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ロールス・ロイス、新型「ブラック・バッジ・ゴースト」国内発表 ダークな美学を主張する大胆なキャラクター
2021年11月17日 19:18
- 2021年11月17日 発表
- 4349万円~
黒で覆うことでゴーストの破壊的な側面が引き出された1台
ロールス・ロイス・モーター・カーズは11月17日、イギリスで10月に世界初公開したポスト・オピュレンス(脱贅沢)をダークに表現した新型「ブラック・バッジ・ゴースト」を日本で発表するとともに、正式受注を開始した。価格は4349万円から。また、ビスポークオーディオやリアエンターテイメントシステムなどを含む特別ローンチパッケージ付きモデルは4851万6000円からとなっている。納車は2022年の第1四半期から開始される予定。
ロールス・ロイスは、「リスクを冒し、古い因習に挑んで成功を収めた反骨の精神を持つディスラプター(破壊者)」を常に魅了してきた歴史があり、ディスラプターの持つ新たな基準「ダークな美学」「主張するキャラクター」「大胆なデザイン」に応えるべく、2016年に常設型ビスポークモデルとして「ブラック・バッジ」シリーズを設定。シリーズは「レイス」「ゴースト」から始まり、2017年には「ドーン」、さらに2019年には「カリナン」を発表してきた。
ブラック・バッジ・ゴーストの日本国内発表にあたり、ロールス・ロイス・モーター・カーズ アジア太平洋の新リージョナル・ディレクターに就任したアイリーン・ニッケイン氏はビデオメッセージを寄せ、「よりダークな美しさ、より緊張感のある個性、そしてよりドラマチックな素材の取り扱いを特徴としているブラック・バッジは、ロールス・ロイスの分身として大きな成功を収めており、特に日本では大変人気を博してきました。新型ブラック・バッジ・ゴーストは、ポスト・オピュレンス(脱贅沢)の極限状態のミニマリズムを表現する最高にピュアなブラック・バッジ・モデルとなり、眩いばかりにきらめく日本の大都市圏の夜を走るナイトドライブに映えること間違いなしです」とコメントしている。
ゴーストのポスト・オピュレンス(脱贅沢)のダークサイドを表現
2020年に誕生した新型ゴーストは、「俊敏で控えめ、接続性が高く余分なデザインのないロールス・ロイスが欲しい」というユーザーの要望に応えて開発された、技術的にも審美的にも最もピュアなモデルで、デザイナーに「ポスト・オピュレンス(脱贅沢)」と名付けられた1台。その美しさの追求は、リダクション(削減・縮小)とサブスタンス(実質)を特徴としていて、優れた素材を厳選して使用し、控えめながらも知性を感じさせるデザインが採用されている。ブラック・バッジ・ゴーストは、ゴーストを純粋なブラックで永遠に覆い隠すことで、ゴーストの破壊的な側面を引き出そうと考えたユーザーの要望を反映したクルマだという。
エクステリアは4万4000色のカラーパターンから自由に選ぶことができるほか、自分だけのオリジナル色を作ることも可能。その中でも、ブラックは最もダークなブラックを作るために45kgの塗料を霧状にしてホワイトボディに電着塗装させた後、オーブン内で乾燥させてから2層のクリアコートを施し、最後に4人の職人たちの手作業で磨き上げられるという。この複雑な工程により、ゴーストの特徴であるハイグロス・ピアノフィニッシュが実現するという。
ブラック・バッジシリーズは、スピリット・オブ・エクスタシーやパンテオングリルなどもブラックに仕上げていることが特徴で、これらのパーツは単に塗装を重ねるのではなく、もともとのクロームメッキ工程に特殊なクローム電解液を導入し、ステンレス・スチール製の下地に共析させてダークに仕上げられている。
装着する21インチのコンポジット・ホイールは、ブラック・バッジ・ゴースト専用デザイン。バレル部分に22層のカーボンファイバーを3方向に交差させたものを使用し、リムの外周で折り返すことにより合計44層のカーボンファイバーとすることで強度をアップ。3D鍛造アルミニウム製ハブは、航空宇宙産業で使用するグレードのチタン製ファスナーでリムに固定され、ダブルRのロゴが常に直立するフローティング・ハブ・キャップを装備している。
強いコントラストを与えることで鮮やかさを演出
先進の高級素材で丹念に作り込まれたインテリアは、決してあからさまな主張ではなく、本物であることと素材の本質によって定義され、ブラック・バッジ・ゴーストのポスト・オピュレンスというデザイン哲学に忠実なデザインを採用。職人たちの手によって生み出されたカーボンファイバーとメタリックファイバーを使った深みのあるダイヤモンドパターンの複雑で繊細な生地や、エクステリアと同様「ブラック&ネオン」という美学にインスパイアされたレザーシートは、トゥルケーゼ(水色のような色)がブラックに強いコントラストを与え、ブラック・バッジの鮮やかさを特徴づけている。
内装パーツのベース部分には複数のウッドレイヤーを圧着させ、ベース層の最上部にはブラックのボリバルベニヤを使用。その後、レジンコーティングされたカーボンファイバーと、メタルコーティングされた糸をダイヤモンドパターンで織り込んだテクニカルファイバー層を手作業で貼り付けて立体感を演出。この極めて特殊なベニヤを固定するために、各部品を100℃の温度下で1時間圧着して硬化させているという。その後、サンドブラストを使用して、6層のラッカーの鍵となる面に手作業でサンディングとポリッシュを行なったのち、車両に組み込みこむという。
また、デザインチームはノワール(黒)な雰囲気をさらに高めるために金属光沢のある部品を減らし、ダッシュボードや後部座席のエアコン吹き出し口は、経年劣化や反復使用によって部品が変色したり変質したりしない、数少ない金属着色法の1つ「物理蒸着法(PVD)」を使用して暗色化している。
さらに、ダッシュボードの時計の脇にはゴーストと同様に、850個を超える星が輝く「イルミネーテッド・フェイシア」を採用。表面に9万個を超えるドットをレーザー・エッチング加工したことで、フェイシアに沿って視線を動かしたときに光がきらめいて見えるという。
2.5t超のボディを軽々と動かすパワートレーン
パワートレーンは、V型12気筒 6.75リッターツインターボエンジンに、ZF製8速ATが組み合わせられる。標準のゴーストよりも最高出力は29PSアップした600PS。トルクも50Nmアップさせて900Nmとすることで、途切れることのないシングルギヤのような走行感覚を実現したという。また、トランスミッションとスロットル特性にも手を加え、エンジンの増大されたパワーをさらに活かすように調整。最高速はリミッター付きのため250km/h。0-100km/h加速は4.7秒を誇る。
ロールス・ロイス独自の「アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー」と呼ぶオールアルミ製スペースフレーム構造を採用し、極めて高いボディ剛性を実現しただけでなく「プラナー・サスペンション・システム」の搭載も可能にしている。また、8速ATとフロントおよびリア共に操舵システムを備えたアクスルが協調して動作することで、スロットル操作やステアリング操作に応じたドライバーへのフィードバックのレベルを自動で調整。より容量の大きなエアサスペンションを組み合わせることで、激しいコーナリングの際にもボディのロールを抑えることに成功したという。