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日産、米国向け限定240台の特別仕様車「Z Proto Spec」をSEMAショー2021に出展 その他にも「DocZ(240Z)」など展示

2021年11月2日~5日 開催

新型フェアレディZ(プロトタイプ)

映画俳優サン・カン氏の手掛けた240Z「DocZ」も展示

 日産自動車は、11月2日~5日にアメリカのラスベガスで開催される「SEMAショー」に出展する6台の車両を公開した。

 展示車両は、日産の冒険好きなSUVと中型ピックアップの特別なアップフィットバージョンとなる「プロジェクト・オーバーランド・パスファインダー」と「プロジェクト・オーバーランド・フロンティア」。また、俳優でありカーマニアでもあるサン・カン氏が、1971年式「ダットサン240Z」をベースにサファリ・ラリーをイメージして製作した「DocZ」。

 そして、NISMOオフロードパーツを装着してチームワイルドグレースからRebelle Rallyに参戦した2021年式の「フロンティア」に加えて、フォーミュラドリフトのチャンピオンであるクリス・フォルスバーグ選手の駆る2000psのドリフト専用セダン「アルティマニアック」。さらに、新型「フェアレディZ」の米国市場向けに240台のみ限定販売される特別仕様車「Z Proto Spec」も並ぶ。

 米州日産アフターセールス担当副社長のマイク・スッター氏は「プロジェクト・オーバーランド・パスファインダーとフロンティアは『冒険は道の終わりから始まる』と言うわれわれの哲学を支え、NISMOオフロードパーツを使用してこれまで以上の性能を実現しています。エキサイティングな2023年のフェアレディZや、サン・カン氏の最新プロジェクトの乗り物を披露する栄誉とともに、2021年は記憶に残るショーになるでしょう」と述べている。

プロジェクト・オーバーランド・パスファインダー

プロジェクト・オーバーランド・パスファインダー

 このパスファインダーは、工場出荷時にファミリーアドベンチャー用にカスタマイズされた1台。オーバーランド性を高めるために、ビルシュタイン製のカスタムハイキャパシティモノチューブガス圧ダンパーを装備。さらに、開発中のNISMO Off Road 2インチリフトキットをはじめとする数多くの特別な改造が施されている。足下は、18×8インチのNISMO Off Roadカスタムホイールに、265/60R18 Maxxis RAZR ATタイヤを装着。

 エクステリアでは、開発中の「NISMO Off Road expeditionルーフラック」「ROAM Adventure Company 83L Rugged Cases」「NISMO Off Road 6-inch Driving Lights」「Rigid 4-inch D-Series Driving Lampを装着したカスタムメイドのフロントバンパーガード」「カスタムメイドのロックレール」「RIGd UltraSwing Multi-Fit Hitch Carrier with UltraTable」などを装備。

 インテリアには、キャンプキッチンとスリーピングプラットフォームシステムを備えた「Egoé Nestbox Camper Conversion Kit」が搭載されているという。

プロジェクト・オーバーランド・フロンティア

プロジェクト・オーバーランド・フロンティア

 このフロンティアは、より困難な場所を走れるように設計しているが、誰でも入手可能な部品を使っていて、ユーザーでも手の届くカスタマイズを施した1台。

 シャシーには「NISMOオフロードパフォーマンスサスペンションキット」を採用し、フロントは2インチリフトアップ、SPCフロントアッパーコントロールアームには「xAxisシールドフレックスジョイント」を装着して走行性能を向上。リアには「リモートリザーバー付きNISMO Off Roadパフォーマンスショックアブソーバー」を採用し、減衰力の向上と耐フェード性の向上を実現。「NISMO Off Roadリアリーフスプリング」は、2インチのリフトアップと高い耐荷重性を両立。足元は17×7.5インチのNISMO Off Road AXISホイールに285/70-17 Maxxis RAZR MTタイヤを装着している。また、エキゾーストは、NISMOのロゴがレーザーエッチングされたポリッシュチップを備えた「NISMO Off Road Performanceキャットバックシステム」に交換済み。

 エクステリアは「NISMO Off Road Heavy Duty Bumper with NISMO Off Road 4-inch round driving lamp」「NISMO Off Road Overlanding Bed Rack」「NISMO Off Road rooftop tent」などを装着。さらに、ボンネットに取り付けられた「NISMO Off Roadの4インチ丸型ドライビングランプ付き溝型ランプマウント」「Front Runner Slimline II Roof Rack」「Hi-Lift Jack Mount with Hi-Lift X-TREME Jack」「Roam Adventure Companyの83 Liter Rugged Case」などにより、人里離れた山奥での快適性も実現している。また、ベッドには「TruckVault All-Weatherベッドドロワーシステム」と、ドロップダウンスライドにマウントされた「ARB Elements Fridge」「ARB Twin Air Compressor」を装備する。

 インテリアには「Garmin Overlander オールテレインGPSシステム」「Garmin PowerSwitch デジタルスイッチボックス(電気アクセサリ制御用)」「67 Designsデバイスマウンティングシステム」を装備。さらに、ドメティック製「PLB40ポータブル・リチウム・バッテリー電源」や、オーバーランド・ソーラー製の「Bugout 130折りたたみ式ソーラーパネル」など、オーバーランディングに特化した装備を充実させたとしている。

