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BMW、40周年記念オンラインイベント「BMW ARENA」レポート 歴代モデルや新型「iX」など一挙に登場

2021年10月22日19時~21時 開催

ゲストの観月ありささんとビー・エム・ダブリューでエレクトロモビリティ責任者を務めるBrett Rumble氏の2人が、今秋発売予定の新型「iX」を紹介するビデオも公開

 ビー・エム・ダブリューは10月22日、BMWジャパン40周年記念イベント「BMW ARENA~たいせつなものと、次の時代も~」のメインコンテンツをオンラインにて開催した。

 BMW ARENAは、1981年9月にBMWの日本法人である「ビー・エム・ダブリュー株式会社」が設立されて40年が経過したことを記念するオンラインイベント。10月1日にオープンした記念サイトでは、「MY GARAGE」「RACING AREA」「COLLECTION AREA」「COMMUNITY AREA」「STAGE AREA」という5つのコンテンツを用意。バーチャル空間でBMWが歩んできた過去から現在、この先に目指す未来について体験できるようになっている。なお、BMW ARENAは11月30日まで期間限定で公開されている。

 モータースポーツ実況でも知られるサッシャさん、フリーアナウンサーの岡副麻希さんがMCを務めたメインコンテンツでは、冒頭でビー・エム・ダブリュー 代表取締役社長 クリスチャン・ヴィードマン氏によるあいさつが行なわれ、独BMW AG 取締役会長 オリバー・ツィプセ氏のビデオメッセージが紹介された。

イベントの冒頭でBMW ARENAのイメージCGが放映されたあと、MCのサッシャさん(下段中央)と岡副麻希さん(下段右)からイベントの趣旨などが説明された
ビー・エム・ダブリュー株式会社 代表取締役社長 クリスチャン・ヴィードマン氏

 ヴィードマン氏は日ごろから熱い声援を送ってくれているBMWファンに対する心からの感謝として「どうもありがとうございました」と日本語で述べたあと、同社の歴史について解説。40年の歴史でエポックメイキングなモデルになった「3シリーズ」は、日本のユーザーから最も愛される存在になっているとなっており、デザインやテクノロジを革新してきた「7シリーズ」、SAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)という新しいジャンルを開拓した「Xシリーズ」も同様にエポックメイキングな車両だと紹介した。

 また、「エマージェンシーサービス」「アプルーブドカーシステム」「メンテナンスプログラム」「ハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能」など、ユーザーの役に立つ数多くの日本初を日本市場に導入してきたと紹介し、2002年から販売を開始したMINIブランドはJAIA(日本自動車輸入組合)が発表する輸入車部門でたびたび1位を獲得していること、2輪のモトラッドはコロナ禍でありながら今年の販売台数が史上最高となっていることなどをアピール。「日本のお客さまに愛されていることをとてもうれしく思っております」とコメントした。

 このほか、2013年にBEV(電気自動車)「i3」を導入した同社は社会的責任にも真摯に向き合い、今年度もBEVの「iX3」「iX」「i4」を日本市場に導入して電動化戦略をさらに加速。長期的な持続可能な未来に向けたコミットメントを強調していくことなどを語った。

独BMW AG 取締役会長 オリバー・ツィプセ氏

 ツィプセ氏はビデオメッセージの中で、自身が若かったころにインターンとして勤務した経験もある同社が40周年という記念すべきマイルストーンを迎えたことに心からの祝福を贈ったほか、BMWグループにとって技術的進歩とプレミアムな革新的製品を評価する重要な市場に位置付けた日本に現地法人を設立したことは、グループが長期的な視点から物事を考えていることを示すものだと述べた。

 また、BMWグループはグローバルで「よき企業市民」になるよう努めており、「リシンク」「リデュース」「リユース」「リサイクル」という価値の精度とバランスを重視して持続可能な未来を切り拓いていき、2050年までにバリューチェーン全体で完全なクライメート・ニュートラルを実現するという目標に取り組んでいると紹介し、重要な要因としてエレクトロモビリティの増加があると位置付けた。

 この実現に向けて今年度もi4やiXといったBEVの新型車投入を行なっており、2025年以降のニューモデル投入は、徹底的な電動化やデジタル化、循環型経済化といった目標達成に向けた大きな一歩になるとアピール。さらに「今後10年以内に1000万台のBEVを販売する」「2020年に世界中の組み立てラインから送り出されるクルマの半数をBEVにする」という目標も示した。

