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ホンダ、三部敏宏社長が2026年からのF1復帰を発表 アストンマーティン・アラムコ・ホンダとしてチャンピオンを目指す
2023年5月24日 11:19
本田技研工業は5月24日、2026年シーズンよりF1に正式復帰することを発表した。本田技研工業 取締役 代表執行役社長 三部敏宏氏は、モータースポーツ参戦の目的を「技術と人を育てる」ことと説明。モータースポーツに参戦することで、高性能でユニークな製品を提供してきたという。
再びチャレンジする大きな理由として、2026年からF1の燃料が100%のカーボンニュートラル燃料になること、エンジンとモーターの馬力割合が変更され50%ずつになることを挙げた。その例として、現在パワーユニットが1000馬力とするならば、エンジンが800馬力、200馬力になるという。これが2026年からはモーターとエンジンが500馬力ずつになるため、大電力の電池など技術開発の余地も大きいとした。
パワーユニットの供給先はアストンマーティン・アラムコ・コグニザント・フォーミュラ・ワン・チームで、アストンマーティン・アラムコ・ホンダとしてチャンピオンを目指すと語った。
会見と同時に、本田技研工業 取締役 代表執行役社長 三部敏宏氏、Aston Martin Aramco Cognizant Formula One Team会長 ローレンス・ストロール氏、株式会社ホンダ・レーシング 代表取締役社長 渡辺康治氏、Aston Martin Performance Technologies Group CEO マーティン・ウィットマーシュ氏のコメントが発表されたので,以下に掲載する。
本田技研工業株式会社 取締役 代表執行役社長 三部敏宏氏のコメント
F1が、Hondaの目指すカーボンニュートラルの方向性と合致する、サステナブルな存在となり、私たちの電動化技術を促進するプラットフォームになること。これが、Hondaとして再びF1にチャレンジする大きな理由の一つとなりました。
Hondaは世界のレースに挑戦し、勝利することで成長してきた企業です。2026年からの新レギュレーションでは、小型・軽量・高出力のモーターや、大電力を扱える高性能バッテリーとそのマネジメント技術が勝利への鍵となりますが、ここから得られる技術やノウハウは、電動フラッグシップスポーツを始め、これからの量産電動車の競争力に直結する可能性を秘めています。さらに、現在研究開発を進めているeVTOLなど、さまざまな分野にも生かすことができると考えます。
新たなパートナーとなるAston Martin Aramco Cognizant Formula One Teamとは、勝利への真摯な姿勢と情熱で大いに共感し、Aston Martin Aramco Hondaとして、2026年からともにチャンピオンを目指すことになりました。
地球環境の保全とレース活動が共存できるよう、チャレンジングな新レギュレーション導入の英断を下されたFIA、また、F1のブランド価値を高め、発展させてきたFormula One Groupには大きな敬意を表します。
Aston Martin Aramco Cognizant Formula One Team会長 ローレンス・ストロール氏のコメント
Aston Martin Aramco Cognizant Formula One TeamはHondaとHRCを歓迎します。私たちは、レースでの勝利に向けた熱意と決心、そして飽くなき野心を互いに共有しています。Hondaは世界的な企業であり、長年にわたるモータースポーツにおける成功は、信じられないほど素晴らしいものです。2026年からともにエキサイティングな未来に乗り出すにあたり、三部氏、渡辺氏、そしてHRCのチーム全員に感謝したいと思います。
株式会社ホンダ・レーシング 代表取締役社長 渡辺康治氏のコメント
カーボンニュートラル社会への移行という大きな環境変化を迎える中、将来にわたってモータースポーツがHondaの強みであり続けるために最適な体制を考え抜いた答えが、HRCです。持続的なレース体制を構築し、世界中のモータースポーツファンへ夢と感動をお届けしていきます。
Aston Martin Performance Technologies Group CEO マーティン・ウィットマーシュ氏のコメント
私は、キャリアの中で長年Hondaと仕事をする機会に恵まれてきました。2026年からHRCとAston Martin Aramco Cognizant Formula One Teamがパートナーを組むことを大変嬉しく思います。Aston MartinのF1における野心的な計画にとって、Hondaとのワークスパートナーシップはジグソーパズルの最後のピースの1つです。2026年のF1パワーユニットに関する新しいレギュレーションは、非常に大きく重要な変化ですが、私たちはともに乗り越え、成功することができると確信しています。戦略的パートナーであるAramcoも含め、共通の目標に向かってオープンなコラボレーションができることを楽しみにしています。最後に、今後数シーズンにわたって提携を続ける現在のパワーユニットサプライヤーに敬意を表したいと思います。
Hondaの主なF1活動
1964年~1968年
エンジン・車体を含めたオールHondaとして参戦
1965年
メキシコGPで初優勝
1983年~1992年
エンジンサプライヤーとして参戦
1986年にWilliams Hondaとしてコンストラクターズタイトルを獲得、
1987年にはドライバーズチャンピオンとコンストラクターズチャンピオンのダブルタイトル獲得
1988年から1991年まで、McLaren Hondaとして4年連続でドライバーズチャンピオンとコンストラクターズチャンピオンのダブルタイトル獲得
2000年~2005年
B・A・R Hondaとしてエンジン供給と車体の共同開発による参戦
2006年~2008年
エンジン・車体を含めたオールHondaとして参戦
2015年~2017年
パワーユニットサプライヤーとして参戦。McLarenにパワーユニットを供給
2018年
Scuderia Toro Rosso(現Scuderia Alpha Tauri)にパワーユニット供給を開始
2019年
Red Bull Racingにパワーユニット供給を開始
2021年
Red Bull Racingのマックス・フェルスタッペン選手がドライバーズチャンピオン獲得F1参戦を終了
2022年
Red Bull PowertrainsへHRCが技術支援を開始 Red Bull Racingとマックス・フェルスタッペン選手がコンストラクターズチャンピオンとドライバーズチャンピオンのダブルタイトル獲得
Aston Martin Aramco Cognizant Formula One Teamの概要
所在地:英国ノーサンプトンシャー州シルバーストーン(Silverstone, Northamptonshire, United Kingdom)
代表:マイク・クラック(Mike Krack)
初参戦:2021年