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F1第10戦イギリスGP、メルセデスのハミルトンが母国GPで優勝 ホンダF1は6連勝ならず

母国のイギリスGPで優勝したルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)

 F1第10戦イギリスGPが、イギリスのシルバーストーン・サーキットで7月16日~18日の3日間にわたって開催された。今回のイギリスGPでは、F1史上初の試みとして、スプリント予選と呼ばれるレース形式(17周)の予選が土曜日に行なわれ、決勝レースのグリッドを決定した。

 スプリント予選では、予選でトップタイムをマークしたルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)、2位のタイムをマークしたマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)のマッチレースとなり、スタートでフェルスタッペン選手がホールショットを奪い、そのままトップを維持して17周を走り抜けて決勝レースのポールポジションをゲットした。

決勝前日に行なわれたスプリント予選のトップはマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ) (C)Getty Images / Red Bull Content Pool

 通常のF1では予選2回目(Q2)で使用したタイヤをQ2のトップ10が決勝のスタートで装着する義務があるが、今回の決勝レースではタイヤ選択の制約がなく、各車自由にタイヤを選べることになった。スプリントレースでリタイアに終わり、一部のパーツを交換したためピットレーンスタートになったセルジオ・ペレス選手(11号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)がハードタイヤを選んだのを除き、全員がミディアムタイヤを選択してスタートを迎えることになった。

 スタートではフェルスタッペン選手がトップを維持したまま1コーナーに入ったが、ハミルトン選手もかなり激しいチャージを行なっており、旧メインストレート先のコーナー(コプス、9コーナー)で両車は接触。フェルスタッペン選手の右リアタイヤとハミルトン選手の左フロントが接触し、フェルスタッペン選手の右リアが完全に壊れてタイヤバリアーにクラッシュし、セーフティカーが導入され、その後赤旗となりレースは2周で中断となった。

 もっと大きなアクシデントになってもおかしくない状況で、このインシデントには審議が行なわれることになり、レース再開後に10秒のタイムペナルティがハミルトン選手には課されることになった。

 30分近い中断の後、15時42分(現地時間、日本時間23時42分)に3周目からリスタート、グリッドに各車がついてのスタンディングスタートで決勝レースは再開した。

 リスタート後、レースを支配したのはフェラーリのシャルル・ルクレール選手(16号車 フェラーリ)。ハミルトン選手は2位でルクレール選手についていくレースに。3位は地元イギリスのランド・ノリス選手(4号車 マクラーレン・メルセデス)、4位はバルテリ・ボッタス選手(77号車 メルセデス)の順でレースが進んでいった。

トップを独走していたルクレール選手をハミルトン選手がオーバーテイクし優勝

 20周前後からタイヤ交換が始まったが、トップの2台(ルクレール選手とハミルトン選手)は入らず引っ張る作戦に。ハミルトン選手は28周目にタイヤ交換でピットに入り、10秒ペナルティを消化して3位ノリス選手の後方4位でコースに戻る。トップのルクレール選手がピットに入ったのは52周レースの半分以上を過ぎた30周目。トップのままコースに戻り、引き続きレースを支配した。

 残り十数周でメルセデスはハミルトン選手とボッタス選手の順位を入れ替えて、ハミルトン選手は2位に上がる。トップを走るルクレール選手を追いかけるチームプレイに出る。

 ルクレース選手と10秒近くあった差は、ハミルトン選手がファステストラップをマークしながら差を詰めていったことでみるみる縮まっていった。

 残り3周の段階でハミルトン選手は完全にルクレール選手に追いつきDRSが使える1秒以内の差になる。そしてフェルスタッペン選手と接触した同じ9コーナーでルクレール選手をオーバーテイク。これによりハミルトン選手が優勝し、ランキングトップのフェルスタッペン選手がリタイアしたことで、ポイント差が大きく縮まることになった。2位はフェラーリのルクレール選手、3位はメルセデスのボッタス選手、4位はマクラーレンのノリス選手、5位はマクラーレンのリカルド選手、6位はフェラーリのカルロス・サインツ選手となった。

 アルファタウリ・ホンダ勢はスタートからミディアムタイヤで走り続け、他チームに比べて10周程度ハードタイヤへの交換を遅らせることに成功した。ピエール・ガスリー選手(10号車 アルファタウリ・ホンダ)は10位に、角田裕毅選手(22号車 アルファタウリ・ホンダ)は13位に戻り、前を追いかける展開になった。