「i4」やiXといったBEV(電気自動車)の市場投入により「今後10年以内に1000万台のBEVを販売する」という目標を達成していく

YOSHIKIさんが「Miracle」スペシャルバージョンを演奏

 ヴィードマン氏とツィプセ氏の冒頭あいさつに続き、事前告知で明らかにされて大きな話題となったX JAPANのYOSHIKIさんによるスペシャルステージを公開。

演奏に先立ってコメントするYOSHIKIさん

 YOSHIKIさんは演奏に先立って「乗る人を大切にするというBMWさんのブランド精神は、人を幸せにするという意味でとても共感する部分があります。これからも人に笑顔を届け続けるブランドであってほしいと思います」とコメント。

 また、自身の楽曲「Miracle」を演奏することにした理由について「BMWジャパン40周年を記念して造られたバーチャルワールド『BMW ARENA』でのイベントということで、こういった時代でも、バーチャルの空間を通じて皆さんが1つになれる、集まれるということは、ある種奇跡なのかなと思っています。今日はそんな思いを込めてこの曲を演奏したいと思います」と解説し、演奏をスタートさせた。

YOSHIKIさんが2013年に発表した「Miracle」のスペシャルバージョンを披露。YOSHIKIさんの演奏する姿にBMWモデルの走行シーンがインサートされたほか、演奏中に昼夜が入れ替わるといった“ミラクル”も演出された

BMWの歴代名車を年表スタイルで紹介する「BMW 40years 年表ピット」

ツインリンクもてぎにBMWの歴代名車が集まった「BMW 40years 年表ピット」

 続いては、ツインリンクもてぎのピットスペースを舞台に、BMWの名車を同社が設立される以前の1970年代から10年ごとの区切りで集めて紹介していく「BMW 40years 年表ピット」を実施。MCの岡副さんとゲストでBMWの「i8」を愛車としている平成ノブシコブシ 吉村崇さん、モータージャーナリストの菰田潔氏、ビー・エム・ダブリュー 製品広報 ゼネラル・マネージャーの前田雅彦氏などが登場するビデオが公開された。

BMW「i8」を愛車としているゲストの平成ノブシコブシ 吉村崇さん、ビー・エム・ダブリュー株式会社 製品広報 ゼネラル・マネージャー 前田雅彦氏なども登場

1980年以前

1980年以前のピット

 吉村さんと岡副さんが生まれるよりも前の1980年以前のピットでは、現代のクルマと比べて存在感の強いエクステリアデザインに興味を引かれ、中でもとくに異彩を放つ「イセッタ」に注目。ようやくフロントに設定されたドアを見つけて岡副さんが乗り込んだりしつつ、2人とも内外装に「かわいい!」を連発。

 しかし、吉村さんはイセッタの隣に並べられた「M1」を見て「子供のころはこういったスーパーカーに憧れてた世代だから、最高だよね」とコメント。運転席のシートに座り、視点の低さに驚きの声を上げた。また、ここから菰田氏が解説役として合流し、世の中に残っている台数の少ないM1は、市場に出れば1億円の値が付くと語って2人を驚かせた。

「バブルカー」とも呼ばれた「イセッタ」の姿に、吉村さんと岡副さんの2人は「かわいい」と連発
フロントのドアを発見して、岡副さんが乗車体験
現代でも公道を走っていると前田氏から教えられ、またも驚く2人
BMW「M1」
実際に乗った車内の感想を「意外に広い」と語りつつ、視点の低さに驚く吉村さん
解説役の菰田氏が合流。M1の価格を「9桁」と表現し、岡副さんが指折り数えて「億?」とびっくりするシーンも

1980年代

1980sピット

 吉村さんが生まれた1980年代のピットでは、まず一世を風靡した2代目「3シリーズ」について、菰田氏が「このモデルは非常に売れたので、2ドア、4ドア、右ハンドル、左ハンドル、MT、ATとどれでも選べたんです」という逸話を紹介。人気を博した理由は、レイアウトやシステムといった基本性能が高く、他社からもベンチマークとして認識されるほどだったからだと菰田氏は分析した。

2代目「3シリーズ」
基本性能の高さで大ヒットした3シリーズは、「六本木ではカローラよりも3シリーズの方が多かった」というエピソードを菰田氏が紹介
「M6」

 1988年デビューの「M6」は吉村さんの思い出にも残っているクルマで、地元の「イケてる人」が乗っていて、クルマを目撃するとその人が来ていると分かる1台だったと語り、憧れだったクルマの運転席に座って「オレのクルマなんじゃないかと思うほどしっくりくる」と感想を口にした。

