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F1第16戦トルコGP、レッドブル・ホンダは2位と3位表彰台でドライバー選手権でトップに復帰 優勝はメルセデスのボッタス

雨の中を走るマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ) (C)Getty Images / Red Bull Content Pool

ウェットレースとなった決勝レース

 F1第16戦トルコGPが10月8日~10日、トルコのインターシティ・インスタンブール・パーク・サーキットにおいて開催された。レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)とチャンピオンを激しく争っているメルセデスのルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)は、レースを前にしてパワーユニットのうちエンジン(ICE)だけを交換することを選択、年間で3基までという範囲を超える4基目ということで10グリッド降格ペナルティを受けた。これにより、予選では1位になったものの、11番グリッドからスタートした。フェルスタッペン選手は予選3位で2番グリッドスタート、予選2位のバルテリ・ボッタス選手(77号車 メルセデス)は1番グリッドからスタートした。

 ほかのホンダ勢は、アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリー選手(10号車 アルファタウリ・ホンダ)が4番グリッドから、レッドブル・ホンダのセルジオ・ペレス選手(11号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)が6番グリッドから、アルファタウリ・ホンダの角田裕毅選手(22号車 アルファタウリ・ホンダ)が9番グリッドからスタートした。

 決勝レースは午前中から降り続いた雨により、全車がインターミディエイトタイヤ(2種類ある雨用タイヤのうち、溝が浅い方)を選択してスタート。ボッタス選手、フェルスタッペン選手は1位、2位のまま1コーナーを抜け、順当なスタートを切った。

 注目のハミルトン選手は、5位スタートのフェルナンド・アロンソ選手(14号車 アルピーヌ・ルノー)がスピンしたことで1つ順位を上げて8番手になった角田選手の真後ろに。しかし、そこから角田選手はきっちりとハミルトン選手を8周目までブロックし、フェルスタッペン選手の選手権争いに貢献した。

 その角田選手を抜いた後、ハミルトン選手はファステストラップを連発し、15周目にはガスリー選手を抜いて5番手まで上がってきた。次のターゲットは4番手で、フェルスタッペン選手のチームメイトであるペレス選手。ハミルトン選手はそこでスタックしたまま、レースが進展していった。レースの半分になる29周目が過ぎても、トップ勢はインターミディエイトタイヤのまま、交換することもなくレースが続いた。

特別カラーリングで走ったレッドブル・ホンダは2位と3位で2台が表彰台に

 35周目にハミルトン選手がペレス選手に追いつき、2台のバトルになった。一度はハミルトン選手が前に出たが、ペレス選手も再び抜き返して順位を維持して前に戻る。そして、その前でフェルスタッペン選手がピットストップ、インターからインターへと交換し、ハミルトン選手の前でコースに戻った。その翌周にはボッタス選手もタイヤ交換を行ない、フェススタッペン選手の前でコースに戻った。

 トップに立ったフェラーリのシャルル・ルクレール選手(16号車 フェラーリ)と、4位まで追い上げてきたハミルトン選手はタイヤ交換せずにステイアウトを選択。これらのステイアウト組がインタータイヤでどれだけ持たせることができるかが焦点になりつつある。路面的には徐々に乾いている方向だが、ドライに変えるほどには路面が乾かず、最終的にルクレール選手がピットに入り、4位へ後退。

 3位に上がったハミルトン選手はタイヤを交換しないで最後まで走る作戦を敢行する。こうなってくると、焦点はハミルトン選手のタイヤがゴールまで持つのかどうかだ。しかし、51周目にハミルトン選手もピットインし、5位に下がる。

 52周目に4位だったペレス選手が3位のルクレール選手を抜いて3位にあがる。これでレッドブル・ホンダは2位と3位だ。タイヤを交換したハミルトン選手はルクレール選手に迫るがタイヤの摩耗に苦しみ、逆に6位のガスリー選手に追い付かれてしまう。結局抜かれることはなかったが、ハミルトン選手の追い上げもここまでで終了。

 レースはメルセデスのボッタス選手が優勝。2020年のロシアGP以来、約1年ぶりの優勝で通算10勝目。同時にボッタス選手はファステストラップをマークして、チームに貴重な1ポイントをもたらした。2位はフェルスタッペン選手、3位はペレス選手と特別カラーリングで走ったレッドブル・ホンダが2台そろって表彰台に入った。

