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メルセデス・ベンツ、新型「Cクラス」発表 セダンは654万円から ステーションワゴンは680万円から

2021年6月29日 発表

新型C クラス(セダン)

ISGとプラグインハイブリッド導入で全ラインアップ電動化

 メルセデス・ベンツ日本は6月29日、新型「C クラス(セダン/ステーションワゴン)」を発表した。価格はセダンが654万円~684万円(プラグインハイブリッドモデルのC 350 eアバンギャルドは未定)、ステーションワゴンが680万円~708万円。

 7月下旬から「C 200」と「C 220 d」各モデルの先行予約の受付を開始し、セダンの「C 200」と「C 220 d」の配車は秋頃。「C 200 4MATIC」は2022年第一四半期、「C 350 e」については2022年中頃、ステーションワゴンの「C 200」と「C 220 d」は2022年第一四半期の配車開始を予定している。

セダン価格表
ステーションワゴン価格表

 メルセデス・ベンツのCクラスは、1982年に「190クラス」として登場以来、動力性能や快適性、安全性など定評があり、2014年から販売している先代Cクラスは、セダンとステーションワゴンを合わせて、日本で累計約10万台以上を販売しているモデル。

 新型Cクラスはサポートの精度を高めた安全運転支援システム、直感的な操作設定が可能な縦型の大型センターディスプレイ、直感的な行先案内が可能なARナビゲーション、利便性が高い生体認証によるシートポジションなどの設定、片側130万画素を誇るDIGITALライトによる効果的な夜間の視界確保や、良好な取り回しや優れたハンドリングを実現するリア・アクスルステアリングなど、フラッグシップモデルである新型Sクラス譲りの新技術を多数採用。また、エクステリアとインテリアのデザインにも新型Sクラスの要素を取り入れ、随所にCクラスらしいスポーティさも表現。さらに、ISG(インテグレーテッド スターター ジェネレータ)とプラグインハイブリッドにより、全ラインアップが電動化された。

メルセデス・ベンツ、新型「Cクラス」オンライン発表会開催 6月29日に日本デビュー

https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1333337.html

伸びやかなシルエットのエクステリアデザイン

 短いフロントオーバーハングと長いホイールベース、さらにリアオーバーハングの組み合わせにより、静止していても疾走しているかのように見えるダイナミックなプロポーションを実現。パワードームを備えるスポーティなボンネットは、前へ前へと進もうとする衝動を表現したという。ウインドスクリーンとキャビンを大きく後方に置くことで、Cクラスらしい伝統的でスポーティさを両立。さらに、先代モデルと比較して全幅の拡大は10mmに抑えながら、全長は65mm伸長し、伸びやかなシルエットに仕上げている。

全幅の拡大は10mmと全長の65mm伸長は欧州参考値となっている

 また、「センシュアル ピュリティ(Sensual Purity)=官能的純粋」というデザインの基本思想に基づき、ラインやエッジを大幅に削減し、曲線を描く彫刻的な面により、特殊な陰影が生み出されている。その中で、サイドウインドウ下端に近いショルダー部にフロントからリアまでを貫く、「キャットウォークライン」という愛称を持ったキャラクターラインを一本通すことで、車高を低く、スマートに見せる効果を実現した。

フロントからリアまでを貫くキャットウォークライン

 ヘッドライトは新型Sクラス譲りの、先代より上下方向に薄く、エッジの効いたクールなデザインを採用。緩やかな多角形のラジエーターグリルの中央にスポーティな印象を与えるスリーポインテッドスターを配置する。また、AMGラインを選択すると、よりダイナミックな下部が広がった台形型の「Aシェイプグリル」が装着される。このフロントグリルにはマットクローム仕上げの小さなスリーポインテッドスターが無数に散りばめられ、よりスポーティでダイナミックなフロントバンパーとなっている。

 リアエンドにも新型Sクラス譲りの三角形で横に長い特徴的なデザインの2分割型のリアコンビネーションランプが採用され、よりワイドでシャープに見せるデザインとなっている。省燃費性能もしっかり追求していて、Cd値はセダンが最小で0.24、ステーションワゴンが0.27(Cd値は欧州参考値)と、高水準のエアロダイナミクスを実現している。