 遠目から見た瞬間に岡副さんが「かっこいい!」と声を上げた「M1」では、電動昇降するドアに2人がびっくり。運転席に座って興奮した岡副さんがミニコントを始め、巻き込まれた吉村さんが困惑するひと幕もあった。

菰田氏は特徴的な「シャークノーズ」について紹介し、岡副さんも「シブい」とリアクション
「これを拝めるとは」と感激する吉村さん。運転席に座って「オレのクルマなんじゃないかと思うほどしっくりくる」と感想を口にした
ドアが電動昇降でボディ内部に格納されるという特徴的な構造を持つ「Z1」
外観を見た瞬間から「かっこいい!」と絶賛していた岡副さんは電動昇降するドアを見てテンションが高まり、突然「ドライブに誘うため吉村さんを迎えに来た」という設定でミニコントを始めて周囲を困惑させることに

1990年代

1990sピット

 岡副さんが生まれた1990年代のモデルでは、まずBMWのスペシャルティカーである「8シリーズ」について菰田氏が解説。優雅なサッシュレスドアを採用しても高速走行中の風切り音を低減できるよう、ドアを開けようとした瞬間にウィンドウガラスがわずかに下がる仕組みを取り上げ、このクルマが技術の粋を集めて贅沢に造られたクーペであることを紹介した。

菰田氏は「8シリーズ」に与えられた静粛性向上の技術について解説。また、この年代から快適性と安全性が非常に高まっていることも説明した
運転席に座った吉村さんは、視点が高くなったことで安心感が高まり、車内の雰囲気に優雅さを感じると語った
「Z3 Mクーペ」

 また、キャビンが後方にある特徴的なスタイルの「Z3 Mクーペ」について、吉村さんと岡副さんから「かわいらしい」「女性から見て高そう」といった感想が出たが、菰田氏は「ものすごくよく走るクルマで、サーキットもバンバン走れる」と紹介した。

フロントやサイドからZ3 Mクーペを見た吉村さんと岡副さんのコメントは「かわいらしい」といったものだったが、車両後方に移動して見直すと印象が一変したと口にしている

2000年代

2000sピット

 2000年代のピットでは、映画「007」シリーズで“ボンドカー”として採用された「Z8」を紹介。オールアルミ製の軽量ボディをドアの開閉で体感したり、5.0リッターのV型8気筒エンジンを搭載するエンジンルームを見学。吉村さんは「ジェームズ・ボンドしか似合わないんじゃないの?」とコメント。

“ボンドカー”としても知られる「Z8」。「アルミでボディ全体を造るなんてものすごく贅沢」と菰田氏
緻密に造り込まれたエンジンルーム内を見て「細かいところまでよく間違えないよな~」と吉村さん

2010年代

2010sピット

 2010年代のピットでは、吉村さんが「このクルマのために免許を取った」という愛車と同じ「i8 ロードスター」がお出迎え。菰田氏がフロントタイヤをモーターで駆動させ、リアタイヤに1.5リッターターボエンジンのパワーを伝えるという独自の駆動方式について解説。岡副さんの「なら、地球にも優しい?」という感想に対し、菰田氏は「iは地球に優しいクルマを造っているんですね」とコメント。

 跳ね上げ式のドアを開けて運転席に座った岡副さんは「宇宙っぽいです」と語り、スタンバイモードにしてアクセルを踏み込んだときに車内で聞こえる美しいエンジンサウンドに「やる気出る!」と目を輝かせた。

吉村さんの愛車でもある「i8 ロードスター」
「iは地球に優しいクルマを造っている」と菰田氏
優雅な跳ね上げ式ドアにも岡副さんは「羽みたい、すごーい」と驚嘆
近未来的なインテリアデザインにも岡副さんは「めっちゃかっこいい」との感想
アクセルを踏み込んで聞こえてくるエンジンサウンドに「やる気出る!」と目を輝かせる岡副さん。吉村さんは「私の出社の音です。私はこの音で(TV)各局に行っています」とオーナーならではコメント

