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メルセデス・ベンツ、ラグジュアリーを極めた「メルセデス・マイバッハ GLS/Sクラス」発表会
2021年7月2日 11:32
- 2021年7月1日 実施
伝統の高級ラグジュアリーブランド「マイバッハ」
メルセデス・ベンツ日本は7月1日、マイバッハブランドのフラグシップセダン新型「メルセデス・マイバッハ Sクラス」と、ブランド初のSUVモデルとなる新型「メルセデス・マイバッハ GLS」の発表会を行なった。価格はSクラスが2648万円~3201万円、GLSが2729万円。Sクラスは先行予約が始まり、納車は11月以降になるという。
発表会は都内のホテルで行なわれ、登壇した上野社長は「久々にオンラインではなく、会場で実車を披露できる発表会を実施できたことを嬉しく思います」とあいさつ。
続けて、1月に「Sクラス」、4月にはメルセデス・ベンツ2番目のEV(電気自動車)となる「EQA」を発表したことに触れ、「ともに販売は好調です」とコロナ禍での業績のよさをアピールした。また、2日前には7年ぶりのフルモデルチェンジとなった新型「Cクラス」を発表したことも改めて紹介。続けてこの後に発表するマイバッハシリーズは「ソフィスティケイテッド ラグジュアリー(Sophisticated Luxury)」、洗練されたラグジュアリーを極めたメルセデス・ベンツのサブブランドであると解説。
またマイバッハの他にも、究極のハイパフォーマンスを体現する「パフォーマンス ラグジュアリー(Performance Luxury)」のAMGシリーズ、EVの「プログレッシブ ラグジュアリー(Progressive Luxury)」EQシリーズと、さまざまなサブブランドをグローバルで展開していると紹介した。
マイバッハの最大のポイントは、最新技術に基づく快適性と安全性を備えたラグジュアリーカーであることだという。
そのメルセデス・マイバッハ GLSについて、上野社長は「マイバッハ初のSUVで、メルセデス・ベンツの最上級SUVである『GLS』をベースに、デザイン、マテリアル、機能性、快適性を徹底的に磨き上げたラグジュアリーSUV。威風堂々としたたたずまいは、ひと目で他のどのラグジュアリーSUVよりも見まごうことのない独特の風格を放つ」と絶賛。インテリアもメルセデス・ベンツの機能、快適性のうえにマイバッハならではのデザインエッセンスやクラフトマンシップによる上質さが表現されていると紹介した。
メルセデス・マイバッハ Sクラスは、今年1月に発表したフラグシップモデルであるSクラスをベースにして、さらにあらゆる性能と品質を徹底的に追求したモデル。Sクラスロングより18cm長いホイールベース。それを後部席の居住性向上だけに使用したことで、広々としたマイバッハならではの上質なインテリア、静粛性のさらなる向上が図られている。
両モデルともに後部席の居住性がとても高く、ショーファードリブン(要人が乗る車両)としての使用だけでなく、オーナー自身がハンドルを握って運転を楽しむこともでき、「仕事ではショーファードリブンとして、週末は家族を乗せてドライブといったさまざまなシーンで活躍してくれるはずだ」と上野社長は語る。
さらに発表会では、マイバッハの洗練されたラグジュアリーの世界観をより多くの人に体験してもらうために「Sophisticated Expertence」と題し、価値観を同じくするさまざまなラグジュアリーブランドとタッグを組み、特別な体験を提供する企画を展開するといい、第1弾はラグジュアリーリゾートと提携して、メルセデス・マイバッハの世界観を凝縮したスペシャルな滞在プランを予定している。今後第2弾以降も継続して実施していくという。
また、もっと気軽に体験できるように、メルセデスミー東京とメルセデスミー大阪に展示車両と試乗車を用意するという。なお、試乗車はスタッフが運転し、後席の快適性や機能性を体感する内容となる。
上野社長のマイバッハイチ押しのポイントは?
発表会ではメルセデス・ベンツ日本 上野社長への質疑応答も行なわれた。
──将来的にはマイバッハにもEVモデルも登場するのでしょうか?
