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ホンダF1ラストイヤーでドライバーチャンピオン獲得 F1最終戦アブダビGPでフェルスタッペンが最終ラップに大逆転優勝
2021年12月12日 23:46
F1最終戦アブダビGPがアブダビ首長国のヤス・マリーナ島にあるヤス・マリーナ・サーキットで12月10日~12日(現地時間)の3日間にわたって行なわれた。12月12日(現地時間)には決勝レースが行なわれ、同ポイントで最終戦を迎えていたレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)とルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)によるドライバー選手権のチャンピオン争いに決着がついた。
前日に行なわれた予選では、予選が始まるまではメルセデス-ハミルトン陣営が優勢に見えたが、予選が始まると状況は一変し、フェルスタッペン選手がポールポジションを獲得し、ハミルトン選手は2位という形になった。ただし、予選2回目(Q2)でタイムを出したタイヤで決まるスタートタイヤに関しては選択が分かれており、フェルスタッペン選手はソフトタイヤ、ハミルトン選手はミディアムタイヤでのスタートになる。
このレースでは、キミ・ライコネン選手が引退をむかえるレースであり、レース前には2007年のF1世界王者に感謝するセレモニーが行なわれた(レースでは27周目にリタイア)。そしてホンダF1も撤退前の最後のレースとなる。Twitterでは、F1チームやほかのマニファクチャラーへの感謝の投稿が行なわれたことも大きな話題を呼んだ。
ハミルトン選手がレースを支配。最終局面でのセーフティカーによりファイナルラップでフェルスタッペン選手大逆転でシリーズチャンピオンに
現地時間17時(日本時間22時)にフォーメーションラップが開始され、その後切られたスタートではハミルトン選手が抜群のダッシュをみせてトップで1コーナーに入っていった。
7コーナーで2台は接触寸前で、フェルスタッペン選手がインに入り、ハミルトン選手はアウト側のコース外に逃げたが、そのままトップを維持して周回を重ねた。ただ、このインシデントに関しては特に審議はなく、レースはそのまま続行となった。
両者の差は序盤では2秒程度でじりじりと離れていく展開に。DRSも使えない距離になっており、レッドブルとしてはチームメイトのセルジオ・ペレス選手(11号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)がスタートで3位にあがったことを上手くレース戦略に使いたいところ。だが、ここからハミルトン選手はスパートし、13周目までにフェルスタッペン選手に5秒の差をつけた。
14周目にフェルスタッペン選手はハードタイヤへの交換を決断し、その翌周にハミルトン選手も同じようにハードタイヤに交換。これでトップはペレス選手となり、ペレス選手はステイアウトしフェルスタッペン選手を助ける作戦に出ることになった。しかし、フェルスタッペン選手はタイヤ交換をしていない、上位のドライバーに引っかかりむしろ遅れていってしまった。
しかし、ハミルトン選手はペレス選手に追い付き、抜くことができず、その間にタイムロス。それによりフェルスタッペン選手は2秒後ろまで迫ることができた。しかし、徐々に離されていくという同じ展開になっていった。レース中盤の32周目には5秒差となっていった。
36周目にVSC(バーチャルセーフティカー)が出て、そこでフェルスタッペン選手はピットストップを行ない新品のハードタイヤに交換、残り20周で両者の差は17秒。そこからフェルスタッペン選手は毎ラップ、毎ラップファステストラップを出して徐々に追い付いていく。しかし徐々にフェルスタッペン選手のニュータイヤ効果も薄れていき、残り10周の段階で11秒差。1周、1秒以上を詰めても追い付くのも難しい状況になった。
しかし、53周目にウイリアムズのニコラス・ラティフィ選手(6号車 ウイリアムズ・メルセデス)がクラッシュして、コース上に車両が止まったため、セーフティカーが出される。これで、ハミルトン選手はピットを通過したが、フェルスタッペン選手はすぐさまピットに入り、ソフトタイヤに交換。
最後の2周になり、ハミルトン選手とフェルスタッペン選手の間に入っていた周回遅れが前に出され、残り1周でレース再開。最後の周回でフェルスタッペン選手がハミルトン選手をオーバーテイクし、そのままハミルトン選手を押さえきってチェッカーフラッグを受けワールドチャンピオンを獲得した。
2位はハミルトン選手、3位はフェラーリのカルロス・サインツ選手(55号車 フェラーリ)が入った。ホンダパワーユニットを搭載したドライバーがチャンピオンを取ったのは、1991年の故アイルトン・セナ以来。
角田裕毅選手(22号車 アルファタウリ・ホンダ)はスタートで7位にあがり、バルテリ・ボッタス選手の前にでる。そのままタイヤ交換前には3位にまであがり順調にレースをこなしていった。今回1回限りのピットストップを終えるとフェラーリ勢、マクラーレンのランド・ノリス選手(4号車 マクラーレン・メルセデス)の後ろの10位で戻り、順調にレースをこなしていった。
序盤は前に出ていたボッタス選手にはオーバーカットを許してしまい、スタート時の8位の順位に戻ることになった。その後、フェラーリのシャルル・ルクレール選手(16号車 フェラーリ)がピットストップしたことで1つ順位を上げ、さらにランド・ノリス選手のタイヤがパンクしてピットに入ったことで、6位に上がった。そして最終盤のセーフティカーでソフトタイヤに交換して順位を維持。そして最終ラップで4位に上がり自己最高の順位でゴールした。
That extraordinary final lap of the 2021 title race in full 😮#AbuDhabiGP🇦🇪#F1pic.twitter.com/kknTMDfpAF
— Formula 1 (@F1)December 12, 2021
WORLD CHAMPION! 🏆
— Formula 1 (@F1)December 12, 2021
And simply the greatest day so far in the racing life of@Max33Verstappen👑 👀#AbuDhabiGP🇦🇪#F1pic.twitter.com/o3SsSC5THG
やりました!ファンの皆さんと一緒にやりました。