 その後、レッドブル・ホンダのペレス選手が2回目のピットストップを行なったことで、それぞれ1つずつ順位を上げ、ガスリー選手が9位に、角田選手が12位に上がった。

 角田選手は前を走るライコネン選手を1秒以内で追いかけるレースになったが、抜くことはかなわず、最終的にタイヤ交換したペレス選手に再びオーバーテイクされ13位になった。

 ところがレース終盤に、ライコネン選手がスピン、ガスリー選手がタイヤ交換で順位を下げたことで角田選手は11位に上がり、ポイント獲得の一歩手前になった。さらに前を走っていたペレス選手がファステストラップを出しに行き、メルセデスにファステストラップポイントを取られることを阻止にいったことで10位に上がり貴重な1ポイントを獲得した。ガスリー選手は11位となった。

F1第10戦イギリスGP 決勝結果(暫定)

順位号車ドライバー車両周回数タイムポイント
144ルイス・ハミルトンメルセデス521時間58分23秒28425
216シャルル・ルクレールフェラーリ52+3.871秒18
377バルテリ・ボッタスメルセデス52+11.125秒15
44ランド・ノリスマクラーレン・メルセデス52+28.573秒12
53ダニエル・リカルドマクラーレン・メルセデス52+42.624秒10
655カルロス・サインツフェラーリ52+43.454秒8
714フェルナンド・アロンソアルピーヌ・ルノー52+72.093秒6
818ランス・ストロールアストンマーティン・メルセデス52+74.289秒4
931エステバン・オコンアルピーヌ・ルノー52+76.162秒2
1022角田裕毅アルファタウリ・ホンダ52+82.065秒1
1110ピエール・ガスリーアルファタウリ・ホンダ52+85.327秒0
1263ジョージ・ラッセルウイリアムズ・メルセデス51+1周0
1399アントニオ・ジョビナッツィアルファロメオ・レーシング・フェラーリ51+1周0
146ニコラス・ラティフィウイリアムズ・メルセデス51+1周0
157キミ・ライコネンアルファロメオ・レーシング・フェラーリ51+1周0
1611セルジオ・ペレスレッドブル・レーシング・ホンダ51+1周0
179ニキータ・マゼピンハース・フェラーリ51+1周0
1847ミック・シューマッハハース・フェラーリ51+1周0
NC5セバスチャン・ベッテルアストンマーティン・メルセデス40DNF0
NC33マックス・フェルスタッペンレッドブル・レーシング・ホンダ0DNF0

ドライバーランキング(F1第10戦イギリスGP終了後)

順位ドライバー車両ポイント
1マックス・フェルスタッペンNEDレッドブル・レーシング・ホンダ185
2ルイス・ハミルトンGBRメルセデス177
3ランド・ノリスGBRマクラーレン・メルセデス113
4バルテリ・ボッタスFINメルセデス108
5セルジオ・ペレスMEXレッドブル・レーシング・ホンダ104
6シャルル・ルクレールMONフェラーリ80
7カルロス・サインツESPフェラーリ68
8ダニエル・リカルドAUSマクラーレン・メルセデス50
9ピエール・ガスリーFRAアルファタウリ・ホンダ39
10セバスチャン・ベッテルGERアストンマーティン・メルセデス30
11フェルナンド・アロンソESPアルピーヌ・ルノー26
12ランス・ストロールCANアストンマーティン・メルセデス18
13エステバン・オコンFRAアルピーヌ・ルノー14
14角田裕毅JPNアルファタウリ・ホンダ10
15キミ・ライコネンFINアルファロメオ・レーシング・フェラーリ1
16アントニオ・ジョビナッツィITAアルファロメオ・レーシング・フェラーリ1
17ジョージ・ラッセルGBRウイリアムズ・メルセデス0
18ミック・シューマッハGERハース・フェラーリ0
19ニコラス・ラティフィCANウイリアムズ・メルセデス0
20ニキータ・マゼピンRAFハース・フェラーリ0

コンストラクターランキング(F1第10戦イギリスGP終了後)

順位チームポイント
1レッドブル・レーシング・ホンダ289
2メルセデス285
3マクラーレン・メルセデス163
4フェラーリ148
5アルファタウリ・ホンダ49
6アストンマーティン・メルセデス48
7アルピーヌ・ルノー40
8アルファロメオ・レーシング・フェラーリ2
9ウイリアムズ・メルセデス0
10ハース・フェラーリ0