 また、i8 ロードスターの紹介中には、かつて某テレビ番組で吉村さんの愛車に起きた事件について語られるシーンも発生。コンビの相方である徳井健太さんがi8のフロントウィンドウにヒビを入れた状況を解説しつつ、その場にいた広報の前田氏に腰を90度曲げて平謝り。

 しかし、前田氏は「人生最初のクルマにBMWを選んで感謝しかない」「今後もBMW愛を引き続きお持ちいただいて、BMWブランドに注目していただきたい」と逆にお願いすることになり、見事に雪解けとなった。

相方のしでかしたこととはいえ、i8を傷付けることになった事件について何度も頭を下げて謝罪する吉村さん。しかし、広報の前田氏は引き続きBMW愛を持ち続けてもらいたいと逆にお願いするなど、両者が頭を下げる謎の構図に

2020年代

2020sピット

 最後はまだ始まったばかりの2020年代ピット。菰田氏は最新モデルで採用されている縦長のキドニーグリルを取り上げ、綿々と受け継いできたグリルデザインが時代に合わせて進化を遂げていると説明。外観について吉村さんが「目(ヘッドライト)が野心的になってきましたね」と感想を述べると、「クルマはどうも、怖い顔をしている方が売れるらしいんですね」と菰田氏はコメントした。

菰田氏は外観デザインの時代に合わせた進化を説明
吉村さんが「野心的」と評するシャープなヘッドライト

 続いて紹介されたのは、今回の40周年を記念して300台数限定で発売された「318i 40th Anniversary Edition」。運転席に座った岡副さんはデジタルディスプレイの美しさに驚いたほか、シートの座面が長く、足を膝の裏近くまでサポートしてくれる形状を見て「足がむくみにくいと思います」と語り、おもてなしの精神に感激していた。

 また、内装について菰田氏は、「BMWは昔から信念を持ってクルマ造りをしていて、ステアリングから左側は運転とは直接関係ない操作、ステアリングに近いところは運転に必要なものを並べ、ステアリングよりも上は情報を得るエリアとして、ステアリングより下は操作するエリアにして、4つの事象に分けてそれぞれの役目を果たすようにしているので分かりやすいんです」と解説した。

40周年記念限定車「318i 40th Anniversary Edition」の運転席に座った岡副さんは、シートの座面が足を膝の裏近くまでサポートしてくれることを発見。「足がむくみにくいと思います」と語った
菰田氏はインテリアにまつわるBMWの設計哲学を紹介した
ピットでの見学後には、3シリーズを吉村さんが運転するサーキット体験走行も実施
サーキットでクルマを運転するのは初めてという吉村さんだったが、走行後はテンション爆上がり。走らせる前は「ご老体なのかな?」と思っていたという3シリーズも、ペースが上がってくるにつれて軽快感が楽しめたという
最後にはピット内で展示された歴代モデルのパレードランが行なわれて終了となった

BMW Team Studieピット紹介

BMW Team Studieピット紹介

 年表ピットと同じく吉村さんと岡副さんが参加した「BMW Team Studieピット紹介」では、BMW Team Studieのチーム代表である鈴木 BOB 康昭氏とレーシングドライバーの荒聖治選手の2人からチームで活躍しているBMWモデルについて解説された。

吉村さんはBMWのロゴが入ったレーシングスーツを着用して気合い万全
BMW Team Studie チーム代表の鈴木 BOB 康昭氏とレーシングドライバーの荒聖治選手が解説を担当。チームのレースマシン3台について紹介した

M2 CS Racing

スーパー耐久シリーズのST-1クラスに参戦している「M2 CS Racing」

 鈴木氏が「BMWのオフィシャルなレーシングマシンで一番末っ子」と表現する「M2 CS Racing」。5月に富士スピードウェイで開催された24時間耐久レースでデビューを果たし、初レースでクラス3位になった。また、BMWとして初めて一般のBMWディーラーで購入可能な車両となっている。

初のレース本番が過酷な24時間耐久レースとなったが、見事に走り切ってクラス3位を獲得した

M4 GT4

スーパー耐久シリーズのST-Zクラスに参戦している「M4 GT4」

 FIA GT4カテゴリーのマシンである「M4 GT4」。車内をのぞき込んだ吉村さんが「教習所で教わった装備品が1つもない!」と驚きの声を上げ、同時にステアリングに配置されているスイッチの数にも圧倒されていたが、荒選手は「BMWのスイッチは失敗しないように配置されていてミスがない」と説明。限界付近で勝負しているときはシンプルに造られていることが重要だと解説。

