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F1第18戦メキシコGP、ホンダ・パワーユニットが1-3-4フィニッシュ フェルスタッペン9勝目でメルセデスとの差をさらに拡大

メキシコGPを優勝したマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)(C)Getty Images / Red Bull Content Pool

予選はメルセデス勢が1-2の結果に

 F1第18戦メキシコGPが11月5日~7日(現地時間)、メキシコの首都メキシコシティー近郊にあるエルマノス・ロドリゲス・サーキットで開催された。2020年はCOVID-19の影響で開催が見送られたため、2019年以来2年ぶりの開催となる。2021年はレッドブル・ホンダのドライバーであるセルジオ・ペレス選手が勝てるクルマに乗っているということもあり、3日間で延べ37万2000人という多くの観客が詰めかけた。

 土曜日に行なわれたFP3まではレッドブル・ホンダの2台がトップを占めていたが、予選は一変し、バルテリ・ボッタス選手(77号車 メルセデス)、ルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)が1-2を占めることになった。レッドブル・ホンダの2台はエースのマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)が3位、ペレス選手が4位となり、メルセデスが優勢という結果になった。

 アルファタウリ・ホンダの2台は、ピエール・ガスリー選手(10号車 アルファタウリ・ホンダ)が予選5位、角田裕毅選手が3戦連続予選3回目(Q3)へと進み9位になったが、このレースを前に規定(年間3基まで)以上のパワーユニット(4基目)を投入したことでグリッド最後方に回るというペナルティを受け、17位グリッド(最後尾ではないのはほかにも同じペナルティを受けたドライバーがいるため)からスタートすることになった。

抜群のスタート決勝で決めたフェルスタッペン選手

スタートでフェルスタッペン選手はトップに立った(C)Getty Images / Red Bull Content Pool

 決勝レースは予選3位からスタートしたレッドブル・ホンダのフェルスタッペン選手が最初のコーナーまでにトップに立つ。2位にはハミルトン選手、3位にはレッドブル・ホンダのもう1台ペレス選手が上がってきた。4位はガスリー選手だ。

 そしてメルセデスのもう1台ボッタス選手は、マクラーレン・メルセデスのダニエル・リカルド選手と接触してしまい、両車ともに大きく順位を落とした。ボッタス選手はピットに入り、タイヤをハードに交換して後方から淡々と追い上げるレースになった(最終的に15位でゴールしてノーポイント)。

 混乱は続き、後方でも角田裕毅選手がアルピーヌのエステバン・オコン選手に接触され、リタイアになってしまった。

 このスタート時の混乱でセーフティカーとなり、レースは5周目に再開。フェルスタッペン選手はトップを維持、2位ハミルトン選手、3位ペレス選手、4位がガスリー選手と、レッドブルにとっては4位のガスリー選手も含め「ハミルトン包囲網」を築いた形だ。フェルスタッペン選手はハミルトン選手を引き離していき、レース中盤までに10秒以上の差を築いた。ペレス選手がハミルトン選手に追いついて行く展開になっていった。

フェルスタッペン9勝目で9ポイント差は拡大、コンストラクター選手権でもメルセデスに1ポイント差に迫る

 レースが大きく動いたのは71周レースの30周目、ペレス選手のアンダーカットを警戒してハミルトン選手が先にピットイン。ハミルトン選手はミディアムからハードへタイヤ交換してコースに戻る。その4周後にトップのフェルスタッペン選手がタイヤ交換。こちらもミディアムからハードへタイヤ交換をした。フェルスタッペン選手はハミルトン選手の前に戻り、ハミルトン選手に対して優位な状況を維持した。

 41周目にトップのペレス選手がタイヤ交換し、ハミルトン選手の10秒後方の3位でコースに戻る。ハミルトン選手と同じハードタイヤながら11周新しいタイヤになり、ペレス選手は徐々にハミルトン選手に追い付いていく。残り10周となった段階で2台の差は1秒以下に。地元ドライバーの大活躍に観客もエキサイトしている中で、ペレス選手はDRSが使えるまで近づいた。ハミルトン選手のタイヤは熱を持っており、不利な状況だ。しかし、ここは抜きにくいコースの1つであるエルマノス・ロドリゲス・サーキット。結局ハミルトン選手はペレス選手を抑えきってチェッカーを迎えた。

 レースを優勝したのはレッドブル・ホンダのフェルスタッペン選手で今シーズン9勝目。ドライバー選手権のポイントを312.5ポイントまで伸ばし、2位のハミルトン選手の293.5ポイントに対し19ポイント差と大きな差をつけた。

