日野自動車、羽村工場の敷地内に東京都西多摩エリア初の水素ステーションを建設

イワタニ水素ステーション 東京羽村が2022年春に営業開始予定

　羽村市と日野自動車は12月1日、日野自動車羽村工場敷地内に東京都西多摩エリア初の水素ステーションを建設すると発表した。また当該施設は「イワタニ水素ステーション 東京羽村」として岩谷産業が建設し、2022年春の営業開始を予定している。

　羽村市はすでに水素ステーションが整備済みである関東近郊の山梨県甲府市、群馬県高崎市、長野県長野市などと東京23区を結ぶ中継地点に位置しており、日野自動車羽村工場に水素ステーションを設置することで水素供給網の整備への貢献を目指す。

　また、地域住民をはじめとするユーザーの利便性が向上するとともに、日野自動車の開発中車両も含め多くの燃料電池車（FCEV）への充填が見込めることから、水素需要の拡大にも寄与するとしている。

　羽村市では、これまでにも地球温暖化対策における主要施策として、太陽光発電によるCO2排出ゼロのスマート交通システム「AZEMS（エイゼムス：All Zero Emission Mobile System）」プロジェクトを推進し、日野自動車との連携によるコミュニティバス「はむらん」の電動化に取り組むなど、地域の脱炭素化に努めている。

　今般、羽村市内に新たに水素ステーションが建設されることに伴い、さらなる脱炭素化に向けた取組みを進めるため、今夏の東京オリンピック・パラリンピックで利用されたFCEVの購入について、羽村市議会12月定例会に補正予算の計上を予定。2050年のカーボンニュートラルに向け、次世代エネルギーである水素の活用も視野に入れ、積極的な地球温暖化対策に取り組んでいくとしている。

　日野自動車は、「日野環境チャレンジ2050」（2017年発表）で環境負荷ゼロへのチャレンジを掲げており、2021年4月には中間目標となる「日野環境マイルストーン2030」を設定し、カーボンニュートラル実現への取り組みを加速させている。また、水素社会構築の加速に向けた課題のひとつである水素の需要拡大に対しては、商用車へのFCEVの導入が期待されていて、FCEVの技術開発を推進するとともに、普及に向けた環境整備にも積極的に取り組んでいくとしている。