— Honda Racing F1 (@HondaRacingF1)December 12, 2021
本当に応援ありがとうございます。#thePowerOfDreamspic.twitter.com/52KNDDE9kk
BREAKING: The FIA Stewards have dismissed Mercedes' protests against the Abu Dhabi Grand Prix final classification#AbuDhabiGP🇦🇪#F1pic.twitter.com/VPNIfaFDMC
— Formula 1 (@F1)December 12, 2021
F1第22戦アブダビGP 決勝結果(確定)
順位 | 号車 | ドライバー | 車両 | 周回数 | タイム | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 33 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル・レーシング・ホンダ | 58 | 1時間30分17秒345 | 26 |
2 | 44 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 58 | +2.256秒 | 18 |
3 | 55 | カルロス・サインツ | フェラーリ | 58 | +5.173秒 | 15 |
4 | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ・ホンダ | 58 | +5.692秒 | 12 |
5 | 10 | ピエール・ガスリー | アルファタウリ・ホンダ | 58 | +6.531秒 | 10 |
6 | 77 | バルテリ・ボッタス | メルセデス | 58 | +7.463秒 | 8 |
7 | 4 | ランド・ノリス | マクラーレン・メルセデス | 58 | +59.200秒 | 6 |
8 | 14 | フェルナンド・アロンソ | アルピーヌ・ルノー | 58 | +61.708秒 | 4 |
9 | 31 | エステバン・オコン | アルピーヌ・ルノー | 58 | +64.026秒 | 2 |
10 | 16 | シャルル・ルクレール | フェラーリ | 58 | +66.057秒 | 1 |
11 | 5 | セバスチャン・ベッテル | アストンマーティン・メルセデス | 58 | +67.527秒 | 0 |
12 | 3 | ダニエル・リカルド | マクラーレン・メルセデス | 57 | +1周 | 0 |
13 | 18 | ランス・ストロール | アストンマーティン・メルセデス | 57 | +1周 | 0 |
14 | 47 | ミック・シューマッハ | ハース・フェラーリ | 57 | +1周 | 0 |
15 | 11 | セルジオ・ペレス | レッドブル・レーシング・ホンダ | 55 | DNF | 0 |
NC | 6 | ニコラス・ラティフィ | ウイリアムズ・メルセデス | 50 | DNF | 0 |
NC | 99 | アントニオ・ジョビナッツィ | アルファロメオ・レーシング・フェラーリ | 33 | DNF | 0 |
NC | 63 | ジョージ・ラッセル | ウイリアムズ・メルセデス | 26 | DNF | 0 |
NC | 7 | キミ・ライコネン | アルファロメオ・レーシング・フェラーリ | 25 | DNF | 0 |
ドライバーランキング(F1最終戦終了後)
順位 | ドライバー | 国 | 車両 | ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | マックス・フェルスタッペン | NED | レッドブル・レーシング・ホンダ | 395.5 |
2 | ルイス・ハミルトン | GBR | メルセデス | 387.5 |
3 | バルテリ・ボッタス | FIN | メルセデス | 226 |
4 | セルジオ・ペレス | MEX | レッドブル・レーシング・ホンダ | 190 |
5 | カルロス・サインツ | ESP | フェラーリ | 164.5 |
6 | ランド・ノリス | GBR | マクラーレン・メルセデス | 160 |
7 | シャルル・ルクレール | MON | フェラーリ | 159 |
8 | ダニエル・リカルド | AUS | マクラーレン・メルセデス | 115 |
9 | ピエール・ガスリー | FRA | アルファタウリ・ホンダ | 110 |
10 | フェルナンド・アロンソ | ESP | アルピーヌ・ルノー | 81 |
11 | エステバン・オコン | FRA | アルピーヌ・ルノー | 74 |
12 | セバスチャン・ベッテル | GER | アストンマーティン・メルセデス | 43 |
13 | ランス・ストロール | CAN | アストンマーティン・メルセデス | 34 |
14 | 角田裕毅 | JPN | アルファタウリ・ホンダ | 32 |
15 | ジョージ・ラッセル | GBR | ウイリアムズ・メルセデス | 16 |
16 | キミ・ライコネン | FIN | アルファロメオ・レーシング・フェラーリ | 10 |
17 | ニコラス・ラティフィ | CAN | ウイリアムズ・メルセデス | 7 |
18 | アントニオ・ジョビナッツィ | ITA | アルファロメオ・レーシング・フェラーリ | 3 |
19 | ミック・シューマッハ | GER | ハース・フェラーリ | 0 |
20 | ロバート・クビサ | POL | アルファロメオ・レーシング・フェラーリ | 0 |
21 | ニキータ・マゼピン | RAF | ハース・フェラーリ | 0 |
コンストラクターランキング(F1最終戦終了後)
順位 | チーム | ポイント |
---|---|---|
1 | メルセデス | 613.5 |
2 | レッドブル・レーシング・ホンダ | 585.5 |
3 | フェラーリ | 323.5 |
4 | マクラーレン・メルセデス | 275 |
5 | アルピーヌ・ルノー | 155 |
6 | アルファタウリ・ホンダ | 142 |
7 | アストンマーティン・メルセデス | 77 |
8 | ウイリアムズ・メルセデス | 23 |
9 | アルファロメオ・レーシング・フェラーリ | 13 |
10 | ハース・フェラーリ | 0 |