無数のスリーポインテッドスターが散りばめられたフロントグリル
エッジの効いた薄いヘッドライト
2分割型のリアコンビネーションランプ

スポーティなインテリアデザイン

 ダッシュボードは上下2つに分かれ、上部は翼のような形状で、航空機エンジンのナセルを想わせる丸みを付けたやや横長の新デザインの角型エアアウトレットを配置することでスポーティさを演出。下部には大きなインテリアトリムをあしらい、センターコンソールからダッシュボードへとシームレスにつないでいる。

 ドライバー重視のスポーツ感を強調するためにダッシュボードと縦型の11.9インチのメディアディスプレイを6度、ドライバー側に傾けた新たなデザインを採用。また、運転席に備わる12.3インチの大型コックピットディスプレイは自立型でダッシュボード上部と大きなインテリアトリムの手前に浮かんで見えるように配置。さらに、コックピットディスプレイとメディアディスプレイは3つのスタイル(ジェントル、スポーティ、クラシック)と3つのモード(ナビゲーション、アシスタンス、サービス)の中から選択でき、カスタマイズが可能となっている。

センターコンソールに配置された11.9インチの縦型メディアディスプレイはドライバー側に6度傾けられている

 ステアリングもメルセデス・ベンツの最新世代モデルを採用。ナビゲーションやインストゥルメントクラスター内の各種設定や、安全運転支援システムの設定を全て手元で完結できる機能性を搭載。さらに、従来はタッチコントロールボタンへの接触やステアリングにかかるトルクで判定していた、ディスタンスアシスト・ディストロニック使用時のハンズオフ検知機能のために、新たにリムに静電容量式センサーを備えたパッドを採用。これにより、ステアリングにかかるトルクがなくても、ドライバーがステアリングを握っていることが認識され、ディスタンスアシスト・ディストロニックの使い勝手が向上したとしている。AMGラインを選択すると、左右と中央のスポークがツインスポークのよりスポーティなステアリングとなる。

ホイールベースが前モデルより25mm、後席レッグルームは21mm伸長され、後席のヘッドルームも13mm拡張されたことで、後席の居住性が向上している(数値は欧州参考値)
奥行のあるトランク

 室内を彩る「アンビエントライト」も改良され、64色から選択可能なほか、単色の発光に加えて色の連続変化も可能となった。シートの調整スイッチやドアハンドルが配置されたフロントドアのブラックパネルは、エッジがクローム仕上げとなり、ドア表面から浮き上がるようなデザインとしたことで、アンビエントライトの照明でより上質感を演出。また、乗車時には、乗員を迎え入れる演出も追加された。

室内を彩るアンビエントライト

最新版インテリジェントドライブを搭載

 新型Cクラスには、新型Sクラスから搭載されるメルセデス・ベンツ最新の安全運転支援システムが採用され、以下のハードウェアが搭載されている。フロント長距離レーダー(長距離 最大検知角度 9度、近距離 最大検知角度 90度)、フロントマルチモードレーダー2個(最大検知角度 130度)、リアコーナーレーダー2個(最大検知角度 130度)、ステレオマルチパーパスカメラ(最大検知角度 70度)、360度カメラ4個(最大検知角度 180度)、超音波センサー12個(最大検知角度 120度 駐車支援に使用)。これらの装備により従来に加えて新しい機能が追加されている。

アクティブステアリングアシスト

 従来のステレオマルチパーパスカメラだけでなく、360度カメラシステムも使用することで、対応が可能なカーブが増え、高速道路上で今まで以上に精密に車線中央を維持することを可能とした。

アクティブエマージェンシーストップアシスト

 ドライバーが周囲の道路状況に反応しなくなってから、かなりの時間が経過したと判断した場合に警告を発したり、徐々に減速して最終的に車両を停止させる機能。アクティブディスタンスアシスト・ディストロニックとアクティブステアリングアシストが使用されていない場合でも作動するようになった。

アクティブブレーキアシスト

 警告や緊急自動ブレーキ機能を含むアクティブブレーキアシストは、交差点や曲がり角での右左折の際に、対向、飛び出し、巻き込みなどにより、クルマ、自転車および歩行者と衝突する危険がある場合、警告や自動ブレーキが作動する。

