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スパ・ウェザーに翻弄されSC先導2周のF1ベルギーGP、レッドブル・ホンダ50戦記念レースをフェルスタッペン優勝

雨の中、セーフティカー先導でスタートしたベルギーGP (C)Getty Images / Red Bull Content Pool

レッドブル・ホンダで50戦目となるベルギーGP

 F1世界選手権は約4週間近いサマーブレイクに入っていたが、サマーブレイク明けのグランプリとなるベルギーGPが、8月27日~29日(現地時間)に開催された。ベルギーGPの舞台となる「スパ・フランコルシャン・サーキット」は「スパ・ウェザー」と呼ばれる移ろいやすい天気で知られるが、決勝もウェットコンディションの中で行なわれ、スタート前のレコノサンスラップから荒れた展開になった。

 決勝レース直前から雨が降り続き、フルウェットタイヤであってもストレートでアクアプレーニングが発生するような状況。そうした中レコノサンスラップで、セルジオ・ペレス選手(11号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)がケメル・ストレート終わりのレ・コンムでコントロールを失い、右フロントからタイヤバリアに突っ込んでクラッシュしてしまった。

 今回のレースをポールポジションからスタートしたのは、レッドブル・ホンダのエースであるマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)。そして2位に並んだのは、ウイリアムズ・メルセデスのジョージ・ラッセル選手(63号車 ウイリアムズ・メルセデス)。近年のウイリアムズとしては最高の予選成績になる。3位には、フェルスタッペン選手と選手権争いをしているメルセデスのルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)。

 雨はスタート時刻まで降り続き、スタート直前にスタートディレイが告げられる。結局、予定時刻から25分遅れてセーフティカー先導でフォーメーションラップが開始された。しかし、2周フォーメーションラップをしたものの、マシンが巻き上げる水煙で後続車両の視界はほぼゼロ。前を走っている車両のテールランプすら見えない状況となっていた。結局レースはそのまま赤旗になり、全車ピットに戻った。

 その後もコンディションは改善せず、そこから3時間にわたりレースが中断された。現地時間18時17分(日本時間8月30日1時17分)から、セーフティカー先導でレースが再開された。

 本来であればスタート時刻から3時間が経過してレース終了となるのがレギュレーションだが、今回は特例ということで、1時間のタイムレースとして再開されることになった。なお、この赤旗中断中にレコノサンスラップでクラッシュしたペレス選手の車両は修復され、レースはまだスタートが切られていないということで、セーフティカーが先導する隊列の最後尾に参加することが許可された。

セーフティカー先導でレースは終了。獲得ポイントはハーフポイントに

 セーフティカーによる先導はしばらく続き、3周目の途中まで周回が進んだところで雨のため再び赤旗中断になった。その間にも1時間のタイムレースのカウントダウンは続いた。

 その後も雨の状況は改善せず、この状態でレース終了。このため、ペレス選手を除き予選順位のまま終了することになった。レースは予定されていた周回の75%を消化し切れていないため、ポイントはハーフポイント(優勝なら通常は25点だが、12.5点など)が入賞したドライバー、コンストラクターに付与されることになった。

優勝したマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ) (C)Getty Images / Red Bull Content Pool

 優勝は、レッドブル・ホンダ50戦目の記念レースで表彰台を勝ち取ったマックス・フェルスタッペン選手。2位は初表彰台を、ウイリアムズで勝ち取ったジョージ・ラッセル選手。3位はルイス・ハミルトン選手。

 これにより、フェルスタッペン選手とハミルトン選手、レッドブルとメルセデスの差は5ポイントずつ縮まることになり、レッドブル・ホンダ陣営としては望んだレースの形ではなかっただろうが、選手権のポイント差を縮めたことは意味があるレースとなった。

