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アルピーヌ、スパルタンな新バージョン「A110 R」公開 11月下旬に受注開始

2022年10月4日 発表

新型「アルピーヌ A110 R」を公開

 アルピーヌ・ジャポンは10月4日、2ドアミッドシップスポーツ「アルピーヌ A110」を軽量化し、専用シャシーにより走りの性能を向上させた「アルピーヌ A110 R」の受注を11月下旬に開始すると発表した。A110、A110 GT、A110 Sと同様、カタログモデルとして販売するとしており、価格は後日発表される。

 今回のA110 Rは、F1を始めとするモータースポーツで培ったノウハウを、これまでのアルピーヌ モデルラインアップの中でも最も多く取り入れて開発したといい、クローズドコースでその刺激的な走りが味わえる一方、一般道でもドライビングプレジャーを得られるよう設計。

 軽量化による運動性能の向上に徹底的にこだわり、車両重量はA110 GTの1130kg、A110 Sの1120kg、A110の1110kgよりも低い1082kgを実現。また、空気抵抗を減らしつつ、より強力なダウンフォースを生み出すようにエアロダイナミクスが強化され、A110シリーズでは初の試みとなるボンネットやリアウィンドウ、ディフューザーなどのパーツのデザインを見直したという。

A110 Rの車両重量は1082kg

 シャシーでは最低地上高が低められ、車高調整機能、減衰力調整機能付ダンパーを搭載。アンチロールバーの剛性はA110 Sよりもフロントで10%、リアで25%強化され、サスペンションスプリングの剛性も同じく10%以上強化。タイヤはフロント215/40R18、リア245/40R18サイズのミシュラン「パイロットスポーツカップ 2」が装着される。加えてブレンボ製高性能ブレーキシステムが装備され、フロント、リアともに複合素材の320mmブレーキディスクを採用。また、クローズドコースで高いパフォーマンスを発揮するため、アッパーアーム両側に取り付けられたスクープと、車体下部のフェアリングに取り付けられたダクトからなるブレーキ冷却システムを搭載する。

 パワートレーンは4気筒1.8リッターターボエンジンと7速DCTをボディ中央に搭載し、最高出力300PS/6300rpm、最大トルク340Nm/2400-6000rpmを発生。パワーウェイトレシオは3.6kg/PSで、ローンチコントロール使用時の0-100km/h加速は3.9秒、0-1000m加速は21.9秒を実現する。

 エアロダイナミクスでは、新たに設計されたスワンネックマウントのリアスポイラー、フラットアンダーフロア、ディフューザー、フルカーボンホイールによってコーナーや高速走行時の安定性を高めるとともに、A110 Sのエアロキットよりもさらにダウンフォースが強化され、トップスピードの向上、高速コーナーでより優れた安定性を実現。空気抵抗を5%削減したことで、トップスピードはA110シリーズで最高の285km/hに到達した。

スワンネックマウントのリアスポイラーが目を引くリアスタイル

 リアスポイラーについてはスワンネックマウントで固定され、よりスポーティな見た目とより優れたエアロダイナミクスを実現。A110 Sのスポイラーと同じ形となるが、A110 R のスポイラーにはいくつかの違いがあるとしており、後方へ大きく突き出し、傾斜角がより小さく、より小さいアプローチアングルを持つ形状は、クルマのパフォーマンスを引き出す鍵となるダウンフォースと空気抵抗の最適化に必要不可欠という。今回のスワンネックはそのスポイラーのパフォーマンスを向上させる働きがあると同時に、下面のエアリフトも減らす。

A110シリーズでは初の試みとなるボンネットやリアウィンドウ、ディフューザーなどのパーツのデザインを見直した

 インテリアは全てマイクロファイバー生地で覆われ、モータースポーツへのオマージュとしてレースカーらしく内部のドアハンドルは赤いストラップを採用。ハンドルもマイクロファイバーで覆われ、グレーのステッチが施された。

 また、モータースポーツの世界を強く感じさせるサベルト製のシングルシェルシートはカーボンファイバー製で、マイクロファイバーの生地に覆われ、こちらもグレーのステッチが施される。シートには「シートベルト着用警告サイン」も設置されており、運転席は上下左右にポジション調整が可能だが、助手席は固定される。ヘッドレストに刺繍された「A」の文字は、アルピーヌのユニークなブランド アイデンティティを象徴しているという。

A110 Rのインテリア