 4位はハミルトン選手の追い上げを最後まで抑えきったフェラーリのルクレール選手、5位は11番グリッドから追い上げたハミルトン選手。

 この結果、ドライバー選手権ではフェルスタッペン選手が逆転しチャンピオン争いでリードした状態で次回アメリカGPへと向かうことになる。

 6位はアルファタウリ・ホンダのガスリー選手。序盤に他車との接触で5秒のタイムペナルティを出されたが、それを消化しても6位を得た。角田裕毅選手は、序盤に入賞圏内nを走っていたが、レース中盤にスピンを喫してしまい、最終的に14位となった。

F1第16戦トルコGP 決勝結果

順位号車ドライバー車両周回数タイムポイント
177バルテリ・ボッタスメルセデス581時間31分04秒10326
233マックス・フェルスタッペンレッドブル・レーシング・ホンダ58+14.584秒18
311セルジオ・ペレスレッドブル・レーシング・ホンダ58+33.471秒15
416シャルル・ルクレールフェラーリ58+37.814秒12
544ルイス・ハミルトンメルセデス58+41.812秒10
610ピエール・ガスリーアルファタウリ・ホンダ58+44.292秒8
74ランド・ノリスマクラーレン・メルセデス58+47.213秒6
855カルロス・サインツフェラーリ58+51.526秒4
918ランス・ストロールアストンマーティン・メルセデス58+82.018秒2
1031エステバン・オコンアルピーヌ・ルノー57+1周1
1199アントニオ・ジョビナッツィアルファロメオ・レーシング・フェラーリ57+1周0
127キミ・ライコネンアルファロメオ・レーシング・フェラーリ57+1周0
133ダニエル・リカルドマクラーレン・メルセデス57+1周0
1422角田裕毅アルファタウリ・ホンダ57+1周0
1563ジョージ・ラッセルウイリアムズ・メルセデス57+1周0
1614フェルナンド・アロンソアルピーヌ・ルノー57+1周0
176ニコラス・ラティフィウイリアムズ・メルセデス57+1周0
185セバスチャン・ベッテルアストンマーティン・メルセデス57+1周0
1947ミック・シューマッハハース・フェラーリ56+2周0
209ニキータ・マゼピンハース・フェラーリ56+2周0

ドライバーランキング(F1第16戦トルコGP終了後)

順位ドライバー車両ポイント
1マックス・フェルスタッペンNEDレッドブル・レーシング・ホンダ262.5
2ルイス・ハミルトンGBRメルセデス256.5
3バルテリ・ボッタスFINメルセデス177
4ランド・ノリスGBRマクラーレン・メルセデス145
5セルジオ・ペレスMEXレッドブル・レーシング・ホンダ135
6カルロス・サインツESPフェラーリ116.5
7シャルル・ルクレールMONフェラーリ116
8ダニエル・リカルドAUSマクラーレン・メルセデス95
9ピエール・ガスリーFRAアルファタウリ・ホンダ74
10フェルナンド・アロンソESPアルピーヌ・ルノー58
11エステバン・オコンFRAアルピーヌ・ルノー46
12セバスチャン・ベッテルGERアストンマーティン・メルセデス35
13ランス・ストロールCANアストンマーティン・メルセデス26
14角田裕毅JPNアルファタウリ・ホンダ18
15ジョージ・ラッセルGBRウイリアムズ・メルセデス16
16ニコラス・ラティフィCANウイリアムズ・メルセデス7
17キミ・ライコネンFINアルファロメオ・レーシング・フェラーリ6
18アントニオ・ジョビナッツィITAアルファロメオ・レーシング・フェラーリ1
19ミック・シューマッハGERハース・フェラーリ0
20ロバート・クビサPOLアルファロメオ・レーシング・フェラーリ0
21ニキータ・マゼピンRAFハース・フェラーリ0

コンストラクターランキング(F1第16戦トルコGP終了後)

順位チームポイント
1メルセデス433.5
2レッドブル・レーシング・ホンダ397.5
3マクラーレン・メルセデス240
4フェラーリ232.5
5アルピーヌ・ルノー104
6アルファタウリ・ホンダ92
7アストンマーティン・メルセデス61
8ウイリアムズ・メルセデス23
9アルファロメオ・レーシング・フェラーリ7
10ハース・フェラーリ0

YouTube FORMULA 1ダイジェスト映像

リアウィングに「ありがとう」の文字が描かれたスペシャルカラーリング (C)Getty Images / Red Bull Content Pool