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レッドブル・ホンダのエース、地元オランダのフェルスタッペンがF1オランダGPで優勝 ポイントリーダーに復帰

地元F1オランダGPで優勝したレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン選手 (C)Getty Images / Red Bull Content Pool

 F1世界選手権 第13戦オランダGPが9月3日~5日(現地時間)の3日間にわたってザンドフォールト・サーキットで開催された。9月5日に決勝レースが行なわれ、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)がポールポジションからスタートし、前戦のベルギーGPについで2連勝を飾った。これにより、フェルスタッペン選手はドライバー選手権のポイントリーダーに復帰することになった。

 1985年に故ニキ・ラウダが現役時代最後のF1勝利を記録したレースから36年ぶりにザンドフォールトで行なわれることになったグランプリだが、コーナーにもバンクがあるというクラシックサーキットで、金曜日から何度も赤旗が出るという荒れた展開になっていた。

 予選でも2度の赤旗中断があり、Q2に関しては赤旗終了となってしまうほど。予選でポールポジションを獲得したのはレッドブル・ホンダのフェルスタッペン選手。2位はメルセデスのルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)、3位にもメルセデスのバルテリ・ボッタス選手(77号車 メルセデス)となった。4位はアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリー選手(10号車 アルファタウリ・ホンダ)とホンダパワーユニットとメルセデスパワーユニットが2台ぞれぞれ入る結果となった。

 レッドブルのもう1台セルジオ・ペレス選手(11号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)は、Q1の渋滞にはまってしまい、アタックする前にチェッカーを受けてしまう混乱で16位とQ1落ち。このため、パワーユニットマネジメントの観点から、パワーユニットの交換を選択してピットレーン・スタートになった。

 アルファタウリ・ホンダのもう1台角田裕毅選手(22号車 アルファタウリ・ホンダ)はQ1を突破したが、Q2ではアタックしようとしたところで赤旗が出てしまい、アタックできず予選15位となったが他車のペナルティにより14番グリッドからスタートすることになった。

抜群のスタートをしたフェルスタッペン選手

 決勝レースでレッドブル・ホンダのフェルスタッペンは抜群のスタートを見せ、1コーナーに飛び込んでいく。1周目で2位のハミルトン選手に1.6秒の差をつけ引き離し始める。さらに3位のボッタス選手、4位のガスリー選手は徐々に離れていきフェルスタッペン選手とハミルトン選手の2台のマッチレースの様相を呈していった。

 レースが大きく動いたのは21周目にハミルトン選手がソフトからミディアムにタイヤ交換したとき。その交換に反応して翌周にフェルスタッペン選手も同じくソフトからミディアムにタイヤ交換した。この2車は2ストップとなり、3位を走っていたボッタス選手はトップに上がりタイヤ交換を遅らせてフェルスタッペン選手を押さえてハミルトン選手を助ける戦略に。しかし、31周目のメインストレートでフェルスタッペン選手はボッタス選手をオーバーテイクすると再びトップに戻った。

 40周目にハミルトン選手が2度目のタイヤ交換。その翌周にフェルスタッペン選手もタイヤ交換し、ハミルトン選手の3秒前に出ることに成功した。その後フェルスタッペン選手は徐々にハミルトン選手を引き離していった。何度もメルセデスはフェルスタッペン選手に仕掛けたが、どれも成功しなかったのが今回のレースだった。

 最後は残り2周でハミルトン選手がファステストラップポイントを出すためにピットに入るとフェルスタッペン選手の優勝は確実となり、そのままホームレースのチェッカーを受けた。

レッドブル・ホンダのフェルスタッペン選手がポイントリーダーに復帰

 フェルスタッペン選手は今シーズン7勝目。2位は最終ラップにファステストラップをマークして1点加えたハミルトン選手。3位はボッタス選手となった。これによりフェルスタッペン選手はポイントを224.5点まで伸ばし、2位に入ったハミルトン選手の221.5を上回りポイントリーダーに復帰した。

 アルファタウリのガスリー選手はレース中ずっと4位を走行し、フェラーリ勢とのレースになる。フェラーリ勢がソフトからハードの1ストップという常識的な作戦を選んだのに対して、ガスリー選手はソフトからミディアムに交換して走り続けるというレースに。結局そのままゴールまでしっかりクルマを運びレッドブル、メルセデスに次ぐ4位でゴールした。

 5位はフェラーリのシャルル・ルクレール選手(16号車 フェラーリ)、6位は最終ラップにフェラーリのカルロス・サインツ選手(55号車 フェラーリ)を抜いたフェルナンド・アロンソ選手(14号車 アルピーヌ・ルノー)。