 3位は地元レースで表彰台を獲得したレッドブル・ホンダのペレス選手。メルセデスのボッタス選手がノーポイントに終わったため、コンストラクター選手権はメルセデス478.5点に対し、レッドブル・ホンダが477.5と1ポイント差に。1ポイント差で次のブラジルGPへ向かうことになる。

 4位はアルファタウリ・ホンダのガスリー選手。5位はフェラーリのカルロス・サインツ選手、6位はシャルル・ルクレール選手という結果になった。

F1第18戦メキシコGP 決勝結果(暫定)

順位号車ドライバー車両周回数タイムポイント
133マックス・フェルスタッペンレッドブル・レーシング・ホンダ711時間38分39秒08625
244ルイス・ハミルトンメルセデス71+16.555秒18
311セルジオ・ペレスレッドブル・レーシング・ホンダ71+17.752秒15
410ピエール・ガスリーアルファタウリ・ホンダ71+63.845秒12
516シャルル・ルクレールフェラーリ71+81.037秒10
655カルロス・サインツフェラーリ70+1周8
75セバスチャン・ベッテルアストンマーティン・メルセデス70+1周6
87キミ・ライコネンアルファロメオ・レーシング・フェラーリ70+1周4
914フェルナンド・アロンソアルピーヌ・ルノー70+1周2
104ランド・ノリスマクラーレン・メルセデス70+1周1
1199アントニオ・ジョビナッツィアルファロメオ・レーシング・フェラーリ70+1周0
123ダニエル・リカルドマクラーレン・メルセデス70+1周0
1331エステバン・オコンアルピーヌ・ルノー70+1周0
1418ランス・ストロールアストンマーティン・メルセデス69+2周0
1577バルテリ・ボッタスメルセデス69+2周0
1663ジョージ・ラッセルウイリアムズ・メルセデス69+2周0
176ニコラス・ラティフィウイリアムズ・メルセデス69+2周0
189ニキータ・マゼピンハース・フェラーリ68+3周0
NC47ミック・シューマッハハース・フェラーリ0DNF0
NC22角田裕毅アルファタウリ・ホンダ0DNF0

ドライバーランキング(F1第18戦メキシコGP終了後、暫定)

順位ドライバー車両ポイント
1マックス・フェルスタッペンNEDレッドブル・レーシング・ホンダ312.5
2ルイス・ハミルトンGBRメルセデス293.5
3バルテリ・ボッタスFINメルセデス185
4セルジオ・ペレスMEXレッドブル・レーシング・ホンダ165
5ランド・ノリスGBRマクラーレン・メルセデス150
6シャルル・ルクレールMONフェラーリ138
7カルロス・サインツESPフェラーリ130.5
8ダニエル・リカルドAUSマクラーレン・メルセデス105
9ピエール・ガスリーFRAアルファタウリ・ホンダ86
10フェルナンド・アロンソESPアルピーヌ・ルノー60
11エステバン・オコンFRAアルピーヌ・ルノー46
12セバスチャン・ベッテルGERアストンマーティン・メルセデス42
13ランス・ストロールCANアストンマーティン・メルセデス26
14角田裕毅JPNアルファタウリ・ホンダ20
15ジョージ・ラッセルGBRウイリアムズ・メルセデス16
16キミ・ライコネンFINアルファロメオ・レーシング・フェラーリ10
17ニコラス・ラティフィCANウイリアムズ・メルセデス7
18アントニオ・ジョビナッツィITAアルファロメオ・レーシング・フェラーリ1
19ミック・シューマッハGERハース・フェラーリ0
20ロバート・クビサPOLアルファロメオ・レーシング・フェラーリ0
21ニキータ・マゼピンRAFハース・フェラーリ0

コンストラクターランキング(F1第18戦メキシコGP終了後、暫定)

順位チームポイント
1メルセデス478.5
2レッドブル・レーシング・ホンダ477.5
3フェラーリ268.5
4マクラーレン・メルセデス255
5アルピーヌ・ルノー106
6アルファタウリ・ホンダ106
7アストンマーティン・メルセデス68
8ウイリアムズ・メルセデス23
9アルファロメオ・レーシング・フェラーリ11
10ハース・フェラーリ0

YouTube FORMULA 1ダイジェスト映像

地元メキシコGPでメキシコ人として初めて表彰台に登ったセルジオ・ペレス選手(C)Getty Images / Red Bull Content Pool
4位でゴールしたピエール・ガスリー選手(10号車 アルファタウリ・ホンダ)(C)Getty Images / Red Bull Content Pool