緊急回避補助システム

 車両前方にいる車道横断中の歩行者などとの衝突の危険を検知すると、システムが正確なステアリングトルクを計算して、ドライバーのステアリング操作をアシストする緊急回避補助システムは、自車と同じ方向や反対方向に進む歩行者や自転車を含む車両も検知できるようになった。

アクティブレーンキーピングアシスト

 走行している車線を意図せず逸脱しそうな場合に警告、および進路を修正するアクティブレーンキーピングアシストは、芝などの路肩に対しても反応するように進化。またメニューで3段階の感度調整を可能とした。

アクティブブラインドスポットアシスト

 車両の斜め後ろのミラーでは見にくい死角エリアに車両や自転車がいることを警告し、30km/h以上で走行中に側面衝突の危険がある時に、危険回避をサポート。また、停車時にドアを開けようとした際、後方から障害物が迫っている場合の警告機能も搭載。

 そのほか、従来と同様の機能も対応速度域が広くなるなどの改良が加えられている。

熟成したMBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)

 新型Cクラスは、12.3インチのワイドディスプレイを採用したインストゥルメントクラスターと、11.9インチの縦型ディスプレイを採用したセンターディスプレイの2画面を標準装備。2018年から順次各モデルに搭載され、熟成が進められてきた対話型インフォテインメントシステム「MBUX」を採用。

 ボイスコントロールは「ハイ、メルセデス」をキーワードとして起動。音声認識機能は多くのインフォテインメント機能(目的地入力、電話通話、音楽選択、メッセージ入力・読み上げ、気象情報)に加え、クライメートコントロール、各種ヒーター、照明など多様な機能にも対応させている。また、音声認識だけではなく、タッチスクリーン、ステアリングにあるタッチコントロールボタンでもさまざまな操作をすることが可能で、ドライバーの好みや運転状況に応じて使い分けられる。

 さらに、日本で販売されるDセグメント乗用車で初のAR(Augmented Reality=拡張現実)ナビゲーションを採用。従来、目的地を設定して行先案内をする場合、地図上に進むべき道路がハイライトされるが、新型Cクラスではそれに加えて車両の前面に広がる現実の景色がナビゲーション画面の一部に映し出され、その進むべき道路に矢印が表示される。これにより、より直感的にどの道路に進むべきかを判断することができるという。

生体認証(指紋、声)によるシートポジションなどの設定が可能

 ドライバーの指紋、声のいずれかの生体認証もしくはPINコードによる認証を可能とし、どちらかの認証により「シート」「ステアリング」「サイドミラーのポジション」「コックピットディスプレイの表示スタイル」「ペアリングした携帯情報端末」「ナビゲーションのお気に入り設定」などをまとめて読み込めるようになっている。

130万個の鏡を使ったDIGITALライト(ウルトラハイビーム付き)を採用

 左右のヘッドライトのDIGITALライトは、それぞれ照明モジュールを完備。このモジュールは130万個の微小な鏡により光を屈折させることで照射方向を定めていて、片側のヘッドライトあたりの解像度は130万画素となるが、鏡が占める面積は親指の爪ほどの大きさという。この革新的なヘッドライトは、凹面レンズ「DIGITAL LIGHT」のレタリング、ブルーのアクセントも装備され、デザイン性も向上。

DIGITALライト(ウルトラハイビーム付き)

 ヘッドライト片側で130万のエリアに分割可能な光を照射するため、きわめて正確な配光を可能とし、ハイビームアシストが対向車や道路標識に光が当たらないように調整する場合の精度が、従来の84画素の光に比べてフォグライトモードやハイウェイライト、シティライトなど照明の精度が大きく高められている。

小回り性能と高速安定性を両立するリア・アクスルステアリング

 従来からCクラスは高い小回り性能が特徴だが、後輪操舵システム「リア・アクスルステアリング」を採用したことでさらに進化。約60km/h以下では、リアホイールをフロントホイールとは逆方向に最大2.5度傾け、日常の走行シーンや駐車する際に回転半径を小さくすることでクルマを扱いやすくした。

 また、約60km/hを超えると、リアホイールをフロントホイールと同じ方向に最大2.5度操舵することで、走行安定性を大きく向上。従来のメルセデスの美徳である小回り性能を犠牲にしないだけではなく、中高速域での安定性や、優れたハンドリングも両立させた。

