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ホンダF1、セナ・プロ時代以来の5連勝達成 F1第9戦オーストリアGPでフェルスタッペンが独走の3連勝
2021年7月4日 23:47
F1第9戦オーストリアGPが7月2日~4日の3日間にわたって開催された。前週のシュタイアーマルクGPに次いで同じレッドブル・リンクで行なわれる今回のGPでは、先週に比べてタイヤが1つずつ柔らかい設定に変更され、同じサーキットながら若干の戦力構図の変更があった。
7月3日に行なわれた予選では、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)が3戦連続ポールポジションを獲得し、2位となったマクラーレンのランド・ノリス選手(4号車 マクラーレン・メルセデス)を挟んでチームメイトのセルジオ・ペレス選手(11号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)が3位となった。メルセデス勢はルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)、バルテリ・ボッタス選手(77号車 メルセデス)が4位、5位となり、レッドブル・ホンダが優位という結果となった。ホンダPU勢はピエール・ガスリー選手(10号車 アルファタウリ・ホンダ)、角田裕毅選手(22号車 アルファタウリ・ホンダ)が6位、7位となり、こちらも決勝レースに期待できる順位だ。
ホンダF1は5連勝へ向け好発進 F1第9戦オーストリアGP予選はレッドブル・ホンダがポールポジション
https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1335842.html
決勝レースはフェルスタッペン選手がホールショットを決めてトップを維持。上位はほぼ予選順位のままで1コーナーに入っていった。しかし1周目の終わりにセーフティカーが導入される。それが3周目に解除されると、3位だったペレス選手がノリス選手に襲いかかるものの、ペレス選手はコース外に押し出されて10位に順位を下げることになった(後にノリス選手にはペレス選手を押し出したとして5秒のタイムペナルティが出される)。その間にフェルスタッペン選手は2位のノリス選手以下に差をつけていった。ハミルトン選手がノリス選手を抜いて2位に上がったのは21周目、そこまでにトップのフェルスタッペン選手との差は約10秒に広がっていた。
31周目に3位のノリス選手と4位のボッタス選手(ノリス選手はこのピットストップで5秒のペナルティを紹介したため、ボッタス選手が3位にあがる)、翌周に2位のハミルトン選手、その翌周にトップのフェルスタッペン選手がタイヤ交換。全員がミディアムタイヤからハードタイヤに交換して、このままゴールを目指すことになる。既にこの段階でトップのフェルスタッペン選手と2位のハミルトン選手の差は約15秒と、フェルスタッペン選手は完全に独走状態に。
レース終盤にハミルトン選手は車にトラブルを抱え、チームメイトのボッタス選手を前に出す。その数周後には4位だったノリス選手にも抜かれ、4位に落ちる。その後、ハミルトン選手はピットに入りタイヤ交換を行なった。
残り11周となった段階でフェルスタッペン選手はピットに入り、タイヤ交換。その後の周回で1分6秒200というレースラップとしては「驚速」と言ってよいタイムをマークしてファステストラップポイントをマークして、そのままチェッカーを迎えた。これで、フェルスタッペン選手は3連勝となり、ホンダパワーユニットとしてはモナコGPのフェルスタッペン選手の優勝以降、ペレス選手のアゼルバイジャンGPでの優勝を挟んでの5連勝。ホンダパワーユニットの5連勝は、1988年のセナ・プロ時代以来の5連勝になる。
2位はメルセデスのボッタス選手、3位は今季2度目の表彰台となるマクラーレンのノリス選手。ポイントランキングでフェルスタッペン選手のライバルとなるメルセデスのハミルトン選手は4位で、これでフェルスタッペン選手は182点、ハミルトン選手は150点となり、その差は32点と、1レース優勝分(25点)以上の差をつけることになった。
ペレス選手は10秒のペナルティで6位、アルファタウリ勢は2ストップ作戦が実らず9位と12位
ペレス選手のレースは全体的にちぐはぐなレースになってしまった。ノリス選手との戦いで10位に順位を下げた後、前のクルマに詰まってしまい、順位を上げられない。しかもレース中盤のシャルル・ルクレール選手(16号車 フェラーリ)とのバトルで2度も5秒ペナルティを受けてしまうという不用意なミスも。ただ、その後前を行くマクラーレンをコース上でオーバーテイクし、前を行くハミルトン選手に追いつくが、5位でゴールするが、10秒のタイムペナルティが科せられて、カルロス・サインツ選手(55号車 フェラーリ)が5位に繰り上がり、ペレス選手は最終的には6位になった。
アルファタウリ・ホンダのガスリー選手はソフトタイヤでスタートすることになり、2度のストップしか選択肢がなく、1ストップのフェラーリ、マクラーレンなどに前に行かれてしまったが、終盤追い上げて9位に入り確実にポイントをゲットした。
角田選手もガスリー選手同様にソフトタイヤでのスタートになったため、2ストップ作戦しか選択肢がなく、ピットストップの度に順位を下げることになった。ただ、2度のピットストップのどちらでも、ピットエントリーでの白線をはみ出してしまうというミスを犯して、2度とも5秒のタイムペナルティを科されてしまう。それにより順位を下げてポイント圏外になってしまった。最終ラップで前を行く2台がクラッシュして順位が繰り上がって12位に。レース中のペースはわるくなかったが、2度も同じミスを繰り返したことは次戦以降に改善すべき課題として残ったレースとなってしまった。
All 27 pits.#AustrianGP🇦🇹#Fit4F1pic.twitter.com/zEtjbhVYFT
— Pirelli Motorsport (@pirellisport)July 4, 2021
#F1jpフェルスタッペン選手🎤「正直、今日はとんでもない一日ですね、マシンはレールに乗っているような(操作感)でした。一番人気でレースウイークに入って、そこで好結果を出すのは簡単ではありません。
— HondaモータースポーツLive (@HondaJP_Live)July 4, 2021
こんなにたくさんのオレンジのファンで埋め尽くされる光景は強烈ですね!」#PoweredByHondahttps://t.co/iQ1oD2ILAd
#F1jp本日の実況はこれで終了します🎙
— HondaモータースポーツLive (@HondaJP_Live)July 4, 2021
16戦15勝の88年以来の5連勝、また一つ過去の記録をご紹介できました😆
次戦はイギリス・シルバーストーン🇬🇧鈴鹿にも通じる総合力が問われるコースです。再び皆さまと喜びを分かち合えるよう、全力を尽くします!
