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ホンダF1ラストイヤーでドライバーチャンピオン獲得 F1最終戦アブダビGPでフェルスタッペンが最終ラップに大逆転優勝

ホンダF1ラストイヤーで最終戦を優勝、ドライバーチャンピオンを獲得したマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ) (C)Getty Images / Red Bull Content Pool

 F1最終戦アブダビGPがアブダビ首長国のヤス・マリーナ島にあるヤス・マリーナ・サーキットで12月10日~12日(現地時間)の3日間にわたって行なわれた。12月12日(現地時間)には決勝レースが行なわれ、同ポイントで最終戦を迎えていたレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)とルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)によるドライバー選手権のチャンピオン争いに決着がついた。

 前日に行なわれた予選では、予選が始まるまではメルセデス-ハミルトン陣営が優勢に見えたが、予選が始まると状況は一変し、フェルスタッペン選手がポールポジションを獲得し、ハミルトン選手は2位という形になった。ただし、予選2回目(Q2)でタイムを出したタイヤで決まるスタートタイヤに関しては選択が分かれており、フェルスタッペン選手はソフトタイヤ、ハミルトン選手はミディアムタイヤでのスタートになる。

 このレースでは、キミ・ライコネン選手が引退をむかえるレースであり、レース前には2007年のF1世界王者に感謝するセレモニーが行なわれた(レースでは27周目にリタイア)。そしてホンダF1も撤退前の最後のレースとなる。Twitterでは、F1チームやほかのマニファクチャラーへの感謝の投稿が行なわれたことも大きな話題を呼んだ。

ハミルトン選手がレースを支配。最終局面でのセーフティカーによりファイナルラップでフェルスタッペン選手大逆転でシリーズチャンピオンに

 現地時間17時(日本時間22時)にフォーメーションラップが開始され、その後切られたスタートではハミルトン選手が抜群のダッシュをみせてトップで1コーナーに入っていった。

 7コーナーで2台は接触寸前で、フェルスタッペン選手がインに入り、ハミルトン選手はアウト側のコース外に逃げたが、そのままトップを維持して周回を重ねた。ただ、このインシデントに関しては特に審議はなく、レースはそのまま続行となった。

 両者の差は序盤では2秒程度でじりじりと離れていく展開に。DRSも使えない距離になっており、レッドブルとしてはチームメイトのセルジオ・ペレス選手(11号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)がスタートで3位にあがったことを上手くレース戦略に使いたいところ。だが、ここからハミルトン選手はスパートし、13周目までにフェルスタッペン選手に5秒の差をつけた。

 14周目にフェルスタッペン選手はハードタイヤへの交換を決断し、その翌周にハミルトン選手も同じようにハードタイヤに交換。これでトップはペレス選手となり、ペレス選手はステイアウトしフェルスタッペン選手を助ける作戦に出ることになった。しかし、フェルスタッペン選手はタイヤ交換をしていない、上位のドライバーに引っかかりむしろ遅れていってしまった。

 しかし、ハミルトン選手はペレス選手に追い付き、抜くことができず、その間にタイムロス。それによりフェルスタッペン選手は2秒後ろまで迫ることができた。しかし、徐々に離されていくという同じ展開になっていった。レース中盤の32周目には5秒差となっていった。

 36周目にVSC(バーチャルセーフティカー)が出て、そこでフェルスタッペン選手はピットストップを行ない新品のハードタイヤに交換、残り20周で両者の差は17秒。そこからフェルスタッペン選手は毎ラップ、毎ラップファステストラップを出して徐々に追い付いていく。しかし徐々にフェルスタッペン選手のニュータイヤ効果も薄れていき、残り10周の段階で11秒差。1周、1秒以上を詰めても追い付くのも難しい状況になった。

 しかし、53周目にウイリアムズのニコラス・ラティフィ選手(6号車 ウイリアムズ・メルセデス)がクラッシュして、コース上に車両が止まったため、セーフティカーが出される。これで、ハミルトン選手はピットを通過したが、フェルスタッペン選手はすぐさまピットに入り、ソフトタイヤに交換。

 最後の2周になり、ハミルトン選手とフェルスタッペン選手の間に入っていた周回遅れが前に出され、残り1周でレース再開。最後の周回でフェルスタッペン選手がハミルトン選手をオーバーテイクし、そのままハミルトン選手を押さえきってチェッカーフラッグを受けワールドチャンピオンを獲得した。

 2位はハミルトン選手、3位はフェラーリのカルロス・サインツ選手(55号車 フェラーリ)が入った。ホンダパワーユニットを搭載したドライバーがチャンピオンを取ったのは、1991年の故アイルトン・セナ以来。

 角田裕毅選手(22号車 アルファタウリ・ホンダ)はスタートで7位にあがり、バルテリ・ボッタス選手の前にでる。そのままタイヤ交換前には3位にまであがり順調にレースをこなしていった。今回1回限りのピットストップを終えるとフェラーリ勢、マクラーレンのランド・ノリス選手(4号車 マクラーレン・メルセデス)の後ろの10位で戻り、順調にレースをこなしていった。

 序盤は前に出ていたボッタス選手にはオーバーカットを許してしまい、スタート時の8位の順位に戻ることになった。その後、フェラーリのシャルル・ルクレール選手(16号車 フェラーリ)がピットストップしたことで1つ順位を上げ、さらにランド・ノリス選手のタイヤがパンクしてピットに入ったことで、6位に上がった。そして最終盤のセーフティカーでソフトタイヤに交換して順位を維持。そして最終ラップで4位に上がり自己最高の順位でゴールした。

F1第22戦アブダビGP 決勝結果(確定)