ステアリングを切るとリアタイヤも合わせて動く「リア・アクスルステアリング」

全モデル電動化されたパワートレーン

 パワートレーンはISGとプラグインハイブリッドにより全ラインアップが電動化。C 200およびC 200 4MATICの各モデルには、エンジン単体で204PS(150kW)、300Nmを発生する、新型の直列4気筒1.5リッターターボエンジンの「M254」を採用。C 220 d各モデルには、エンジン単体で200PS(147kW)、440Nmを発生する直列4気筒2.0リッターディーゼルターボエンジンの「OM654M」を採用した。

 両パワートレーンとも、エンジンとトランスミッションの間に配置されるマイルドハイブリッドシステムのISGによって、短時間、最大で20PS(15kW)、200Nmのブーストが可能となり、従来型のC 200と比較しても、エンジン、モーターの双方がより強力になっている。

 また、C 220 dでは、メルセデス・ベンツ初のクリーンディーゼルエンジンとISGを組み合わせたモデルとなり、高トルク、省燃費が特徴のクリーンディーゼルエンジンに、電気による緻密なサポートを組み合わせたことで、さらにスムーズな加速感と燃費の低減を両立している。

 なお、C 200(ガソリンエンジン)の従来型で採用されていたBSG(ベルトドライブ スターター ジェネレータ)と比較して、Iより強力で効率的でありながら、瞬間的なブーストが可能なだけではなく、回生ブレーキ、コースティングなどで燃費の低減に寄与するのはもちろんのこと、変速ショックやエンジン再始動時の振動の低減なども図られ、強力、かつ洗練された乗り味を実現したという。

 2022年内の日本導入が予定されているC 350 eは、204PS(150kW)、320Nm を発生する新型の直列4気筒2.0リッターターボエンジン(M254)に、最大129PS(95kW)、440Nmを発生する電気モーターを組み合わせた、プラグインハイブリッドモデル。内部に冷却システムを備えた25.4kWhの大容量のリチウムイオンバッテリーを採用し、回生ブレーキによるエネルギー回収能力を高めるなどの結果、電気のみでの走行可能距離100kmを達成。日常生活の近距離では、電気自動車のように電気のみでの走行を主とし、遠距離のドライブでは、エンジンと併用することで、充電状況を気にすることなく使用することができ、利便性の高い電動モデルとなっている。

 なお、新型Cクラスは全モデルで「9G-TRONICオートマチックトランスミッション」を採用。1速~9速までの変速比幅が広いことから、エンジン回転数が大幅に低減され、優れたエネルギー効率と快適性を実現した。

「Mercedes me connect」を標準装備

 自動車が通信することによりユーザーの利便性を向上させるテレマティクスサービス「Mercedes me connect」は、24時間緊急通報サービスなどを最長10年間無償で提供する「安心安全サービス」、Send2Carなどを3年間無償でご提供する「快適サービス」の2つのサービスカテゴリーから構成される。

安心安全サービス

・24時間緊急通報サービス:事故検知時(エアバッグ、シートベルトテンショナー展開時)または車内にあるSOSボタン押下時に、コールセンターが消防に連絡してくれる。
・24時間故障通報サービス:ツーリングサポートが必要な際に、meボタンを押下するとツーリングサポートセンターにつながる。

快適サービス

・リモートウインドウ&サンルーフコントロール:スマートフォンの操作でウインドウやスライディングルーフの開閉が可能。
・リモートドアロック&アンロック:スマートフォンの操作で車両ドアのロック、アンロックができる。
・リモート(車両)ステータス確認:車両の走行距離、燃料計、平均燃費等の状態をアプリ等で確認できる。
・駐車位置検索:駐車した車両の位置をアプリの地図上に表示してくれる。
・Send2Car: スマートフォンから、ナビゲ―ションの目的地を遠隔設定できる。
・ナビゲーションサービス: 天気や駐車場の満空情報を地図上に表示することや、USBオンデマンド地図更新を利用できる。

先行予約者には特典を用意

 オフィシャルウェブサイトで新型C クラス予約特典が利用可能となる先行予約特典のエントリーを実施(先行予約の開始は7月下旬予定)。なお、先行予約特典は2021年9月30日までにエントリーした人が対象となる。

「C-Class セダン先行予約特典エントリーページ」/「C-Class ステーションワゴン先行予約特典エントリーページ」