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ボッシュ、EV用新型「充電ケーブル」初公開 急速充電と普通充電を1本で可能に

2021年6月9日(現地時間) 発表

EV(電気自動車)の充電をより簡潔にする

 ボッシュは9月6日(現地時間)、制御・安全技術を統合したフレキシブルでスマートなEV(電気自動車)向け新型「充電ケーブル」を、ミュンヘンモーターショー(IAA MOBILITY 2021)にて初公開した。

 通常230Vの電源ソケットで急速充電する場合、ケーブルにはブロック状のコントロールボックスが組み込まれているが、ボッシュが公開した新型充電ケーブルはコントロールボックスがなく、従来品と比べて約40%軽量で、重さも3kgを下まわるという。また、新型充電ケーブルは重量だけではなく、タイプ2および家庭用コンセントに対応するアダプターを備えているため、2本目のケーブルが不要となり、トランク内の省スペース化にも貢献するとしている。

 ボッシュのパワートレイン ソリューション事業部長であるUwe Gackstatter氏は「ボッシュはこの汎用充電ケーブルにより、eモビリティをお客さまにとっていっそう使いやすいものにします。この新しいケーブルをEV向けの標準装備にしたいと考えています」と述べている。ボッシュは2022年の中頃に新型ケーブルの販売を開始する予定だという。

 新開発のケーブルは、いわゆるモード2およびモード3での最大22kWの交流充電を可能とし、自宅での充電時にウォールボックスが不要という。ケーブルの車両側のタイプ2コネクターには、充電電力を制御して監視するためのコンポーネントを搭載。反対側の家庭用コンセントに対応するアダプター付きプラグには、温度制御機能と漏電遮断器を内蔵していて、家庭用コンセントで最大2.3kWの充電電力で定期的に充電しても、過負荷や過熱が生じることはないという。また、必要に応じて危険な状況になる前にケーブルを停止させる安全機能も搭載している。

小型化ノウハウで3分の1に縮小

 制御・安全技術をコンパクトなケーブルコネクターに統合させるため、ボッシュの開発チームは社内で絶えず開発している小型化の専門知識が活用し、電子コンポーネントのサイズを以前のコントロールボックスに使われていたものから大幅な縮小に成功。また、開発チームはこの新しい充電ケーブルをわずか18カ月で市場投入に成功したという。

 前出のGackstatter氏は「フレキシブルでスマートな充電ケーブルは、ボッシュがeモビリティのさらなる普及に貢献しながら、日常生活をより快適にするために革新的な先進技術をどのように活用しているのかを示す好例です」とコメントしている。

 ボッシュはeモビリティの製品分野で統合的アプローチを採用し、バッテリ電動パワートレーンと燃料電池パワートレーンのソリューションも含め「eBike」「乗用車」「建設機械」まで幅広い電動パワートレーンの製品をラインアップ。また、充電サービスやバッテリの性能向上と寿命延長を実現する「バッテリ・イン・ザ・クラウド」マネジメントサービスも含め、今後はバッテリ生産用の工場設備を提供する事業にも参入するとしている。