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F1第14戦イタリアGP、フェルスタッペンとハミルトンが再びクラッシュで両者リタイア マクラーレンが2012年以来の優勝で1-2フィニッシュ

序盤からトップに立ち優勝したマクラーレンのダニエル・リカルド選手(3号車 マクラーレン・メルセデス) (C)Getty Images / Red Bull Content Pool

 F1第14戦イタリアGPが9月10日~12日の3日間にわたって、モンツア・サーキットにおいて開催された。イタリアGPは、今年のイギリスGPで初めて試された金曜日に予選、土曜日にレース形式のスプリント予選、日曜日決勝レースという特別なスケジュールと同様の形式で行なわれた。

 土曜日のスプリント予選では、バルテリ・ボッタス選手(77号車 メルセデス)が1位でゴールしポールポジションを獲得したが、ボッタス選手はパワーユニットの交換をスプリント予選前に行なっていたため、レースは最後尾からスタートになることが決定していた。

 このため、実質的なポールポジションは2位のレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)。2番グリッドにマクラーレンのダニエル・リカルド選手(3号車 マクラーレン・メルセデス)、3番グリッドはランド・ノリス選手(4号車 マクラーレン・メルセデス)、4番グリッドにルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)という並びに。

 チャンピオンを争う2人が2台のマクラーレンを挟んでスタートすることになった。このため、ハミルトン選手はほかのドライバーがミディアムタイヤを選択する中で、ハードタイヤを選択し、タイヤ戦略を逆にすることで順位を上げる作戦に出た。

チャンピオンを争うフェルスタッペン選手とハミルトン選手がバリアンテでクラッシュしリタイア

激しい戦いの末、両者リタイアとなったフェルスタッペン選手とハミルトン選手 (C)Getty Images / Red Bull Content Pool

 日曜日の決勝レースは、2番グリッドのリカルド選手が抜群のスタートを見せ1コーナーまでにフェルスタッペン選手をオーバーテイクしてトップに立った。3番手にはハミルトン選手が上がってきた。ハミルトン選手は1つ目のシケインまでにフェルスタッペン選手に追いつきオーバーテイクしようとするが、両車は接触しハミルトン選手はコース外を走ることになり、スタートで抜いていたノリス選手に再び抜き返された。

 この結果序盤のレースは、トップがリカルド選手、2位がフェルスタッペン選手、以下、ノリス選手、ハミルトン選手という展開で進んでいった。このモンツア・サーキットはストレートとシケインで構成されている超高速サーキットだが、前のクルマに追いつくと乱流によりオーバーテイクが難しく、レースは膠着状態となった。

 23周目にリカルド選手がピットストップ、その翌周にフェルスタッペン選手もピットストップするが、ピット作業に定評があるレッドブルとしてはめずらしくタイヤ交換を失敗し11秒もかかってしまい、大きく後退することになってしまった。

 その翌周にノリス選手もピットストップを終えると、マクラーレン2台の後ろにフェルスタッペン選手が入ることになり、さらに難しいレース展開になった。

 その翌周(26周目)にハミルトン選手がピットに入りタイヤ交換すると、フェルスタッペン選手の直前にピットアウト。2台はもつれ合ったまま1コーナーのシケイン(バリエンテ)に入っていき、クラッシュしてサンドトラップにはまってしまう。これで2台はリタイアになり、車両の処理のためセーフティカーが出されることになった(両車のクラッシュに関してはレース後に審議されることになった)。

 両車ともリタイアだが、フェルスタッペン選手にとってはスプリント予選でのポイントが加算されるため、前戦よりもポイントリードを拡大した状態で次戦に向かうことになる。最低限のダメージリミテーションとなったことは否めないだろう。一方ハミルトン選手にとっては得意のモンツアで逆転して差をつけたいと思っていただけに損をした感じだ。