 岡副さんのリクエストで車両後方の姿を見に移動すると、リアビューは意外なほど市販車に近いことを吉村さんが指摘。「車内はかなり違いますが、外観は限りなく市販車に近いのが特徴ですね」と鈴木氏は説明した。

ステアリングには見えているだけで8個のスイッチが並んでいるが、「BMWのスイッチは失敗しないように配置されていてミスがない」と荒選手は解説
リアビューで市販車からの大きな変更点であるカーボンウイングは、鈴木氏が「人が乗ってもらっても問題ない」と言うほどの強度を誇る

M6 GT3

SUPER GTのGT300クラスに参戦している「M6 GT3」

「BMWのオフィシャルなレーシングマシンで長男になる」という「M6 GT3」。ボンネットに設定された大きな排熱用のダクトは、エンジンのマウント位置を限りなく低く設定しているからこそできる装備。軽量化を追求するためほとんどをカーボンで構成したドアは、試しに開閉した吉村さんが「家の冷蔵庫のドアより軽い!」と衝撃を受けるほど軽い手応え。ちなみに、ドア1枚で140万円ほどの金額になるとのこと。

 また、荒選手がマシンに乗り込んでのエンジン始動テストでは、ピット内に響き渡る爆音に吉村さんと岡副さんが衝撃を受けつつも、終了後は拍手喝采。しかし、鈴木氏によればレーシングマシンでも騒音規制が年々厳しくなっており、これでも以前と比べればおとなしくなっているという。

吉村さんが「これ、エンジン入れ忘れてるんじゃないですか?」と言うほど深くえぐり込まれた排熱ダクト
ほとんどをカーボン素材で構成するドアの手応えの軽さに、思わず大きな声を上げる吉村さん
585PS以上を発生するという5.0リッターV型8気筒ツインターボエンジンのサウンドがピット内に響き渡る
マシン紹介に続いて吉村さんの助手席体験、というスケジュールになっていたが、なぜかマシンはピットレーンに置かれ、運転席には荒選手がスタンバイ
「走るのは絶対にダメですからね!」と頑強に抵抗する吉村さんだったが、ヘルメットも装着され、M2 CS Racingは雨の降りしきるツインリンクもてぎにコースイン。荒選手はピットレーンから容赦ない全開加速で1コーナーに向かっていく
1コーナーでのフルブレーキングで、固定されていない吉村さんの頭部が前方に投げ出される
車内には吉村さんの絶叫が響く
収録が始まる直前から降り出したという想定外の雨で、コース上は水煙が立つほどヘビーウェットの路面コンディションだったが、荒選手は「タイヤのグリップ力の100%を超えてスライドする領域まで攻めました」とのこと
ピットレーンに入ってからもリアタイヤが流れるほどサービス満点の走りを披露した荒選手。それだけに、助手席を下りた吉村さんはグロッキー状態
ムービー終了後のステージで、吉村さんは「容赦なくやってくれてGがハンパなかったんで、猫背だった姿勢がちょっとよくなった気がしますよ」「体が固定されているので顔の骨が前に出そうだった」「でも、本当にいい経験だったなと思います」とコメントしている

BMW Team Studieスペシャルトーク&SUPER GT第6戦直前中継

SUPER GTのレースに向けて大分入りしている荒選手と中継を結んでトークショーを実施

 モータースポーツ関連では、2日後の10月24日に決勝レースが行なわれるSUPER GT 第6戦に向けて大分入りしている荒選手と中継を結び、ゲストとしてステージに上がった鈴木氏とMC2人の4人でトークショーを実施。

 レースに向けた意気込みを質問された荒選手は、「最近はこのM6 GT3がすごく速くて、予選では気持ちよく走らせてもらっています。このオートポリスはアップダウンがあって楽しい好きなサーキットなので、ここでM6 GT3のバランスのよさを生かしていい予選にしたいと思います」とコメントした。

翌日の予選に向けて意気込みを語る荒選手

 また、来年度に向けた活動として、鈴木氏はM6 GT3に変えて「M4 GT3」でのSUPER GT参戦を明言。ニューモデルのM4 GT3はバンパーなどのエアロパーツが大きくなっており、車体サイズではM6 GT3より全長が長くなると説明。現在のM6 GT3とは異なるパフォーマンスになるだろうと語った。

 ニューモデルのM4 GT3について荒選手は「BMWが新しいテクノロジで造ってくるクルマなので、どんな乗り味になっているのか。ただ、バランスは間違いなくいいと思います」とコメント。また、これまでBMWのレースマシンで直列6気筒エンジン搭載車に乗った経験がなく、BMWの代名詞である直列6気筒エンジンを搭載したM4 GT3をドライブすることが今から楽しみだと語っている。

2022年からBMW Team Studieの参戦マシンになる「M4 GT3」

ときど選手が荒選手のゴーストカーと勝負!

