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F1第19戦サンパウロGP、メルセデスのハミルトンが優勝 レッドブル・ホンダのフェルスタッペンは2位

F1第19戦サンパウロGPのスタート (C)Getty Images / Red Bull Content Pool

 F1第19戦サンパウロGPが11月12日~14日(現地時間)、ブラジル最大の都市サンパウロにあるアウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェにおいて開催された。11月14日(現地時間、日本時間11月15日未明)には決勝レースが行なわれた。

 今回を含め、今シーズンのF1も残り4戦となり、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)とメルセデスのルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)のチャンピオン争いもいよいよ大詰め。

 ドライバー選手権では前戦のメキシコGPをフェルスタッペン選手が優勝したことで、ハミルトン選手に19ポイント差をつけて首位に立っており、コンストラクター選手権でも首位メルセデスにレッドブル・ホンダが1ポイント差と僅差に迫っている。いずれも激しいチャンピオン争いが展開されている。

 そのサンパウロGPでは金曜日に行なわれた予選(土曜日にレース形式のスプリント予選が行なわれるため、金曜日にスプリント予選のグリッドを決める予選が行なわれた)後に、大きな騒動が持ち上がった。予選後の車検でハミルトン選手のリアウィングに技術規定違反が発覚し審議に。そして、予選後のパルクフェルメ(車両保管所)においてフェルスタッペン選手がハミルトン選手のリアウィングに触ってしまったことも発覚。こちらも同時に審議されることになった。

 スプリント予選開催前に、ハミルトン選手は予選タイム抹消でスプリント予選は最後尾からスタート、フェルスタッペン選手は5万ユーロの罰金という裁定が下された。

 スプリントレースでは2番グリッドからバルテリ・ボッタス選手(77号車 メルセデス)が抜群のスタートを切って、1番グリッドからスタートしたフェルスタッペン選手を逆転。結局そのままゴールしてポールポジションを獲得した。

 チームメイトのハミルトン選手は、前出のとおり、最後尾からのスタートになったが、スタートで大きく順位を上げるとストレートでのスピードを上手く活用して、最終的に5位でゴールした。

 ただし、ハミルトン選手はこのレースで、ICE(エンジン)の5基目を投入しており、5グリッド降格ペナルティが科されることが決まっている。決勝レースは10番グリッドからスタートする。

 レッドブル・ホンダ、アルファタウリ・ホンダの4人のドライバーはいずれもスプリント予選で順位を下げた。フェルスタッペン選手はスプリント予選2位で2ポイントを追加、ハミルトン選手との差を21ポイントに広げ、2番グリッドからスタートする。

 セルジオ・ペレス選手(11号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)は4番グリッドから、ピエール・ガスリー選手(10号車 アルファタウリ・ホンダ)は7番グリッドから、角田裕毅選手(22号車 アルファタウリ・ホンダ)が15番手からスタートすることになった。

フェルスタッペン選手とハミルトン選手の戦いは、ストレートスピードの速いメルセデスに軍配

 決勝レースのスタートでは、スプリント予選とは逆のシーンが繰り広げられた。スタートでフェルスタッペン選手はボッタス選手を1コーナーまでにオーバーテイクしトップに立つ。

 さらに、バックストレート終わりの4コーナーで、ボッタス選手はコーナーを飛び出してしまい、ペレス選手が2位に上がった。これによりレッドブルは1-2体制を早々に作ることになった。

 ハミルトン選手は10位からスタートすると、1周目の終わりには7位まで順位を上げ、4周目にはボッタス選手につぐ4位に上がった。チームメイトに順位を譲ってもらうと、わずか5周のうちにレッドブル勢に次ぐ3番手まで上がった。

 その後、角田選手がランス・ストロール選手(18号車 アストンマーティン・メルセデス)と接触したことで破片が1コーナーに散乱し、清掃するために7周目にセーフティカーが導入された(なおこの接触は角田選手に非があると判定され、角田選手に10秒のタイムペナルティが出された)。

 10周目にレースが再開されると、1位フェルスタッペン選手、2位ペレス選手、3位ハミルトン選手というトップ3は同様だが、差は詰まった形でレースは再開された。ボッタス選手の後ろのフェラーリ勢は離されていき、レッドブル2台とメルセデス2台のレースへと局面は変わっていった。

 19周目の1コーナーでハミルトン選手がペレス選手をオーバーテイク。これでチャンピオン争いをする2人(フェルスタッペン選手とハミルトン選手)が1位、2位という最高の形が演出されることになった。

 27周目にハミルトン選手がタイヤ交換に入り、翌周にフェルスタッペン選手がピットに入る。これで唯一の順位変更のチャンスだと思われていたタイヤ交換でもフェルスタッペン選手が順位を維持することになった。

 そのまま2台は1秒~1.5秒差の間でトップを争っており、ほぼ同タイムで2車が争うという緊張感があるレースがコース上で展開されていた。フェルスタッペン選手はコーナーが連続するセクター2で速く、ハミルトン選手はストレートが連続するセクター1とセクター3で速いというレースになっている。

 レースが大きく動いたのは41周目。フェルスタッペン選手はハミルトン選手のアンダーカットを嫌って先に最後のピットストップに入る。これに対してハミルトン選手はその3周後にピットイン。タイヤ交換時の順位の入れ替えの可能性はなくなりコースでの勝負になる。

 48周目の4コーナーではスリップストリームを使って追い付きオーバーテイクを仕掛けるが、2台ともコースから飛び出して、結局順位は変わらなかった。

 2人のレースに勝負がついたのは59周目のバックストレート。ストレートの速いメルセデスが、レッドブル・ホンダを見事にオーバーテイク。そのメルセデスのストレートスピードにはフェルスタッペン選手も為す術なく、ハミルトン選手が首位に浮上した。

 フェルスタッペン選手はメルセデスのストレートスピードについていくことができず、このレースは2位で終えることになった。ハミルトン選手は優勝して25ポイントを追加して、18ポイントを追加したフェルスタッペン選手との差を14ポイントに詰めた。チャンピオン争いは、どうなるのか誰にも予想できない争いになりつつある。

 ボッタス選手は32周目にピットストップをしたが、ちょうどその時にバーチャルセーフティカー(VSC)が出て、ボッタスはペレスの前に出ることに成功した。その後2台とも3位、4位を走り、そのままゴールした。これでコンストラクター選手権はメルセデスが1位と3位で40ポイント、レッドブル・ホンダは2位と4位、最終ラップでペレス選手がファステストラップを取り31ポイント。メルセデスのリードは11ポイントに拡大した。

 5位はフェラーリのシャルル・ルクレール選手(16号車 フェラーリ)、6位はカルロス・サインツ選手(16号車 フェラーリ)となり、7位はアルファタウリ・ホンダのガスリー選手、角田選手は15位完走となった。

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2位となったマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ) (C)Getty Images / Red Bull Content Pool