マクラーレンが2012年以来9年ぶりの優勝を1-2フィニッシュで、優勝はリカルド選手

 レースはリカルド選手がリードのまま、2位にはセーフティカーのタイミングで上手くピットに入ったシャルル・ルクレール選手(16号車 フェラーリ)、3位はノリス選手、4位はレッドブル・ホンダのもう1台セルジオ・ペレス選手(11号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)、5位はカルロス・サインツ選手(55号車 フェラーリ)、6位は最後尾から追い上げてきたボッタス選手という順位に。

 31周目にレースが再開されるとノリス選手がルクレール選手を2つめのシケイン(ロッジア)でオーバーテイク、これでマクラーレンが1-2フォーメーションを形成する。そして4位を走っていたペレス選手もルクレール選手をロッジアでオーバーテイク、これで3位に上がる。

 ただし、ペレス選手はルクレール選手を抜いたときにコース外を走行したことで5秒のタイムペナルティを受けることになり、すでにルーティンのピットストップを終えているため、レース結果に5秒加算されることになった。なお、ルクレール選手はその後、ボッタス選手にも抜かれ5位に下がった。

 トップ5台は等間隔で隊列を作り、それぞれ前のクルマを抜けず、リカルド選手、ノリス選手の順でマクラーレンが1-2フィニッシュを飾った。

 リカルド選手の優勝はレッドブル・ルノー時代の2018年モナコGP以来で、レッドブル以外のチームで初めて優勝した(しかもリカルド選手は最終ラップにファステストラップもマークし1点加算)。

 マクラーレンの優勝は、2012年のブラジルGPでジェンソン・バトン選手が優勝して以来となる。

 コース上ではペレス選手が3位でゴールしたが、5秒加算のペナルティにより5位に降格。これにより4位でゴールしたボッタス選手が3位に繰り上がって、最後尾から表彰台でゴールして見せた。4位はフェラーリのルクレール選手、5位は前述の通りペレス選手、6位がフェラーリのサインツ選手となった。

 アルファタウリ・ホンダの2台は、ピエール・ガスリー選手(10号車 アルファタウリ・ホンダ)はスプリント予選でクラッシュしてリタイアに終わったため、パワーユニットの交換を決断しピットレーンスタートを選択したが、スタートして直ぐにピットに戻りリタイアを選択。角田裕毅選手(22号車 アルファタウリ・ホンダ)は15番グリッドからスタートだったが、レース直前にブレーキに問題が発見されたため、ピットガレージに車は戻され、レースをスタートすらできずにリタイアすることになった。

F1第14戦イタリアGP 決勝結果(暫定)

順位号車ドライバー車両周回数タイムポイント
13ダニエル・リカルドマクラーレン・メルセデス531時間21分54秒36526
24ランド・ノリスマクラーレン・メルセデス53+1.747秒18
377バルテリ・ボッタスメルセデス53+4.921秒15
416シャルル・ルクレールフェラーリ53+7.309秒12
511セルジオ・ペレスレッドブル・レーシング・ホンダ53+8.723秒10
655カルロス・サインツフェラーリ53+10.535秒8
718ランス・ストロールアストンマーティン・メルセデス53+15.804秒6
814フェルナンド・アロンソアルピーヌ・ルノー53+17.201秒4
963ジョージ・ラッセルウイリアムズ・メルセデス53+19.742秒2
1031エステバン・オコンアルピーヌ・ルノー53+20.868秒1
116ニコラス・ラティフィウイリアムズ・メルセデス53+23.743秒0
125セバスチャン・ベッテルアストンマーティン・メルセデス53+24.621秒0
1399アントニオ・ジョビナッツィアルファロメオ・レーシング・フェラーリ53+27.216秒0
1488ロバート・クビサアルファロメオ・レーシング・フェラーリ53+29.769秒0
1547ミック・シューマッハハース・フェラーリ53+51.088秒0
NC9ニキータ・マゼピンハース・フェラーリ41DNF0
NC44ルイス・ハミルトンメルセデス25DNF0
NC33マックス・フェルスタッペンレッドブル・レーシング・ホンダ25DNF0
NC10ピエール・ガスリーアルファタウリ・ホンダ3DNF0
NC22角田裕毅アルファタウリ・ホンダ0DNS0