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コンチネンタルとエレクトロビット、Amazonの「アレクサ カスタム アシスタント」の車載向けシステムを統合

2021年6月15日(現地時間) 発表

Amazonのアレクサを車内のあらゆるサービスに適合させるシステム

 コンチネンタルとエレクトロビット(EB)は6月15日(現地時間)、EBのソフトウェアと統合サービスを使用して、アマゾンの「アレクサ カスタム アシスタント(Alexa Custom Assistant)」をコンチネンタルのコクピット・ハイパフォーマンスコンピュータに統合させ、自動車に搭載されている音声認識技術を大きく進歩させるソリューションを発表した。

 今回の取り組みは、AmazonとのEBの長年に渡る関係の拡張で、30年以上に渡り車載ソフトウェアを専門に開発してきたEBは、これまでに米国の世界最大の技術見本市「CES 2019」や「CES 2020」にAmazonとのコックピット ソフトウェアの統合モデルを発表している。この包括的なソリューションにより、自動車メーカーはアレクサの高度な人工知能(AI)にアクセスして、自社ブランド専用のアシスタントを開発することが可能になり、その結果、自社ブランドに合わせた最先端の音声エクスペリエンスを実装でき、競合との差別化が図れるという。

 アレクサ カスタム アシスタントを使用して、あらゆる種類のカスタムエクスペリエンスを車両にプログラムすれば、ドライバーは車両との自然な対話が可能になるという。アレクサの高度なAIは、例えば誰かがクルマの窓を閉めるように指示すれば窓を閉めるし、エンジンチェックランプが点灯している理由を尋ねれば、そのリクエストは自動車メーカーのアシスタントにシームレスにルーティング(送信)してくれるという。また、お気に入りの音楽の再生を依頼した場合、そのリクエストはアレクサにルーティングされる。その他にも、自動車メーカーは独自の「ウェイク(起動)ワード」や音声、機能などをブランドの個性に合わせてカスタマイズすることができるようにもなる。

コンチネンタル・ビジネスユニット・ヒューマン・マシン・インターフェース責任者フランク・ラーベ(Frank Rabe)氏のコメント

「自動車のコックピットは変化しています。ディスプレイ、カメラ、センサー、高度な機能が追加され、ますます複雑化しています。さらに、車内と車外の生活の境界が曖昧になりつつあり、消費者はどこにいてもシームレスなテクノロジー体験を期待しています。このような複雑なシステムでは、全体的なインタラクションコンセプトが重要であり、最高のユーザー体験が自動車メーカーにとって究極の差別化要因となりつつあります。アマゾンと協力することで、自動車メーカーはリソースを最大限に活用でき、顧客体験を向上させる世界クラスのカスタマイズされた音声AI体験を実現することができます」

Amazon Alexa Automotive担当バイス・プレジデント ネッド・キュリック(Ned Curic)氏のコメント

「AIの進化により、お客様にとって車内での音声体験がより自然な対話型になり、親しみやすいものになっています。全ての自動車メーカーが、このイノベーションを活用できるようにサポートをしたいと考えています。コンチネンタルとエレクトロビットとのコラボレーションにより、自動車業界でインテリジェントアシスタントのコア機能を構築・維持する負担を軽減しながら、カスタマイズ可能な車載エクスペリエンスをコックピットシステムにもたらすための高度に統合されたスケーラブルなソリューションが実現しました。自動車メーカーは、自社ブランドならではのユニークな機能の開発にリソースを集中させることができます」

EB エグゼクティブ・バイス・プレジデント クリスチャン・ラインハルト(Christian Reinhard)氏のコメント

「自動車メーカーが最先端の車載機能を簡単に実装できるよう、コンチネンタルとEBが率先して開拓するのはエキサイティングなことです。アレクサ カスタム アシスタントの統合は、AmazonとEBにとって画期的なイベントで、論理的な進化とも言えるでしょう」

 なお、2021年7月22日午前2:15(日本時間)に、アレクサ開発者向けのオンラインエデュケーションイベント「アレクサ ライブ」にて、コンチネンタルとEBによるアレクサ カスタム アシスタントの車載統合デモンストレーションを予定している。