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23回目の「ニスモフェスティバル 2022」 往年のレース車両がコース走行

2022年12月4日 開催

23回目となるニスモフェスティバルが開催された

 日産自動車と日産モータースポーツ&カスタマイズは12月4日、富士スピードウェイにおいてファン感謝イベント「NISMO Festival at Fuji Speedway 2022」(ニスモフェスティバル)を開催した。

 同イベントはモータースポーツ活動の1年を締めくくる年末恒例のものとなっており、今回はコロナ渦の影響もあって3年ぶりで、また同社にとっては1つの節目となる23(ニッサン)回目を迎えた。当日は師走とはいえ時おり日が差す穏やかな天候となり、会場には3万人のファンが詰めかけた。

当日は早朝から3万人ものファンが詰めかけスタンド、パドックエリアも大盛況となった

多くのレース車両がコースを走行するコンテンツが目白押し

 同イベントの花といえるのが、さまざまなレギュレーションで走行したレジェンドマシンたちによるサーキットでの共演だ。

 ユーザー車両による「NISMO CARS PARADE RUN」にはじまり、ヒストリックカーや「Z」によるエキシビジョンレース、今年レースを走ったマシンによる「NISMO GP 2022」といった定番コンテンツに加え、SUPER GTにフェアレディZがカムバックしたことを記念した「NISSAN MORTORSPORTS HERITAGE RUN ~Z is back the race~」、今年逝去されたレジェンドドライバー高橋国光氏を偲んだ「高橋国光メモリアルラン」が行なわれた。

ウォームアップ走行

 レーシングカーは11時から行なわれたウォームアップ走行で登場。この後のプログラムで走行するためのチェックを兼ねたものとなるが、この時間にしか走行しないレアなマシンも登場した。

MOTUL AUTECH Z(2006年SUPER GT)
NISSAN LEAF NISMO RC(2021年)。EVならではのモーター音を響かせていた
日産の社内クラブ「日産名車再生クラブ」が2021年度に手がけた「R32スカイラインGT-R N1耐久仕様車」も登場
1998年の全日本GT選手権GT300クラスを戦ったDAISHIN S14 SILVIAはこの時間だけの走行。DAISHIN GT3 GTR(2022スーパー耐久 ST-X)とのタンデム走行も見られた
ル・マン24時間レースなどの参戦車両として誕生したNP35。自然吸気V型12気筒ならではの甲高いエキゾーストを響かせていた
1970年代のモータースポーツシーンを彷彿とさせるSKYLINE 2000 GT-R RACING CONCEPT(1972年)とFAIRLADY 240ZG(1973年)の共演

NISSAN MORTORSPORTS HERITAGE RUN ~Z is back the race~

 2022年からSUPER GTのGT500クラスに「Z」が復活したのを受け、歴代のZレースカー9台で振り返るプログラム。走行車両は2022年のGT500クラス車両4台、XANAVI NISMO Z(2004年JGTC)、MOTUL AUTECH Z(2006年SUPER GT)、TOMICA Z(2010年SUPER GT)、Nissan Z GT4 Concept(2022年)。FAIRLADY 240ZG(1973年)も走行予定だったが、車両トラブルで途中で離脱してしまった。

歴代のZレースカーが勢ぞろいした
MOTUL AUTECH Z(2022年)
CRAFTSPORTS MOTUL Z(2022年)
Realize corporation ADVAN Z(2022年)
XANAVI NISMO Z(2004年JGTC)
TOMICA Z(2010年SUPER GT)
Nissan Z GT4 Concept(2022年)

高橋国光メモリアルラン

 NISMO名誉顧問の長谷見昌弘氏がSKYLINE 2000 GT-R RACING CONCEPT(1972年)を、ゲストドライバーとして参加した土屋圭市氏がSTP TAISAN GT-R(1993年JTC)を駆ってコースを周回した。

長谷見昌弘氏と土屋圭市氏
SKYLINE 2000 GT-R RACING CONCEPTとSTP TAISAN GT-R

NISMO GP 2022

 2022年のモータースポーツシーンで活躍したレースカーによる今年最後のバトル。クラスやレギュレーションが異なるマシンが同時に走行するシーンは迫力満点。

レーススタート。やはりGT500クラス車両は速く、1コーナーまでにほかのクラスの車両を引き離した
CALSONIC IMPUL Zが引き離す展開
GT300クラスのマシンがそれに続く
スーパー耐久ST-3クラスの車両は混戦
スーパー耐久ST-Xクラスに参戦していたNissan Z Racing Conceptも走行

