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トヨタ・モビリティ基金、誰もがモータースポーツ観戦を楽しめるアイデアの実証実験 鈴鹿サーキットで8チームが実施

2022年11月21日 発表

 トヨタ・モビリティ基金(Toyota Mobility Foundation)は11月21日、障がいの有無などにかかわらず、誰もがモータースポーツ観戦を楽しむことができるアイデアの実証実験を、11月27日に鈴鹿サーキットで開催されるスーパー耐久レース最終戦において行なうと発表した。

 同基金では「もっといいモビリティ社会」の実現に向け、2022年6月より、さまざまな想いやノウハウを持った人々とともに、アイデアやソリューションの社会実装を目指すコンテスト「Make a Move PROJECT」を実施。その中の「Mobility for ALL ~移動の可能性を全ての人に」部門では、モータースポーツに焦点を当て、障がいの有無などにかかわらず、誰もがモータースポーツ観戦を楽しむことができるアイデアの公募を行ない、10月には一次選考通過の17チームが、岡山でのスーパー耐久レース会場などでアイデアの社会実装に向けた実証実験を行なった。

 今回、より多くのユースケースやユーザーからの意見を収集するため、11月27日に開催されるスーパー耐久レース最終戦の鈴鹿サーキットのイベント広場/スタンド席において、下記8チームによる実証実験が行なわれる。

・株式会社ePARA:実況中継に対しAIを活用したリアルタイムでの字幕提供の実証

・エヴィクサー株式会社:音響通信技術を活用した、光と同期して音が見える「光るTシャツ」を用いた新たな観戦体験の実証

・合同会社AUTOCARE:メタバースを活用し、会場に潜むハンディを訪問前に探し出すことができるデバイスの使用感の実証とニーズ調査

・株式会社コンピュータサイエンス研究所:視覚障がいの方の歩行支援アプリ「Eye Navi」を用い、最寄り駅からサーキットまで、および、サーキット内での客席周辺の道案内の実証

・株式会社電通:走行データと中継映像からレースの実況音声をAIでリアルタイム生成し、視覚障がいのある方がレースを耳で楽しむ音声観戦体験の実証

・株式会社日本数理研究所:人工自我により感情を持ったレーシングカーと人とがコミュニケーションする、新たな観戦体験の実証

・ピクシーダストテクノロジーズ株式会社:聴覚障がいの方などに、エンジン音を振動と光に変換して届けるデバイスを用いた新たな観戦体験の実証

・LOOVIC株式会社:視空間認知障がいの方が、五感を用いて移動が可能となるデバイス「LOOVIC」を使った、サーキット内での道案内の実証

 同基金が開催するコンテスト「Mobility for ALL ~移動の可能性を全ての人に」部門では、2022年6月の公募開始に際し、サーキット場内、および、サーキット場までの移動課題を解決するアイデアや、障がいの有無などにかかわらず誰もがモータースポーツを楽しむことができるアイデアの創出のきっかけとなるよう、視覚、聴覚、身体に障がいのある方のサーキット会場での感想などをまとめた動画を公開。

Mobility for ALL トライアルジャーニー『ショートムービー』編

 同部門には、国内外からの100件を超える応募より、当事者視点や、提案革新性などの観点から、外部有識者などの意見も踏まえて17チームを採択し、10月の岡山国際サーキットなどにおける実証実験に向けた活動支援金(1チームあたり最大1500万円)を授与。実験では、100人を超える実験参加者よりフィードバックを得ており、今後、最終選考会を経て、11月末に次フェーズに進む採択チーム(1チームあたり最大2000万円の活動資金を授与)を発表予定としている。