本日も遅くまでありがとうございました🙏pic.twitter.com/qgrXAC2drd
F1第9戦オーストリアGP 決勝結果
順位 | 号車 | ドライバー | 車両 | 周回数 | タイム | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 33 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル・レーシング・ホンダ | 71 | 1時間23分54秒543 | 26 |
2 | 77 | バルテリ・ボッタス | メルセデス | 71 | +17.973秒 | 18 |
3 | 4 | ランド・ノリス | マクラーレン・メルセデス | 71 | +20.019秒 | 15 |
4 | 44 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 71 | +46.452秒 | 12 |
5 | 55 | カルロス・サインツ | フェラーリ | 71 | +57.144秒 | 10 |
6 | 11 | セルジオ・ペレス | レッドブル・レーシング・ホンダ | 71 | +57.915秒 | 8 |
7 | 3 | ダニエル・リカルド | マクラーレン・メルセデス | 71 | +60.395秒 | 6 |
8 | 16 | シャルル・ルクレール | フェラーリ | 71 | +61.195秒 | 4 |
9 | 10 | ピエール・ガスリー | アルファタウリ・ホンダ | 71 | +61.844秒 | 2 |
10 | 14 | フェルナンド・アロンソ | アルピーヌ・ルノー | 70 | +1周 | 1 |
11 | 63 | ジョージ・ラッセル | ウイリアムズ・メルセデス | 70 | +1周 | 0 |
12 | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ・ホンダ | 70 | +1周 | 0 |
13 | 18 | ランス・ストロール | アストンマーティン・メルセデス | 70 | +1周 | 0 |
14 | 99 | アントニオ・ジョビナッツィ | アルファロメオ・レーシング・フェラーリ | 70 | +1周 | 0 |
15 | 7 | キミ・ライコネン | アルファロメオ・レーシング・フェラーリ | 70 | +1周 | 0 |
16 | 6 | ニコラス・ラティフィ | ウイリアムズ・メルセデス | 70 | +1周 | 0 |
17 | 5 | セバスチャン・ベッテル | アストンマーティン・メルセデス | 69 | DNF | 0 |
18 | 47 | ミック・シューマッハ | ハース・フェラーリ | 69 | +2周 | 0 |
19 | 9 | ニキータ・マゼピン | ハース・フェラーリ | 69 | +2周 | 0 |
NC | 31 | エステバン・オコン | アルピーヌ・ルノー | 0 | DNF | 0 |
※マックス・フェルスタッペン選手に最速ラップポイントとして1ポイント追加
ドライバーランキング(F1第9戦オーストリアGP終了後)
順位 | ドライバー | 国 | 車両 | ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | マックス・フェルスタッペン | NED | レッドブル・レーシング・ホンダ | 182 |
2 | ルイス・ハミルトン | GBR | メルセデス | 150 |
3 | セルジオ・ペレス | MEX | レッドブル・レーシング・ホンダ | 104 |
4 | ランド・ノリス | GBR | マクラーレン・メルセデス | 101 |
5 | バルテリ・ボッタス | FIN | メルセデス | 92 |
6 | シャルル・ルクレール | MON | フェラーリ | 62 |
7 | カルロス・サインツ | ESP | フェラーリ | 60 |
8 | ダニエル・リカルド | AUS | マクラーレン・メルセデス | 40 |
9 | ピエール・ガスリー | FRA | アルファタウリ・ホンダ | 39 |
10 | セバスチャン・ベッテル | GER | アストンマーティン・メルセデス | 30 |
11 | フェルナンド・アロンソ | ESP | アルピーヌ・ルノー | 20 |
12 | ランス・ストロール | CAN | アストンマーティン・メルセデス | 14 |
13 | エステバン・オコン | FRA | アルピーヌ・ルノー | 12 |
14 | 角田裕毅 | JPN | アルファタウリ・ホンダ | 9 |
15 | キミ・ライコネン | FIN | アルファロメオ・レーシング・フェラーリ | 1 |
16 | アントニオ・ジョビナッツィ | ITA | アルファロメオ・レーシング・フェラーリ | 1 |
17 | ジョージ・ラッセル | GBR | ウイリアムズ・メルセデス | 0 |
18 | ミック・シューマッハ | GER | ハース・フェラーリ | 0 |
19 | ニキータ・マゼピン | RAF | ハース・フェラーリ | 0 |
20 | ニコラス・ラティフィ | CAN | ウイリアムズ・メルセデス | 0 |
コンストラクターランキング(F1第9戦オーストリアGP終了後)
順位 | チーム | ポイント |
---|---|---|
1 | レッドブル・レーシング・ホンダ | 286 |
2 | メルセデス | 242 |
3 | マクラーレン・メルセデス | 141 |
4 | フェラーリ | 122 |
5 | アルファタウリ・ホンダ | 48 |
6 | アストンマーティン・メルセデス | 44 |
7 | アルピーヌ・ルノー | 32 |
8 | アルファロメオ・レーシング・フェラーリ | 2 |
9 | ウイリアムズ・メルセデス | 0 |
10 | ハース・フェラーリ | 0 |