パドックイベントエリア

 ピットのあるピットビルディングと広いスペースがあるパドックを中心とするエリア。ピットビルは1階のガレージに多くのマシンを展示するほか、3階にはレースカーのタイヤ交換作業や運転席を体験できるコーナーも。一方のパドックには多くのショップによるテントが並び、レースカーやパーツの展示、グッズの販売などが行なわれており、1日中多くのファンでにぎわっていた。

車両展示

 当日サーキットを走行するマシンに加え、1970年代のレースで活躍したヒストリックカーなど数多くのマシンが展示された。今回はテレビドラマ「西部警察」で活躍した「スーパーZ」が登場したほか、往年のラリーで活躍した車両も。

ピットにずらりと並ぶレースカー
DATSAN 240Z(1971年East Africa Safari Rally)
スーパーZことFAIRLADY Z S130
FAIRLADY Z 300ZX Z31(全日本ラリー選手権優勝車)
FAIRLADY Z 300ZX Z32(1989年富士スピードウェイ Safety Car)
NISMO FAIRLADY Z s-tune GT Z33(袖ケ浦フォレストレースウェイ Safety Car)
NICHIRA IMPUL SILVIA TURBO(1983年Super Silhouette)
Coca Cola BLUEBIRD TURBO(1984年Super Silhouette)
TOMICA SKYLINE TURBO(1982年Super Silhouette)
SKYLINE 2000GT-R(1969年Japan GP)
raffinee NISSAN MECHNIC CHALLENGE Z(2022年SUPER TAIKYU ST-3)
OKABE JIDOSHA Z34 www.sato-ss.jp(2022年SUPER TAIKYU ST-3)
Team Fukushima Z34(2022年SUPER TAIKYU ST-3)
FAIRLADY 240ZG(1973年)
TOMICA Z(2010年SUPER GT)
XANAVI NISMO Z(2004年JGTC)(写真左)とMOTUL AUTECH Z(2006年SUPER GT)
IMSA GTO 300Z(1995年)
SILVIA 200SX(1998年Safari Rally)
XANAVI SILVIA(1998年JGTC)
CALSONIC IMPUL Z(2022年SUPER GT GT500)。今年のチャンピオンマシンだけに数々のトロフィーも飾られていた
Realize corporation ADVAN Z(2022年SUPER GT GT500)
CRAFTSPORTS MOTUL Z(2022年SUPER GT GT500)
MOTUL AUTECH Z(2022年SUPER GT GT500)
XANAVI SUNNY(1996年JTTC)
XANAVI CAMINO(1997年JTTC)
NISSAN Formula E(Gen2)(2021/2022年)
NISSAN LEAF NISMO RC(2021年)
DAISHIN ADVAN SILVIA(2001年JGTC)(写真左)とNissan Z GT4 Concept(2022年)
NISSAN NP35(1992年JSPC)
NISSAN R91CP(1992年Daytona 24 Hours)
DAISHIN GT3 GTR(2022年SUPER TAIKYU ST-X)
HELM MOTORSPORTS GTR GT3(2022年SUPER TAIKYU ST-X)
navan GT-R(1990年N1耐久)
CALSONIC SKYLINE(1990年JTC)
PENNZOIL NISMO GT-R(1998年JGTC)
高橋国光氏を偲ぶメモリアルガレージにはレースカーとともにレーシングギアなどが展示された
STP TAISAN GT-R(1993年JTC)
SKYLINE 2000 GT-R RACING CONCEPT(1973年)
NISSAN R382(1969年Japanese GP)
NISSAN R390GT1(1997年)
HASEMI MOTORSPORT UNISIA JECS SKYLINE R32(1993年JTC)
SKYLINE HT 2000 GT-R(1971年)
ニスモフェスティバルの歴史を振り返るコーナーも
SHOKUMO Ks Frontier GT-R(2022年SUPER GT GT300)
GT300クラスチャンピオンとなったREALIZE NISSAN MECHNIC CHALLENGE GT-R(2022年SUPER GT GT300)
RUNUP RIVAUX GT-R(2022年SUPER GT GT300)
TANAX GAINER GT-R(2022年SUPER GT GT300)
GAINER TANAX GT-R(2022年SUPER GT GT300)
NISSAN GT-R GT1(2011年FIA GT1 World Championship)
MOTUL PITWORK GT-R(2003年JGTC)
XANAVI NISMO GT-R(2003年JGTC)
大森ファクトリーではNISMOのクラブマンレーススペックの車両やエンジンのほか純正復刻部品のNISMOヘリテージを紹介
こちらはR35 CLUBMAN RACE SPEC(MY13モデル)。NISMO製エクステリアパーツのほかS1エンジンメニューが施されている
BNR34 CLUBMAN RACE SPEC
BCNR33 CLUBMAN RACE SPEC
BNR32 CLUBMAN RACE SPEC
S2エンジン
S1エンジン
ホイールでおなじみのレイズはフェアレディZ対応の19インチサイズホイールをいち早くチラ見せ
VOLK RACING NE24
VOLK RACING G025
ミシュランブース
こちらもZにフィーチャー。GT500用タイヤのほか対応する4種類のタイヤを展示していた
ダンロップブースでは発売予定とされる新「SPORTS MAXX」を展示
フロント(左)とリア(右)でパターンが異なる
田宮模型のブースではフェアレディZ(1/24モデル)を一般よりひと足早く販売
TONEのブースではツール類を販売。ビットが交換できる便利なハイブリッド電動ドライバー「CND21S」がイチオシとか
アウトレットパーツを販売するショップも多く見られた
日産大学校ブースでは実際に使われている教材を展示
キッチンカーによるフードコートが出現

