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出光興産、「全固体リチウムイオン電池」用固体電解質の実証設備を稼働

2021年11月5日 発表

商業生産に向けた実証設備の建屋外観

固体電解質の量産プロセス実証を進め早期事業化を目指す出光興産

 出光興産は11月5日、「全固体リチウムイオン電池」用の固体電解質の商業生産に向けた実証設備を、主力事業所の1つである千葉事業所内への建設が完了し、稼働開始したことを発表した。

 全固体リチウムイオン電池は、リチウムイオン電池の一種で、正極と負極間のイオン伝導を固体の電解質が担う特徴を持つことから次世代電池として開発が進められている。また、EV(電気自動車)向けなどに早期の実用化が求められており、そのキーマテリアルである固体電解質に対するニーズが近年益々高まっていて、この装置を用いることで固体電解質の量産プロセス実証を進め、早期事業化を目指すという。

 出光興産は、石油化学事業で培った高純度の硫化リチウム製造法を確立していて、さらに硫化リチウムを原料とする硫化物系固体電解質についても数多くの特許を保有。これまで蓄積してきた技術を実用化させ、原料からの一貫生産と安定供給体制の構築を目指し、固体電解質の商業生産に向けた実証設備を建設、稼働を開始している。