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ホンダF1、セナ・プロ時代以来の5連勝達成 F1第9戦オーストリアGPでフェルスタッペンが独走の3連勝

ポール・トゥ・ウインで3連勝を飾ったマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ) レッドブル・ホンダとしては5連勝になる (C)Getty Images / Red Bull Content Pool

 F1第9戦オーストリアGPが7月2日~4日の3日間にわたって開催された。前週のシュタイアーマルクGPに次いで同じレッドブル・リンクで行なわれる今回のGPでは、先週に比べてタイヤが1つずつ柔らかい設定に変更され、同じサーキットながら若干の戦力構図の変更があった。

 7月3日に行なわれた予選では、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)が3戦連続ポールポジションを獲得し、2位となったマクラーレンのランド・ノリス選手(4号車 マクラーレン・メルセデス)を挟んでチームメイトのセルジオ・ペレス選手(11号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)が3位となった。メルセデス勢はルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)、バルテリ・ボッタス選手(77号車 メルセデス)が4位、5位となり、レッドブル・ホンダが優位という結果となった。ホンダPU勢はピエール・ガスリー選手(10号車 アルファタウリ・ホンダ)、角田裕毅選手(22号車 アルファタウリ・ホンダ)が6位、7位となり、こちらも決勝レースに期待できる順位だ。

ホンダF1は5連勝へ向け好発進 F1第9戦オーストリアGP予選はレッドブル・ホンダがポールポジション

https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1335842.html

Race Highlights | 2021 Austrian Grand Prix
F1第9戦オーストリアGPのスタートシーン (C)Getty Images / Red Bull Content Pool

 決勝レースはフェルスタッペン選手がホールショットを決めてトップを維持。上位はほぼ予選順位のままで1コーナーに入っていった。しかし1周目の終わりにセーフティカーが導入される。それが3周目に解除されると、3位だったペレス選手がノリス選手に襲いかかるものの、ペレス選手はコース外に押し出されて10位に順位を下げることになった(後にノリス選手にはペレス選手を押し出したとして5秒のタイムペナルティが出される)。その間にフェルスタッペン選手は2位のノリス選手以下に差をつけていった。ハミルトン選手がノリス選手を抜いて2位に上がったのは21周目、そこまでにトップのフェルスタッペン選手との差は約10秒に広がっていた。

 31周目に3位のノリス選手と4位のボッタス選手(ノリス選手はこのピットストップで5秒のペナルティを紹介したため、ボッタス選手が3位にあがる)、翌周に2位のハミルトン選手、その翌周にトップのフェルスタッペン選手がタイヤ交換。全員がミディアムタイヤからハードタイヤに交換して、このままゴールを目指すことになる。既にこの段階でトップのフェルスタッペン選手と2位のハミルトン選手の差は約15秒と、フェルスタッペン選手は完全に独走状態に。

 レース終盤にハミルトン選手は車にトラブルを抱え、チームメイトのボッタス選手を前に出す。その数周後には4位だったノリス選手にも抜かれ、4位に落ちる。その後、ハミルトン選手はピットに入りタイヤ交換を行なった。

 残り11周となった段階でフェルスタッペン選手はピットに入り、タイヤ交換。その後の周回で1分6秒200というレースラップとしては「驚速」と言ってよいタイムをマークしてファステストラップポイントをマークして、そのままチェッカーを迎えた。これで、フェルスタッペン選手は3連勝となり、ホンダパワーユニットとしてはモナコGPのフェルスタッペン選手の優勝以降、ペレス選手のアゼルバイジャンGPでの優勝を挟んでの5連勝。ホンダパワーユニットの5連勝は、1988年のセナ・プロ時代以来の5連勝になる。

 2位はメルセデスのボッタス選手、3位は今季2度目の表彰台となるマクラーレンのノリス選手。ポイントランキングでフェルスタッペン選手のライバルとなるメルセデスのハミルトン選手は4位で、これでフェルスタッペン選手は182点、ハミルトン選手は150点となり、その差は32点と、1レース優勝分(25点)以上の差をつけることになった。

ペレス選手は10秒のペナルティで6位、アルファタウリ勢は2ストップ作戦が実らず9位と12位

 ペレス選手のレースは全体的にちぐはぐなレースになってしまった。ノリス選手との戦いで10位に順位を下げた後、前のクルマに詰まってしまい、順位を上げられない。しかもレース中盤のシャルル・ルクレール選手(16号車 フェラーリ)とのバトルで2度も5秒ペナルティを受けてしまうという不用意なミスも。ただ、その後前を行くマクラーレンをコース上でオーバーテイクし、前を行くハミルトン選手に追いつくが、5位でゴールするが、10秒のタイムペナルティが科せられて、カルロス・サインツ選手(55号車 フェラーリ)が5位に繰り上がり、ペレス選手は最終的には6位になった。