「Rebelle Rally仕様フロンティア」

Rebelle Rally仕様フロンティア

 女性だけのラリー大会「2021 Rebelle Rally」で6位入賞を果たしたチームワイルドグレースの2022年型「フロンティアPRO-4X」のNISMOオフロード仕様。共同キャプテンのセドナ・ブリンソン氏とリン・ウッドワード氏は、ネバダ州とカリフォルニア州の砂漠地帯を9日間で1200マイル(約1200km)走行する大会にて、40年前に日産が製造した有名なハードボディレーサーの赤、白、青のカラーリングを施したフロンティアで参戦した。

 2022年の「フロンティアPRO-4X」には「ドライビングライト」「パフォーマンスサスペンション」「キャットバックパフォーマンスエグゾースト」「アクシスホイール」などのNISMOオフロードパーツが装着されている。

日産、往年のダットサンカラーが復活 新型「フロンティア」でRebelle Rallyに参戦

https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1355017.html

サン・カン氏の「DocZ」(サファリ・ラリー240Zインスパイア仕様)

サン・カン氏の「DocZ」

 1971年の東アフリカ・サファリ・ラリーで優勝した「ダットサン240Z」は、世界中のZファンの心の中に生き続けていて、映画「ワイルド・スピード」で有名な俳優兼プロデューサーのサン・カン氏もその1人という。

 カン氏と彼の師匠であるエリック・アギラール氏は、ロサンゼルスで東アフリカのサファリラリーを意識したカラーリングの1971年型240Zを発見。故障していて、錆びついていて、非常に不完全な状態だったが、当初のレストアコンセプトをはるかに上回るものに仕上げたとしている。カン氏は国内の職人チームを集め、最初は自身が所有する「FuguZ(フグZ)」のように新型スカイラインのエンジンを搭載することを提案したが、彼の師匠たちはカン氏を別の方向に導いたという。そして、L24エンジンを2800ccにストロークアップし、カスタムヘッド、トリプルウェーバーキャブ、カスタムエキゾーストなどを装備させ、充分なパワーとトルクを発揮できるようにしたという。

 また、そのパワーを活かすために、サスペンションやブレーキを一新し「Z432」に標準装備されていた神戸製鋼所製の16インチホイール「78 Nanakorobi Yaoki」を装着。ボディもルーフやパネルも交換するなど、トータルでのリメイクが施された。さらに、Coastline Autosportでは、赤と黒のツートンカラーの塗装の上に、このZに相応しいユニークな鯉のぼりのゴーストペイントを施している。

赤いボディにはゴーストペイントが施され、うっすらと「鯉のぼり」や「ミシュラン」のロゴが見える

 カン氏は「DocZは、私のコミュニティの最高のものを表現しています」と語り、彼の驚くべき救出・修復・再構築プロジェクトが、他のZ愛好家にも刺激を与えることを期待しているという。

映画「ワイルド・スピード」のハン(サン・カン氏)とコラボした洗車用品キットプレゼントキャンペーン

https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1341433.html

ドリフト専用セダン「アルティマニアック」

 フォーミュラドリフトで3度の世界チャンピオンに輝いたクリス・フォルスバーグ選手が、世界でもっともクレイジーな日産「アルティマ」を製作。チームバルボリンと日産との壮大なパートナーシップのもと、GT-Rのパワートレーンを搭載した4人乗りのドリフトマシンは「アルティマニアック」と名付けられている。

 フォルスバーグ選手のチームは、当初はモータースポーツに参戦する予定はなく「3人の友人を脅かすためのものだった」と言い、世界でもっとも先進的な4人乗りのドリフトカーを作るだけでなく、世界でもっともパワフルなマシンを作ることを目標に制作に取り掛かったという。

 そのため、アルティマニアックはモータースポーツのルールブックによる制約を受けず、2021年式の日産アルティマをベースに作成。シャシーエンジニアリング会社のTekk Consultingでは、フォルスバーグ選手の夢を現実するため、アルティマの純正ボディに収まるチューブシャシーを設計。また、T1 Race Developmentが開発したパワープラントを採用した日産GT-RのV型6気筒ツインターボ(VR38)は2000psを発揮。さらに、RTSの6XDシーケンシャルトランスミッションは、非常に速いシフトチェンジを可能にし、フルアジャスタブルのカスタムレースサスペンションは、フォルスバーグ選手がドリフトの角度をコントロールするのに役立っているという。

 フォーミュラドリフトの参戦マシンとは異なり、車内にはレカロのカーボンファイバー製シートが4つ設置され、その周りには、ダブルハロのフルロールケージが組まれ、各乗員を保護するという。エクステリアは、チームバルボリンがデザインしたカスタムカラーリングで、ドローンによる360°撮影にも“映える”配色に仕上げている。

米国市場向けの特別仕様車となる新型「Z Proto Spec」は240台限定

新型「フェアレディZ(プロトタイプ)

 新型「フェアレディZ(プロトタイプ)」は、初代「240Z」に敬意を表したシルエット、長いボンネット、低いリアスタンスなど、流麗で魅力的なエクステリアが特徴。インテリアでは、レースをイメージしたカスタマイズ可能な12.3インチTFTメーターディスプレイ、本革張りのスポーツシート(オプション)、8スピーカーのBoseRオーディオシステムなど、ドライバーを中心としたコックピットを実現している。

 全モデルに400psのV型6気筒3.0リッターツインターボエンジンが搭載され、トランスミッションはモータースポーツにインスパイアされたエクセディの高性能クラッチを備えた6速MT、またはアルミ製パドルシフトを備えた9速ATが設定される。

 アメリカでは「スポーツ」と「パフォーマンス」の2つのグレードを用意し、2022年春の発売を予定。今回のSEMAショーでは、米国市場向けに240台のみ限定販売される特別仕様車「Z Proto Spec」が展示されるという。