上野氏:公式には回答できないが、EQSが発売された後、可能性は充分あると私は信じています。世の中やEVの動向もありますが、きっとそういうような動きになると思う。単純に航続距離だけでなく、パワーや運動性能を高める考え方もあるので、そこにラグジュアリー感も追加されていくと思うので、可能性はあると思う。
──半導体不足が騒がれているがマイバッハにも影響はあるのか? メルセデス・ベンツ全体でも影響は出ているのか?
上野氏:マイバッハに関しては特に半導体の問題で生産が遅れている話は出ていない。しかし、メルセデス・ベンツ全体で見たら出ている。本国に限らず日本にも影響は出ていて、実際に生産の遅れによる納車の遅延も出てお客さまにご迷惑をおかけしてしまっている。ただ、日本の場合は在庫をメインに回しているので、影響を見越して生産できるモデルを生産してもらうようにシフトしている。時短操業している工場も一部あるので影響は少なからずあります。
──超高級クラスのSUVの中でマイバッハだけが持つ魅力は何か?
上野氏:SUVの人気が高まる中、多くのお客さまにベースであるGLSに興味を持っていただいているが、高級感のある同様の他社モデルもあり、「GLSでもっと高級感やラグジュアリー感がありつつ、走行性能を犠牲にすることのないモデルを作って欲しい」という、これは全世界のセールスマンの声をいち早くフィードバックしたモデル。現在GLSからマイバッハへとさらにグレードアップしたいユーザーも多く、とても期待の持てる1台です。
──回復基調が見えるとはいえ、コロナの影響がまだ残る中、ラグジュアリー市場の業績にどのくらい影響がありそうか?
上野氏:2019年度に比べるとまだ10%ほど追い付いていないが、輸入車は比較的順調だと思っている。半導体不足の問題で生産ができていないこともあるが、日本は在庫販売がメインで推移しているのと、受注残を抱えながら回しているので、これがすべて解消すれば2019年度並みの水準には戻るのではないかと考えている。もちろん、まだコロナと半導体不足が続いているため過渡期ではあると感じている。それでもそう遠くないうちに2019年レベルに戻ると思っています。
こういった高級ラグジュアリーカーの販売は、比較的安定しているが継続期間が短めなのが特徴で、発売したときに限りなく受注を取っていくスタイルなので、今のところは正式発表前から問い合わせや受注に近い商談もあるので期待できると思っています。
──どちらも魅力的なクルマだが、社長の中でのイチ押しのポイントを教えて欲しい。
上野氏:普段はマイバッハ Sクラスの前モデルに乗っていて、仕事では主に後部席に座っているのですが、地方に行った際に自分で運転する機会があり、通常のSクラスよりちょっと大きいけれども、運転していてもまったくそれを感じさせない、すごい乗りやすい。もちろん後席の場合は移動のときにちょっと昼寝するのには最適なクルマです。GLSのほうは自分の身長が184cmあるので、ヘッドクリアランスを含めてすごく楽しみな1台。実は今のクルマからこのマイバッハ GLSに乗り替えるつもりでして、週末家族と乗るのを楽しみにしている。メルセデスミーでも試乗できるので、ぜひ試していただきたい。
──マイバッハは現状日本でどのくらいのシェアがあるのか? SUVが追加されることでそれが広がる加速につながるのか?
上野氏:マイバッハ自体はSクラスの中では数%。これは歴史的な背景も含まれてしまいますが、マイバッハを単独ブランドで扱ってきたのを「Sクラス マイバッハ」としたところ、どちらかというとSクラスの名前が先行して、マイバッハの名前をうまく訴求できなかった。今はしっかり特徴をつけて「マイバッハ」というブランドを押し出しているので期待しているが、価格帯もそうですが需要は限られています。もちろん、それでも積極的にセールスしていく1台ではあります。
GLSに関しては、予約状況からして今年分は足りないくらいに迫っていて、かなり加速がついていると感じている。2トーンカラーなどオーナーの「自分のための1台」という気持ちをそそるモデルで売れる予感がしています。