 アルファタウリ・ホンダのガスリー選手はソフトタイヤでスタートすることになり、2度のストップしか選択肢がなく、1ストップのフェラーリ、マクラーレンなどに前に行かれてしまったが、終盤追い上げて9位に入り確実にポイントをゲットした。

 角田選手もガスリー選手同様にソフトタイヤでのスタートになったため、2ストップ作戦しか選択肢がなく、ピットストップの度に順位を下げることになった。ただ、2度のピットストップのどちらでも、ピットエントリーでの白線をはみ出してしまうというミスを犯して、2度とも5秒のタイムペナルティを科されてしまう。それにより順位を下げてポイント圏外になってしまった。最終ラップで前を行く2台がクラッシュして順位が繰り上がって12位に。レース中のペースはわるくなかったが、2度も同じミスを繰り返したことは次戦以降に改善すべき課題として残ったレースとなってしまった。

F1第9戦オーストリアGP 決勝結果

順位号車ドライバー車両周回数タイムポイント
133マックス・フェルスタッペンレッドブル・レーシング・ホンダ711時間23分54秒54326
277バルテリ・ボッタスメルセデス71+17.973秒18
34ランド・ノリスマクラーレン・メルセデス71+20.019秒15
444ルイス・ハミルトンメルセデス71+46.452秒12
555カルロス・サインツフェラーリ71+57.144秒10
611セルジオ・ペレスレッドブル・レーシング・ホンダ71+57.915秒8
73ダニエル・リカルドマクラーレン・メルセデス71+60.395秒6
816シャルル・ルクレールフェラーリ71+61.195秒4
910ピエール・ガスリーアルファタウリ・ホンダ71+61.844秒2
1014フェルナンド・アロンソアルピーヌ・ルノー70+1周1
1163ジョージ・ラッセルウイリアムズ・メルセデス70+1周0
1222角田裕毅アルファタウリ・ホンダ70+1周0
1318ランス・ストロールアストンマーティン・メルセデス70+1周0
1499アントニオ・ジョビナッツィアルファロメオ・レーシング・フェラーリ70+1周0
157キミ・ライコネンアルファロメオ・レーシング・フェラーリ70+1周0
166ニコラス・ラティフィウイリアムズ・メルセデス70+1周0
175セバスチャン・ベッテルアストンマーティン・メルセデス69DNF0
1847ミック・シューマッハハース・フェラーリ69+2周0
199ニキータ・マゼピンハース・フェラーリ69+2周0
NC31エステバン・オコンアルピーヌ・ルノー0DNF0

※マックス・フェルスタッペン選手に最速ラップポイントとして1ポイント追加

ドライバーランキング(F1第9戦オーストリアGP終了後)

順位ドライバー車両ポイント
1マックス・フェルスタッペンNEDレッドブル・レーシング・ホンダ182
2ルイス・ハミルトンGBRメルセデス150
3セルジオ・ペレスMEXレッドブル・レーシング・ホンダ104
4ランド・ノリスGBRマクラーレン・メルセデス101
5バルテリ・ボッタスFINメルセデス92
6シャルル・ルクレールMONフェラーリ62
7カルロス・サインツESPフェラーリ60
8ダニエル・リカルドAUSマクラーレン・メルセデス40
9ピエール・ガスリーFRAアルファタウリ・ホンダ39
10セバスチャン・ベッテルGERアストンマーティン・メルセデス30
11フェルナンド・アロンソESPアルピーヌ・ルノー20
12ランス・ストロールCANアストンマーティン・メルセデス14
13エステバン・オコンFRAアルピーヌ・ルノー12
14角田裕毅JPNアルファタウリ・ホンダ9
15キミ・ライコネンFINアルファロメオ・レーシング・フェラーリ1
16アントニオ・ジョビナッツィITAアルファロメオ・レーシング・フェラーリ1
17ジョージ・ラッセルGBRウイリアムズ・メルセデス0
18ミック・シューマッハGERハース・フェラーリ0
19ニキータ・マゼピンRAFハース・フェラーリ0
20ニコラス・ラティフィCANウイリアムズ・メルセデス0

コンストラクターランキング(F1第9戦オーストリアGP終了後)

順位チームポイント
1レッドブル・レーシング・ホンダ286
2メルセデス242
3マクラーレン・メルセデス141
4フェラーリ122
5アルファタウリ・ホンダ48
6アストンマーティン・メルセデス44
7アルピーヌ・ルノー32
8アルファロメオ・レーシング・フェラーリ2
9ウイリアムズ・メルセデス0
10ハース・フェラーリ0