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レイズ、電動化モデルの静粛性や乗り心地のニーズに鍛造製法で応えたホイール「VMF C-01」
2022年7月11日 17:43
クルマの電動化によって生まれた新たなニーズに対応
レイズ(RAYS)のホイールといえば、スポーツ系なら「ボルクレーシング(VOLK RACING)」や「グラムライツ(gram LIGHTS)」、ドレスアップ系なら「ベルサス(VERSUS)」といったブランドを思い浮かべる人が多いだろう。
しかしレイズは4年前、自動車の電動化によって高まる静粛性や乗り心地へのニーズに対応するホイールの開発を行ない、新たなブランド「ブイエムエフ(VMF)」を立ち上げている。英語3文字だとピンとこないかもしれないが、これは「VERSUS MODE FORGED」の頭文字。つまり、レイズのドレスアップ系ブランドの王道であるベルサスのFORGED(鍛造)仕様で、ドレスアップ系ホイールのフラグシップモデルでもある。そのため、センターキャップのロゴも「RAYS」ではなく「VMF」を前面に押し出し、そのブランド力の強さを際立たせている。
今年の6月に行なわれたル・マン24時間耐久レースで、レイズのホイールを装着したトヨタのハイパーカー「GR010 HYBRID」が総合優勝して5連覇を成し遂げたのも記憶に新しいが、この5連覇したマシンは、すべてレイズのホイールを装着している。つまり、こうしたモータースポーツのさまざまなジャンルで鍛え上げてきた鍛造技術と、長年ベルサスブランドで磨き上げてきたドレスアップデザインを融合させたのが「VMF」だ。
そのため同じ鍛造ホイールでも、ボルクレーシングのように「軽さ」や「強さ」ではなく、「美しさ」「静粛性」「機能美」を重視したプレミアムホイールとして、しっかりと愛車に個性を与えるデザインを採用しつつ、高品質な乗り心地を両立させたという。
通常2.0~2.5mmのリム厚を4.0mmにすることで静粛性を向上
そんな新ブランドVMFの最初の製品が「C-01」で、スポーツ系ホイールと具体的な違いとしては、まずリムの厚み。ボルクレーシングの製品は約2.0~2.5mmのところ、VMF C-01は4.0mmとしていて、この厚みをもたせたことによって路面からのノイズ反響を低減させている。厚みは断面を見ないと分からないが、軽く叩いてみるとリムが薄いと「カンッ」と高い音が鳴るけれど、厚みのあるVMF C-10のリムは「コンッ」とやや低い音が鳴る。この違いが車室内の静粛性に寄与するという。また、車両のハブとつながるセンター部分にも厚みをもたせ、当然重量は増えることになるが、それにより安定感が増し、乗り心地のよさにつながるという。
もちろん、デザインもこだわり抜いていて、レイズ独自のデザイン金型鍛造工法を用いて全体に躍動感のある「うねり」や「ねじれ」を表現すると同時に、リムエッジまでしっかり伸ばしたスポークと手前でつながるスポークを交互に配置することで、より深い奥行き感を演出させている。
また、昨年11月には新色「シャイニングブラックメタル/ダイヤモンドカット」を追加すると同時に19インチもラインアップし、適合車種を拡大。国産輸入車問わず、EVやPHEVといった電動化モデルから、セダン、SUVにまで適合させている。ちなみにサイズは19インチが8J~10.5Jで、価格は10万7800円~12万5400円/本、20インチが8.5~9.5Jで、価格は12万1000円~13万4200円/本。
さすがドレスアップホイールのフラグシップモデルだけあって、新色といってもただの色違いモデルではなく、同じデザインながらリムエッジまで伸びるスポーク天面はダイヤモンドカット処理を施す。また、塗装部分もベースにブラックを塗り、その上から粒子の細かいシルバーを噴き付ける複雑な工程を実践。光の当たる場所はガンメタっぽいシルバーに見えるが、光の当たらない場所はブラックに見えるという斬新な仕上がりになっている。