パイオニアとコンチネンタル、統合コクピット開発における戦略的パートナーシップの締結に合意

パイオニアとコンチネンタルが統合コクピットの開発において戦略的な提携に合意。両車が協業して開発を進める新しいユーザーエクスペリエンスの統合コクピットのイメージ

　パイオニアとコンチネンタルは5月26日、今後車両への搭載増加が見込まれる統合コクピットの開発において、戦略的な提携を行なうことに合意したことを発表した。

　この協業は、両社のインフォテインメントに関する技術を組み合わせ、車室内における新しいユーザーエクスペリエンスを用いたインフォテインメントシステムを開発し、アジア市場を中心に提供していくことを目的としている。

　戦略的パートナーシップの主な内容として、両社は特にアジア市場を共通のターゲットとする統合コクピット開発で協業。パイオニアは、マルチメディアやナビゲーションのアプリケーションをはじめとする、インフォテインメントソリューションをコンチネンタルに提供。コンチネンタルは、将来のコクピットにおいて新しいユーザーエクスペリエンスを提供するためのプラットフォームとして、モジュールプラットフォームによる新しいユーザーエクスペリエンスの技術的基盤となるコクピット・ハイパフォーマンス・コンピュータ（HPC）を採用する。

パイオニアのインフォテインメントソリューションが統合されたコンチネンタルのコクピットHPCのイメージ

　この協業を通じて、パイオニアのインフォテインメントソリューションが、コンチネンタルの車両向けコクピット・ハイパフォーマンス・コンピュータに統合。パイオニアの広範囲なソフトウェアパッケージとコンチネンタルのHPCの統合は、車両メーカーにおけるコクピットシステムの開発に大きな可能性を提供するという。

　さらにこの統合により、車両アーキテクチャの統合のトレンドとコクピットにおける機能範囲の急速な拡大にともなうソフトウェアの複雑化へ対応でき、ドライバーや搭乗者へ最適な手法で幅広い情報を伝える統合コクピットの開発が可能。車両メーカーは、インフォテインメントの幅広いソフトウェアパッケージを活用したコクピットシステムを柔軟に開発できるようになる。

　今後、複数のスペシャリストパートナー間の戦略的な協業の強化が必要となる中、幅広い統合専門知識・ノウハウを持つコンチネンタルと、カーエンタテインメントにおけるインフォテインメントソリューションの知見を有するパイオニアによるこの協業は、コクピットシステムの分野において、柔軟で包括的なコラボレーションモデルとなるとしている。

　パイオニアのモビリティプロダクトカンパニーの責任者である髙島直人氏は、「コンチネンタルは集合計器と車両安全システムに関する優れた知見を持っており、当社は、OEMとアフターマーケットの両方で40年以上にわたるグローバルでのマーケティング経験を通じて得られたカーエンタテインメントの知見を持っています。両社の知見は、ますます高機能化が進む中、安全で直感的な操作が可能な次世代HMI（ヒューマン・マシン・インターフェース）の提供において欠かすことができません。両社は、究極のユーザーエクスペリエンスを提供することを目的として、互いの知見を持ち寄り、コンセプト実証を通じて新しいアイデアを生み出し、具現化する取り組みを始めています」とコメント。

　コンチネンタルのヒューマン・マシン・インターフェースビジネスユニット責任者であるフランク・ラーベ博士（Dr.Frank Rabe）は「ユーザーエクスペリエンスは、車両の知覚領域の開発において、ますます重要な役割を果たしています。特に、操作の安全性、快適なデザイン、高機能性が最も重要です。当社のコクピットHPCは、さまざまなソースからのサブドメイン全体のシームレスな統合などを含む要件を完全に満たしています。パイオニアは、当社の完璧で最適な協業パートナーであると考えています」とコメント。

　また、ラーベ氏は「特にアジア市場は自動車のデジタル化分野に高い関心があり、ダイナミックです。このたびの戦略的協業を通じて、双方にとって強みと知見を理想的に組み合わせることができると信じています。このプラットフォームは、ソフトウェアを柔軟に実装でき、コクピットHPCは協業を促進する技術的基盤となります」とも述べている。