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スーパーフォーミュラ第3戦鈴鹿、予選12位からスタートした宮田莉朋選手が大逆転で初優勝

スーパーフォーミュラを初優勝した宮田莉朋選手(37号車 VANTELIN TOM'S SF23)

 4月22日~23日の2日間にわたって鈴鹿2&4レースが開催された。鈴鹿2&4レースは、2輪のイベントと4輪のイベントを併催するもので、2輪はJSB1000が、4輪はスーパーフォーミュラ第3戦が開催された。

予選5位の牧野任祐選手(5号車 DOCOMO DANDELION M5S SF23)がエンジンストール。エクストラフォーメーションラップが行なわれた。これにより牧野選手はピットレーンからスタートとなり最後尾からスタートすることに。周回数も31周のレースから、30周のレースになった。

エンジンストール車が出たことによりレースは30周へと1周減る形で始まった

 また、このエクストラフォーメーションラップ中に予選7位の佐藤蓮選手(65号車 TCS NAKAJIMA RACING SF23)がクラッチ不調を伝えピットイン。予選5位と7位がいなくなった状態でレースがスタートした。

 1周目でジャンプアップに成功したのが予選8番手からスタートしたリアム・ローソン選手(15号車 Red Bull MOTUL MUGEN SF23)。2選手がいなくなった空間を活かして順位を4つ上げ、予選8位から4位に上げた。

 1周目こそ、上位3台の大湯都史樹選手(53号車 TGM GP SF23)、坪井翔選手(38号車 P.MU/CERUMO・INGING SF23)、野尻智紀選手(1号車 Red Bull MOTUL MUGEN SF23)とスタート時と順位は変わらなかったものの、リアム・ローソン選手が5周目には野尻選手を抜いて3位にと速さを見せる。

 10周目以降は義務づけられたピットインが可能となるため、坪井選手、野尻選手などは続々ピットイン。大湯選手はそのままトップを快走する。焦点は大湯選手がいつピットインして、坪井選手の前に出られるかとなるかとなる。

 そのタイミングは19周目に訪れた。タイヤを交換した坪井選手がタイヤを交換していない牧野選手に追いつきペースが落ちそうになる。このタイミングを狙って大湯選手はピットイン。タイヤ交換を6.0秒ですませてピットアウトしたものの、坪井選手にアンダーカットされてトップを譲ることになった。

 このため20周目に大湯選手は2位になり、さらにすぐ後ろからタイヤ交換を先にすませてペースのよい野尻選手が迫る。大湯選手はタイヤ交換直後のためペースが上がらず野尻選手が急速に接近。最速ラインの狭いS字コーナーで野尻選手のマシンのノーズが大湯選手のマシンに接触し、大湯選手、野尻選手ともにリタイアとなってしまった。

 この接触リタイアによりセーフティカーが導入され、トップの坪井選手はせっかく確保したリードがなくなってしまう。坪井選手、ローソン選手、宮田莉朋選手(37号車 VANTELIN TOM'S SF23)、平川亮選手(20号車 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)の順で23周目終わりにセーフティカーがピットイン。残り7周のスプリントレースが始まった。

 ここでペースがよかったのが宮田選手。宮田選手は26周にローソン選手を交わし2位に、29周目の1コーナーで坪井選手を交わしてトップに立った。坪井選手は宮田選手を抜き返せず、宮田選手がスーパーフォーミュラ初優勝を飾った。

 セーフティカーのタイミングにうまくタイヤ交換のためのピットインをできたことなどもあるが、宮田選手は予選12位からスタートながら着実に順位を上げ、最後はOTS(オーバーテイクシステム)をチームとともに無線でうまく使いこなして、坪井選手を抜くことができた。ドラマチックなレースを志向するスーパーフォーミュラのNEXT50改革が新しい勝者を生んだ部分もあるだろう。

 3位は宮田選手と同じく29周、にローソン選手を抜いた平川選手となった。

 スーパーフォーミュラは、第1戦、第2戦、第3戦と勝者が異なるシーズンとなっており、熱い戦いが繰り広げられている。

 残り7周で3位の選手が優勝できる、予選12位から優勝できるなど、スーパーフォーミュラのレース改革は確実に進んでいるように見える。さらに今シーズンのスーパーフォーミュラのすごいところは、SFgoを使えばすべての戦いがドライバー視点で見られるところだ。とくに19周目から始まる終盤戦は、激しすぎる戦いと言ってもよいだろう。ぜひSFgoで第3戦鈴鹿の戦いを確認していただきたい。

スーパーフォーミュラを初優勝した宮田選手(中央左)。トヨタエンジンが鈴鹿の表彰台を独占した