佐藤琢磨、インディ500最後のスティントに「本当に難しい判断でした」 決勝14位フィニッシュ

レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングのNo.30「パナソニック/ピープルレディ ダラーラ・ホンダ」で参戦した佐藤琢磨選手

　2021年NTTインディカー・シリーズ第6戦「第105回インディ500」に参戦した佐藤琢磨選手は、5月30日（現地時間）に開催された決勝レースを14位でフィニッシュ。レース後にコメントを発表した。

　決勝レースで佐藤選手は15番手からスタート。レース序盤の大半を14番手で走行し、燃費を稼いだ。最初のピットストップが間近に迫ったときにイエローが提示され、ピットロードがクローズされたため、佐藤選手は燃費を極力抑えたモードでの走行を余儀なくされた。そして、佐藤選手は9番手を走行中の38周目に最初のピットインを行ない、8番手でコースに復帰。

　リスタートではライアン・ハンター・レイ選手とパトリシオ・ オワード選手をパスして6番手に浮上。続くスティントでも佐藤選手は燃費を稼ぎ、2番手だった79周目に2回目のピットストップを行なう。82周目には10番手となり、6周にわたってグラハム・ レイホール選手とポジション争いを展開。113周目には2番手に返り咲き、その3周後に3回目のピットストップを行なった。

　やがてグラハム・ レイホール選手がクラッシュした影響で6周にわたってイエローが提示。これで佐藤選手はさらに燃費を稼ぐことになる。次のスティントで佐藤選手が9番手以降まで後退することはなく、6ラップにわたってトップを走行、157周目に4回目のピットストップが行なわれた。

　ここから燃費をギリギリまでセーブした走りを要求された佐藤選手は18番手まで後退。しかし、チームはこの戦略を取り止め、佐藤選手にフルリッチで走行させて193周目にトップまで浮上したところでピットストップを行なった。その後、14番手でコースに復帰した佐藤選手は、そのままのポジションでチェッカードフラッグを受けた。

　レース結果について、佐藤選手は「まず、エリオ・カストロネヴェスに最大限の賛辞を送ります。4回の優勝なんて、まさに生きる伝説です。本当に信じられません。彼が優勝した瞬間を、多くの観客、そして多くのファンと共有できたことを嬉しく思います。今日の雰囲気は信じられないほど素晴らしいものでした。以前とまったく変わりなかったほどです。僕たちのレースは、思いどおりに運びませんでした。最後のスティントで燃料をセーブするのは本当に難しい判断でした。僕たちはイエローが提示される奇跡を期待していましたが、残念ながらそうはなりませんでした。それまで僕たちは、エリオの直後にあたる6番手か7番手を走行していました。チームは優勝を引き寄せるために最大限の努力をしましたが、今日は僕たちの1日ではなかったようです。もちろん、とても残念な結果ですが、僕たちはここから学んでさらに前進しなければいけません」とコメントしている。

　インディカー・シリーズの次戦は、デトロイトの市街地コースを舞台に6月12〜13日に開催される。