 レッドブル・ホンダのもう1台、ペレス選手はピットレーンスタートから追い上げたものの、序盤に前のクルマをオーバーテイクしようとしたところでタイヤを壊してしまい早めにタイヤ交換することになり序盤で順位を上げることができなかった。しかし、ソフトタイヤに交換した終盤に追い上げ、最終的に8位で貴重な3ポイントを得た。

 14番手からスタートした角田裕毅選手は、1つ前のランド・ノリス選手に付いていくレースになり、着実に走っていたがレース終盤に「ノーパワー」(パワーがない)と無線交信してピットに入り、そのままリタイアとなった。

F1第13戦オランダGP 決勝結果

順位号車ドライバー車両周回数タイムポイント
133マックス・フェルスタッペンレッドブル・レーシング・ホンダ721時間30分05秒39525
244ルイス・ハミルトンメルセデス72+20.932秒19
377バルテリ・ボッタスメルセデス72+56.460秒15
410ピエール・ガスリーアルファタウリ・ホンダ71+1周12
516シャルル・ルクレールフェラーリ71+1周10
614フェルナンド・アロンソアルピーヌ・ルノー71+1周8
755カルロス・サインツフェラーリ71+1周6
811セルジオ・ペレスレッドブル・レーシング・ホンダ71+1周4
931エステバン・オコンアルピーヌ・ルノー71+1周2
104ランド・ノリスマクラーレン・メルセデス71+1周1
113ダニエル・リカルドマクラーレン・メルセデス71+1周0
1218ランス・ストロールアストンマーティン・メルセデス70+2周0
135セバスチャン・ベッテルアストンマーティン・メルセデス70+2周0
1499アントニオ・ジョビナッツィアルファロメオ・レーシング・フェラーリ70+2周0
1588ロバート・クビサアルファロメオ・レーシング・フェラーリ70+2周0
166ニコラス・ラティフィウイリアムズ・メルセデス70+2周0
1763ジョージ・ラッセルウイリアムズ・メルセデス69DNF0
1847ミック・シューマッハハース・フェラーリ69+3周0
NC22角田裕毅アルファタウリ・ホンダ48DNF0
NC9ニキータ・マゼピンハース・フェラーリ41DNF0

※ルイス・ハミルトン選手にファーステストラップポイントを加算

ドライバーランキング(F1第13戦オランダGP終了後)

順位ドライバー車両ポイント
1マックス・フェルスタッペンNEDレッドブル・レーシング・ホンダ224.5
2ルイス・ハミルトンGBRメルセデス221.5
3バルテリ・ボッタスFINメルセデス123
4ランド・ノリスGBRマクラーレン・メルセデス114
5セルジオ・ペレスMEXレッドブル・レーシング・ホンダ108
6シャルル・ルクレールMONフェラーリ92
7カルロス・サインツESPフェラーリ89.5
8ピエール・ガスリーFRAアルファタウリ・ホンダ66
9ダニエル・リカルドAUSマクラーレン・メルセデス56
10フェルナンド・アロンソESPアルピーヌ・ルノー46
11エステバン・オコンFRAアルピーヌ・ルノー44
12セバスチャン・ベッテルGERアストンマーティン・メルセデス35
13角田裕毅JPNアルファタウリ・ホンダ18
14ランス・ストロールCANアストンマーティン・メルセデス18
15ジョージ・ラッセルGBRウイリアムズ・メルセデス13
16ニコラス・ラティフィCANウイリアムズ・メルセデス7
17キミ・ライコネンFINアルファロメオ・レーシング・フェラーリ2
18アントニオ・ジョビナッツィITAアルファロメオ・レーシング・フェラーリ1
19ミック・シューマッハGERハース・フェラーリ0
20ニキータ・マゼピンRAFハース・フェラーリ0
21ロバート・クビサPOLアルファロメオ・レーシング・フェラーリ0

コンストラクターランキング(F1第13戦オランダGP終了後)

順位チームポイント
1メルセデス344.5
2レッドブル・レーシング・ホンダ332.5
3フェラーリ181.5
4マクラーレン・メルセデス170
5アルピーヌ・ルノー90
6アルファタウリ・ホンダ84
7アストンマーティン・メルセデス53
8ウイリアムズ・メルセデス20
9アルファロメオ・レーシング・フェラーリ3
10ハース・フェラーリ0

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 (C)Getty Images / Red Bull Content Pool