取り入れるとともに、インナーフレーム構造や構造用接着剤などの採用によりボディを再構築

　新型BRZでは従来の水平対向4気筒2.0リッターエンジンの排気量を拡大し、新しい水平対向4気筒2.4リッターエンジンを搭載。徹底した吸排気性能の強化とフリクション低減によってトルクを15％高めるとともに、レスポンスも早く、滑らかに高回転まで吹け上がるスポーツカーらしいフィーリングを特徴とする。トランスミッションは6速MTと6速ATをラインアップ。6速AT搭載車ではSPORTモードの制御が進化し、クルマがスポーツ走行中と判断した際には、ドライバーの意思や操作に応じて最適なシフト操作を自動的に行ない、よりダイレクト感のあるコーナリングを可能にしたという。

水平対向4気筒2.4リッターエンジンは最高出力173kW（235PS）/7000rpm、最大トルク250Nm（25.5kgfm）/3700rpmを発生

　また、SGP（スバルグローバルプラットフォーム）の開発から得たノウハウを取り入れ、さらにインナーフレーム構造や構造用接着剤などの採用によりボディを再構築することで、初代モデルに対してフロント横曲げ剛性を約60％、ねじり剛性を約50％向上。これによりステアリング操作への応答性を高め、より軽快な動きを実現するとともに、旋回時のトラクション性能を向上させている。

　さらにルーフ、フード、フロントフェンダーに軽量アルミを採用し、エンジン出力や安全性の向上に伴う重量増を抑制するとともに、前後左右重量の適正化やさらなる低重心化を図り、運動性能を向上させた。18インチアルミホイール装着車には、215/40R18サイズのミシュラン「パイロット スポーツ 4」を装備することで、優れたコントロール性能と応答性能を実現したという。

　外観はひと目見ただけで高い走行性能を予感させる、躍動感を持ったスポーツカーらしいデザインに仕上げ、より低く、よりワイドに設置されたヘキサゴングリルが低重心を主張するとともに、グリルから始まり後方へ連なる芯の通った造形とすることで体幹の力強さを表現した。また、絞り込んだキャビンと力強く張り出したフェンダーを用いたほか、サイドシルスポイラーやフロントフェンダー後方に配したエアアウトレットなど、デザイン面に加えてスポーツカーとしての性能を最大限に引き出す機能性を持ち合わせた空力アイテムを多数採用しているのが特徴になる。

新型BRZではルーフ、フード、フロントフェンダーに軽量アルミを採用し、エンジン出力や安全性の向上に伴う重量増を抑制

新型BRZのボディサイズは4265×1775×1310mm（全高はルーフアンテナ含む。ルーフ高は1280mm）、ホイールベースは2575mm

　室内ではシンプルな水平基調のインストルメントパネルや低く設置したメーターバイザーにより、広い視界を確保。高いホールド性とフィット感をもたらすスポーツシートも採用した。また、7インチTFT液晶パネルとセグメント液晶パネルを組み合わせたデジタルメーターを採用することで、必要な情報を分かりやすく表示し、日常の運転からスポーツ走行時まで直感的に情報を把握することを可能にしたという。

室内では水平基調のインストルメントパネルや低く設置したメーターバイザー、スポーツシートなどを採用

　なお、6速AT車には運転支援システム「アイサイト」を標準装備。プリクラッシュ ブレーキや全車速追従機能付クルーズコントロールが快適な移動をサポートする。そのほか高張力鋼板の採用拡大などによってボディを強化するとともに、各種エアバッグをはじめとする乗員保護システムを強化することで、衝突安全性能を向上させている。

6速AT車は運転支援システム「アイサイト」を標準装備