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ホンダ、インドで電動三輪タクシー向けバッテリシェアサービス事業を2022年前半開始
2021年10月29日 16:05
- 2021年10月29日 発表
本田技研工業は10月29日、インドの電動三輪タクシー「リキシャ」向けに、新型の着脱式可搬バッテリ「モバイルパワーパック e:」を用いた、バッテリシェアリングサービス事業を2022年前半に開始すると発表した。
リキシャ向けバッテリシェアリングサービスは、街中に設置された最寄りのバッテリ交換ステーションで、電池残量の少なくなった「モバイルパワーパックe:」を満充電のものと交換できるサービス。このサービスを利用することで、リキシャのドライバーは電池切れの心配や、充電待ちで利用客を失うリスクを大幅に軽減できるとしている。
同サービス開始にあたり、ホンダはインドにバッテリシェアリングサービス事業を目的とした現地法人を設立して、街中にバッテリ交換ステーション「Honda Mobile Power Pack Exchanger e:(モバイルパワーパックエクスチェンジャーイー)」を設置し、モバイルパワーパックe:の貸し出しを行なう。
今後、リキシャ製造メーカーと協力して、まずは限定した都市で運用開始し、順次、地域を拡大していくとしている。
実証実験で30台のリキシャで20万km以上の営業走行を実施
インドでは経済発展に伴い、エネルギー需要が拡大すると同時に大気汚染が深刻化しており、国を挙げて再生可能エネルギーの活用拡大を進めるとともに、温室効果ガス排出の約2割を占める輸送部門の電動化を積極的に推進している。中でも、800万台以上保有され、人々の日常の移動手段として欠かせない乗り物であるリキシャは、都市部では主にCNG(圧縮天然ガス)を燃料としており、電動化への重要な課題となっているという。
現在の電動モビリティには「短い航続距離、長い充電時間、高いバッテリコスト」という3つの課題があり、ホンダではバッテリを交換式とし、シェアリングすることでそれらの課題を解消させた。
2022年前半に開始する「モバイルパワーパックe:」を用いたリキシャ向けのバッテリシェアリングサービス事業では、事業化検討にあたって、2021年2月からインドで実証実験を行ない、30台のリキシャで20万km以上の営業走行を実施して、課題の洗い出しや事業性の検証などを行なってきたという。
本田技研工業 ライフクリエーション事業本部長の加藤稔氏は「モバイルパワーパックには、小型モビリティを含むさまざまな機器の電動化と、再生可能エネルギーの活用拡大を実現する大きなポテンシャルがあります。インドでのバッテリシェアリングサービス提供により、リキシャの電動化加速と、再生可能エネルギー活用拡大に貢献していきます。そして、今後はさらにさまざまな領域にモバイルパワーパックの活用を拡大し、生活の可能性が拡がる喜びを提供していきます」とコメントしている。