鈴木氏が設計を担当したRACING AREAのコースレイアウトとコース概要

 イベント内ではBMW ARENAで用意されている各エリアの紹介も行なわれた。バーチャルレースが楽しめるRACING AREAは、3Dモデルで精巧に再現されたM4 GT3を使ってタイムアタックを行なうコンテンツとなり、キーボードのカーソルキーだけで簡単に操作できる。

 コース設計はイベントのゲストとしても登場している鈴木氏が手がけており、コース全長5000m、最大直線1000m、幅員16m、コーナー数15、高低差70mという設定。「イセッタ・コーナー」「BMW WELT・コーナー」など、BMWにゆかりのある名称がコース各所に用いられている。また、走行時にはライバル・カーとして、荒選手の走行を再現したゴーストカーが出現。一流ドライバーの走行ラインをタイムアタックのお手本にできるようになっている。

コースの走行イメージ

 ゲーム内容の紹介や鈴木氏によるコース解説が行なわれたあと、実際のタイムアタックシーンを視聴者に見てもらうため、ゲストとしてeスポーツ選手のときど選手が登場。日ごろは格闘ゲームを中心に活動しているときど選手だが、RACING AREAについても公開直後からやり込んできたと自信を見せ、タイムアタック本番に臨んだ。

eスポーツ選手のときど選手
にこやかに話していたときど選手だが、PCの前に座ってキーボードに手を置いた瞬間から戦闘モードにスイッチが切り替わった

 タイムアタックでは最初のイセッタ・コーナーの途中で荒選手のゴーストカーを抜き去って優位に立ったが、中盤のBMW WELT・コーナー手前で減速しすぎて立ち上がりの加速でゴーストカーが逆転。ときど選手も諦めずに食い下がるが追いつくことはできず、荒選手のタイムから3秒ほど遅れた1分20秒41でフィニッシュとなった。

タイムアタック中の様子
荒選手のタイムから3秒ほど遅れた1分20秒41でフィニッシュ
タイムアタックは10月31日まで集計が行なわれ、トップの人に「BMW M8 1か月モニター」を贈るなど、ランキング上位者に豪華賞品がプレゼントされる
そのほかのエリア紹介も実施。MY GARAGEでは3DモデルのBMW車を17車種用意しており、ホイールやカラーリングの変更、ステッカーの貼り付けなどで「自分だけの1台」を構築可能。サッシャさんと岡副さんがデザインしたマイカーも公開された
MY GARAGEで制作したマイカーはCOLLECTION AREAで公開され、ほかの参加者がデザインしたマイカーも閲覧できる。気に入ったマイカーに「いいね」を投票可能となっており、10月31日までの期間に最も「いいね」を獲得したマイカーはミニチュアカーが作成され、デザインした人にプレゼントされる
40周年ハッシュタグキャンペーンでBMWオーナーから寄せられた写真やメッセージを使った記念ムービーも公開
ハッシュタグキャンペーンでは多数の写真が投稿されている
記念ムービーは2回に渡って公開
BMWオーナーのマイカー愛が多数寄せられた

今秋発売予定の新型iXがステージに登場!

ステージ中央の扉が開き、奥から今秋発売予定の新型iXが登場

 BMWの電動車ブランド「BMW i」の紹介コーナーでは、今秋発売予定の新型BEVであるiXが、ゲストである観月ありささんの運転でステージ上に登場した。

 同社と同じく、今年で芸能活動40周年を迎えるという観月さんは、これまでの活動でBMW車を含めてさまざまなクルマに乗る機会があり、特に乗り心地の面が進化していると感じているという。iXもすでに試乗済みで、「電気自動車って“未来のもの”だと思っていたんですが、実際に触れて、乗ってみるとまったく違和感がなくて、当たり前のように選択肢になるなと感じました」と感想を語った。

iXを運転していたのはゲストの観月ありささん
これまでのクルマ体験やiXの感想などを語る観月さん。サッシャさんから隣に並んだiXが「すごくお似合いですよ」と指摘されると「もう欲しくて、すごく乗りたいですね」と答えた