 以下4位はダニエル・リカルド選手(3号車 マクラーレン・メルセデス)、5位はセバスチャン・ベッテル選手(5号車 アストンマーティン・メルセデス)、6位はピエール・ガスリー選手(10号車 アルファタウリ・ホンダ)。角田裕毅選手(22号車 アルファタウリ・ホンダ)は15位、レッドブル・ホンダのペレス選手は20位となった。

F1第12戦ベルギーGP 決勝結果

順位号車ドライバー車両周回数タイムポイント
133マックス・フェルスタッペンレッドブル・レーシング・ホンダ13分27秒07112.5
263ジョージ・ラッセルウイリアムズ・メルセデス1+1.995秒9
344ルイス・ハミルトンメルセデス1+2.601秒7.5
43ダニエル・リカルドマクラーレン・メルセデス1+4.496秒6
55セバスチャン・ベッテルアストンマーティン・メルセデス1+7.479秒5
610ピエール・ガスリーアルファタウリ・ホンダ1+10.177秒4
731エステバン・オコンアルピーヌ・ルノー1+11.579秒3
816シャルル・ルクレールフェラーリ1+12.608秒2
96ニコラス・ラティフィウイリアムズ・メルセデス1+15.484秒1
1055カルロス・サインツフェラーリ1+16.166秒0.5
1114フェルナンド・アロンソアルピーヌ・ルノー1+20.590秒0
1277バルテリ・ボッタスメルセデス1+22.414秒0
1399アントニオ・ジョビナッツィアルファロメオ・レーシング・フェラーリ1+24.163秒0
144ランド・ノリスマクラーレン・メルセデス1+27.109秒0
1522角田裕毅アルファタウリ・ホンダ1+28.329秒0
1647ミック・シューマッハハース・フェラーリ1+29.507秒0
179ニキータ・マゼピンハース・フェラーリ1+31.993秒0
187キミ・ライコネンアルファロメオ・レーシング・フェラーリ1+36.054秒0
1911セルジオ・ペレスレッドブル・レーシング・ホンダ1+38.205秒0
2018ランス・ストロールアストンマーティン・メルセデス1+44.108秒0

ドライバーランキング(F1第12戦ベルギーGP終了後)

順位ドライバー車両ポイント
1ルイス・ハミルトンGBRメルセデス202.5
2マックス・フェルスタッペンNEDレッドブル・レーシング・ホンダ199.5
3ランド・ノリスGBRマクラーレン・メルセデス113
4バルテリ・ボッタスFINメルセデス108
5セルジオ・ペレスMEXレッドブル・レーシング・ホンダ104
6カルロス・サインツESPフェラーリ83.5
7シャルル・ルクレールMONフェラーリ82
8ダニエル・リカルドAUSマクラーレン・メルセデス56
9ピエール・ガスリーFRAアルファタウリ・ホンダ54
10エステバン・オコンFRAアルピーヌ・ルノー42
11フェルナンド・アロンソESPアルピーヌ・ルノー38
12セバスチャン・ベッテルGERアストンマーティン・メルセデス35
13角田裕毅JPNアルファタウリ・ホンダ18
14ランス・ストロールCANアストンマーティン・メルセデス18
15ジョージ・ラッセルGBRウイリアムズ・メルセデス13
16ニコラス・ラティフィCANウイリアムズ・メルセデス7
17キミ・ライコネンFINアルファロメオ・レーシング・フェラーリ2
18アントニオ・ジョビナッツィITAアルファロメオ・レーシング・フェラーリ1
19ミック・シューマッハGERハース・フェラーリ0
20ニキータ・マゼピンRAFハース・フェラーリ0

コンストラクターランキング(F1第12戦ベルギーGP終了後)

順位チームポイント
1メルセデス310.5
2レッドブル・レーシング・ホンダ303.5
3マクラーレン・メルセデス169
4フェラーリ165.5
5アルピーヌ・ルノー80
6アルファタウリ・ホンダ72
7アストンマーティン・メルセデス53
8ウイリアムズ・メルセデス20
9アルファロメオ・レーシング・フェラーリ3
10ハース・フェラーリ0