スタンドイベントエリア

 こちらは人によっては本命ともいえるエリア。というのも、毎年開場と同時多くのファンが詰めかける2つのコンテンツがあるため。その1つ目は「ガレージセール」で、実際にレースで使われたマシンのドアやカウル、ホイールといったパーツ類、そして実際に着用されたウェアなど多くのお宝が出品される。当然、これらは一点モノとなるため、欲しいアイテムがあるならできる限り前に並ぶしかないわけだ。もう1つは「NISMO COLLECTION&限定ミニカー」。ただ、限定ミニカーは長い列が形成されるのがアタリマエになっていたものの、オンライン注文が導入されたこともあって一時期ほどの長い列は見られなくなった。

 また、NISMOロードカーやAUTECHブランド車が一堂に展示されるコーナーもあり、こちらはデビュー直後のセレナに多くの観客が集まっていた。特にセレナ AUTECHは、この展示を含め全国でも3台しかないとのことで、購入を予定している層には実際にクルマを確かめるいい機会になったようだ。

プロパイロットパーキングの体験コーナー
AUTECHブランド車の展示
発表されたばかりの新型セレナに人気が集まっていた
NISMOロードカーも一同に
朝早くから人気を集めていたガレージセール
ボンネットやバンパーなど大型のパーツも
ドライバーのサインが入ったドアも早々に売約済みに
マグネシウムホイールがなんと2万円! ただ、センターロックなので一般のクルマには装着できないのが残念
会場限定のウェアも用意されていた
限定ミニカーはオンライン事前予約でほぼ完売状態
3連メーターを模した限定パッケージの「かきのたね」なんて変わりダネ(タネだけに……)も

フィナーレではチャンピオンチームを祝福

 イベントのトリとなるフィナーレではドライバーやチーム関係者がスタンド前に整列。今年、SUPER GT GT500クラスでチャンピオンとなった12号車カルソニック IMPUL Z(星野一義監督/平峰一貴選手/ベルトラン・バゲット選手)、同じくGT300クラスの56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(近藤真彦監督/藤波清斗選手/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手)、そしてスーパー耐久ST-Xクラスの62号車HELM MOTORSPORTS GTR GT3(鳥羽豊選手/平木湧也選手/平木玲次選手)、さらに来年「ABB FIA フォーミュラE選手権シーズン9」に日産フォーミュラEチームから参戦するサッシャ・フェネストラズ選手がNISSAN LEAF NISMO RCに乗り、コースを1周してその列に加わった。

 チャンピオンカーの監督および、ドライバーに花束が贈呈されるとともに、最後まで残っていたファンに感謝のメッセージを伝え、イベントは終了となった。

チャンピオンカーがコースを1周
スタンド前に選手や監督、関係者が勢ぞろいしてファンにあいさつを行なった
12号車カルソニック IMPUL Zの星野一義監督、平峰一貴選手、ベルトラン・バゲット選手
56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rの近藤真彦監督、藤波清斗選手、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手
62号車HELM MOTORSPORTS GTR GT3の鳥羽豊選手、平木湧也選手、平木玲次選手
サッシャ・フェネストラズ選手
スタンドには多くのファンが集まり声援を送っていた