 事前収録されたiXの紹介ビデオは、ゲストの観月さんに対し、ビー・エム・ダブリューでエレクトロモビリティ責任者を務めるBrett Rumble氏が解説を行なうスタイルで進められた。

 観月さんの「シャープな感じでかっこいいですね」という外観を見た感想を受け、Rumble氏はフロントグリルで空気抵抗を低減するためにさまざまな工夫を凝らしており、デザイン面がBMWの新しいブランド戦略となっていることに加え、カメラやセンサー類などを備えた機能性の高さもポイントになっていると解説した。また、ヘッドライトはBMWの量産車で最もスリムな設計となっており、撮影車両では視認性を高めるオプション装備「BMW レーザー・ライト」を装着している。

ビー・エム・ダブリュー Brett Rumble氏が観月さんにiXの魅力を解説していく
前面投影面積が大きめなiXだが、突起物を廃したスマートなデザインなどにより、Cd値は0.25を実現。シャープなデザインは観月さんにも好評だった

 フロントマスクでの工夫に加え、ボディサイドでもCd値を抑制するためドアハンドルの形状などで突起物を極力廃している。走行面では1回の満充電で400km以上の走行が可能で、10分間の急速充電でも150kmを走れるようになっている。

iXの充電や走行距離などについて解説するRumble氏
続いてインテリアを体験する観月さん

 インテリアでは、運転席に座った観月さんが「とてもラグジュアリーな感じで、シートも座り心地がいいですね。クリスタルをところどころに使っているのも女性としてうれしいです」と感想を語り、Rumble氏は六角形のステアリングはBMW初の装備で、これによってよりドライブフィーリングを感じてもらえるようになると説明。また、サスティナビリティに注目して、シートなどのレザー製品をオリーブから抽出したオイルでなめしていることを紹介した。

BMW初という六角形のステアリング
サイドサポートにまでステッチが施されたレザーシート。表皮はオリーブから抽出したオイルでなめしている
車内のダイヤルやスイッチ類にクリスタルが使われているところが観月さんの注目ポイント
ルーフに設定されたパノラマガラスサンルーフも、後ろ側まで全部シースルーになるので開放感があっていいですねと観月さん

 車両解説に加え、観月さんと岡副さんがツインリンクもてぎの構内路を走行したドライブ動画も公開。助手席に座った観月さんがハンディカメラで撮影した映像も使用され、女性2人がiXに触れた感想などが紹介された。

観月さんと岡副さんによるiXの試乗解説。ドライバーを岡副さんが務め、助手席に座る観月さんはハンディカメラで動画を撮影
クリスタルがきらめくスイッチ類や広々としてサイドウォークスルーも可能な足下スペースなど、“観月カメラマン”が気になったポイントを動画で紹介していく
モーターの力で静かに力強く発進。落ち着きある滑らかな走りで「大人びてますね」と2人で語り合っていた
特徴的なステアリングも握りやすく、「カーブこそ六角形が生きる感じ」と岡副さん
斜度の強い上り坂でもスムーズにぐいぐいと走り抜けていく

 最後は吉村さんも再登場して4人でエンディングトークを実施。吉村さんはステージ上に置かれたiXにも興味津々で、車内をのぞき込んだり試乗した2人に感想を聞いたりしていたが、サッシャさんから将来のBMWがどうなっていくと予想するか問いかけられ、年表ピットで歴代モデルに触れて「クルマは先を見据えて発売の何年も前から時代の流れを先読みして開発されている」と学んで、自分が乗っているi8もそんな計算から生まれていることに驚かされた。今も開発されているであろう新型車が出てくる日が楽しみで、ぜひ長生きしたいですねと答えた。

 また、観月さんは同じ質問に対して「環境などの問題を考えると、この先にいつかクルマに乗れなくなる時代が来るのかと思っていましたけど、このiXに乗ってこれからも乗り続けることができるんだと思いましたね。私たちの生活にクルマは必要で、楽しんだり、生活の役に立ったり、なくてはならない存在なので、この先にiXみたいなクルマがあふれるといいなと思いました」と回答している。

ステージに再登場した吉村さんはiXに興味津々
エンディングトークではゲストの2人に今後のBMWなどについて質問されて幕を閉じた