順位号車ドライバー車両周回数タイムポイント
133マックス・フェルスタッペンレッドブル・レーシング・ホンダ581時間30分17秒34526
244ルイス・ハミルトンメルセデス58+2.256秒18
355カルロス・サインツフェラーリ58+5.173秒15
422角田裕毅アルファタウリ・ホンダ58+5.692秒12
510ピエール・ガスリーアルファタウリ・ホンダ58+6.531秒10
677バルテリ・ボッタスメルセデス58+7.463秒8
74ランド・ノリスマクラーレン・メルセデス58+59.200秒6
814フェルナンド・アロンソアルピーヌ・ルノー58+61.708秒4
931エステバン・オコンアルピーヌ・ルノー58+64.026秒2
1016シャルル・ルクレールフェラーリ58+66.057秒1
115セバスチャン・ベッテルアストンマーティン・メルセデス58+67.527秒0
123ダニエル・リカルドマクラーレン・メルセデス57+1周0
1318ランス・ストロールアストンマーティン・メルセデス57+1周0
1447ミック・シューマッハハース・フェラーリ57+1周0
1511セルジオ・ペレスレッドブル・レーシング・ホンダ55DNF0
NC6ニコラス・ラティフィウイリアムズ・メルセデス50DNF0
NC99アントニオ・ジョビナッツィアルファロメオ・レーシング・フェラーリ33DNF0
NC63ジョージ・ラッセルウイリアムズ・メルセデス26DNF0
NC7キミ・ライコネンアルファロメオ・レーシング・フェラーリ25DNF0

ドライバーランキング(F1最終戦終了後)

順位ドライバー車両ポイント
1マックス・フェルスタッペンNEDレッドブル・レーシング・ホンダ395.5
2ルイス・ハミルトンGBRメルセデス387.5
3バルテリ・ボッタスFINメルセデス226
4セルジオ・ペレスMEXレッドブル・レーシング・ホンダ190
5カルロス・サインツESPフェラーリ164.5
6ランド・ノリスGBRマクラーレン・メルセデス160
7シャルル・ルクレールMONフェラーリ159
8ダニエル・リカルドAUSマクラーレン・メルセデス115
9ピエール・ガスリーFRAアルファタウリ・ホンダ110
10フェルナンド・アロンソESPアルピーヌ・ルノー81
11エステバン・オコンFRAアルピーヌ・ルノー74
12セバスチャン・ベッテルGERアストンマーティン・メルセデス43
13ランス・ストロールCANアストンマーティン・メルセデス34
14角田裕毅JPNアルファタウリ・ホンダ32
15ジョージ・ラッセルGBRウイリアムズ・メルセデス16
16キミ・ライコネンFINアルファロメオ・レーシング・フェラーリ10
17ニコラス・ラティフィCANウイリアムズ・メルセデス7
18アントニオ・ジョビナッツィITAアルファロメオ・レーシング・フェラーリ3
19ミック・シューマッハGERハース・フェラーリ0
20ロバート・クビサPOLアルファロメオ・レーシング・フェラーリ0
21ニキータ・マゼピンRAFハース・フェラーリ0

コンストラクターランキング(F1最終戦終了後)

順位チームポイント
1メルセデス613.5
2レッドブル・レーシング・ホンダ585.5
3フェラーリ323.5
4マクラーレン・メルセデス275
5アルピーヌ・ルノー155
6アルファタウリ・ホンダ142
7アストンマーティン・メルセデス77
8ウイリアムズ・メルセデス23
9アルファロメオ・レーシング・フェラーリ13
10ハース・フェラーリ0

YouTube FORMULA 1ダイジェスト映像

トップhttps://www.youtube.com/channel/UCB_qr75-ydFVKSF9Dmo6izg
第1戦バーレーンGP https://www.youtube.com/watch?v=QuBlV0dixMo
第2戦エミリア・ロマーニャGP https://www.youtube.com/watch?v=ds0BC8RDJ5o
第3戦ポルトガルGP https://www.youtube.com/watch?v=-9-8gvYantk
第4戦スペインGP https://www.youtube.com/watch?v=HuLdJLB6sBo
第5戦モナコGP https://www.youtube.com/watch?v=GK5qm8AZ1dQ
第6戦アゼルバイジャンGP https://www.youtube.com/watch?v=suZHkUxPzjE
第7戦フランスGP https://www.youtube.com/watch?v=5hBwgJtMxLM
第8戦シュタイアーマルクGP https://www.youtube.com/watch?v=tr4gf_iae20
第9戦オーストリアGP https://www.youtube.com/watch?v=LxLVqf5OtIE
第10戦イギリスGP https://www.youtube.com/watch?v=FRt8hXFb0Vg
第11戦ハンガリーGP https://www.youtube.com/watch?v=a2kkuQS_gXk
第12戦ベルギーGP https://www.youtube.com/watch?v=MjmywbEfzk0
第13戦オランダGP https://www.youtube.com/watch?v=rXhGajRFLlY
第14戦イタリアGP https://www.youtube.com/watch?v=1ZgniFQiTPA
第15戦ロシアGP https://www.youtube.com/watch?v=Jjw1x6xQo7s
第16戦トルコGP https://www.youtube.com/watch?v=ZGRpHy0qoN4
第17戦アメリカGP https://www.youtube.com/watch?v=-Ee08uFurok
第18戦メキシコGP https://www.youtube.com/watch?v=2yYtH0HAL-U
第19戦サンパウロGP https://www.youtube.com/watch?v=icesjjvN6Sc
第20戦カタールGP https://www.youtube.com/watch?v=CZy-NZF8mEA
第21戦サウジアラビアGP https://www.youtube.com/watch?v=vRhhS6BnLSY
第22戦アブダビGP https://www.youtube.com/watch?v=7QJ-N-AQJYc
自己最高の4位を獲得した角田選手