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ホンダは社員有志の自己啓発活動を格上げしてスーパー耐久フル参戦 富士24時間には桂伸一さんや藤島知子さんも参加

「シビック タイプR」でST-2クラスに参戦する「HONDA R&D Challenge」

 鈴鹿サーキットで3月19日~20日の2日間にわたって行なわれるスーパー耐久第1戦では、マツダ、スバル、トヨタ自動車がST-Qクラスで繰り広げるカーボンニュートラル対決が話題だが、同時に通常の耐久レースも行なわれている。

 ホンダは社員有志のチーム「HONDA R&D Challenge」が「シビック タイプR」でST-2クラスに参戦。社員有志といってもシビック タイプRの開発者である柿沼秀樹氏や先進PU研究担当 兼 開発ドライバー育成担当である石垣博基選氏、広報部 木立純一氏などが参加。ジェントルマンドライバーである山本謙悟氏の4人で鈴鹿の第1戦にエントリーしている。

 2月23日に行なわれた公式テストでは、富士24時間に同チームから出場するモータージャーナリストの桂伸一さんや、藤島知子さんも参加。積極的に周回を重ねていた。

富士公式テストでの風景

 2021年シーズンは社会人野球部と同様にクラブ活動という位置づけ、自己啓発活動として活等してきた「HONDA R&D Challenge」だが、シビック タイプRの開発者である柿沼氏によると、「会社も僕らのことを気にしてくれるようになった」とのこと。ル・マン以来のワークス活動復帰となるマツダ、WRC以来のワークス活動復帰となるスバルなど、各社がワークス体制でスーパー耐久に参戦する流れの中、自己啓発活動よりも少しだけ昇格したようだ。

 とはいえ、基本はクラブ活動レベルのようで、スーパー耐久ST-2クラスの参戦を通じて、車両の課題の洗い出しや、スポーツとしてのレース活動に取り組んでいく。

シビック タイプRの開発者である柿沼秀樹氏(左)と話をする桂伸一選手(右)

 ST-2クラスでは、トヨタ「GRヤリス」が直接のライバルとなるが、そのライバルにはシーズンを通じて開発を行なうことで上回っていきたいとのこと。とくに昨年の24時間レースにおいては、「24時間の魔物を引き寄せてしまった。なんで、よりによってこのタイミングなのかと」(柿沼氏)と語るほどトラブルがたくさん出てしまった。その学びを通じて、今年の24時間レースでは魔物を退治したいという。

藤島知子選手
チーム代表の木立純一氏

 桂選手は富士の公式テストで「やっとタイプRの走りができたところ」と語り、自分の参加する24時間レースに向けて手応えをつかんでいた様子。藤島選手は「今回久しぶりに耐久用の(ブレーキ)パッドを付けて走った」といい、その際の不具合の確認などをすぐに言い当てるホンダスタッフの能力の高さに驚いたとのこと。藤島選手は小柄なため、ほかの選手との身長の違いがあり、視界の確認などをしながらコースを回っていたとのことだった。

 ホンダの戦いの場はST-2クラスとなるが、シーズンを通じての性能アップが目標になる。2022年シーズンには量販車として新型シビック タイプRも発売される予定で、なんらかのノウハウも注入されていくのかもしれない。

SUZUKA 5時間耐久レース|鈴鹿サーキット

https://www.suzukacircuit.jp/s-taikyu_s/ticket/

《S耐TV》 2022年3月20日(日) ENEOS スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook 第1戦 SUZUKA 5時間耐久レース 決勝