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出光興産、カーボンクレジットを活用したグループ初のカーボンニュートラル海上輸送を実施

2021年11月12日 発表

出光グループ初のカーボンニュートラル海上輸送を実施したVLCC「日章丸」

大型タンカーの排出するC02をクレジットで相殺

 出光興産は11月12日、原油の海上輸送中の燃料消費に伴うCO2排出量削減を目的に、グループ初の試みとしてカーボンクレジットを活用した日本中東間の原油海上輸送を行なったことを発表した。

 この原油海上輸送は、低炭素化・脱炭素化に取り組むクライアントニーズに応えるための先行事例として行なわれたもので、出光興産100%出資の子会社である出光タンカー所有の大型原油タンカー(VLCC)「日章丸」(載貨重量:30万544MT)の日本中東間往復の海上輸送にカーボンクレジットの環境価値を活用することで、理論上同区間航海1回分に相当する約1万tのCO2排出量の相殺(オフセット)を実現した。

 カーボンクレジットとは、温室効果ガス排出削減または吸収するプロジェクトを通じて生成される排出削減・吸収量を価値化したもので、今回活用したカーボンクレジットは、VCM(Voluntary Carbon Markets)にて、信頼性の高い第三者検証機関が世界各地のプロジェクトのCO2排出削減効果を認証したもの。出光興産のシンガポールのトレーディング拠点である出光アジアが、このクレジットを市場で独自に購入したとしている。

 出光興産と出光タンカーは、今後もカーボンクレジットを活用したオフセットを含め、さまざまな手法を用いてカーボンニュートラルに貢献できる海上輸送サービスを行なっていくという。また、出光グループは、カーボンクレジットの有効性を精査したうえで、カーボンニュートラル関連の取り組みをもとにしたクレジット創出や、国内外で販売する各種製品とカーボンクレジットを組み合わせ、クライアントや社会の環境負荷低減のニーズに応える新たな商品展開・販売を検討していくとしている。