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F1第21戦サウジアラビアGP、メルセデスのハミルトンが優勝 レッドブル・ホンダのフェルスタッペンは2位となりチャンピオンシップは同点で最終戦へ
2021年12月6日 05:15
F1第21戦サウジアラビアGPが12月3日~5日(現地時間)、サウジアラビア第2の都市ジェッダにある市街地コース「ジェッダ・コーニッシュ・サーキット」で開催された。12月5日(現地時間、日本時間12月6日早朝)には決勝レースが行なわれた
予選ではレッドブル・ホンダの速さが目立っており、予選1回目(Q1)、予選2回目(Q2)ともにレッドブル・ホンダの2台が上位を占めていた。しかし、予選3回目(Q3)ではメルセデスの2台が終盤に1-2フォーメーションを構成。それに対して、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)はギリギリのコーナリングでセクター1、セクター2ともに最速ラップを更新しながら激しい走りを見せる。誰もがポールポジション獲得を確信した最終コーナーでフェルスタッペン選手はフロントタイヤをロックさせ、右リアタイヤを外側の壁に当ててしまい予選終了。タイム更新ならず3番グリッドからスタートすることになった。
レッドブル・ホンダのもう1台セルジオ・ペレス選手(11号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)は5位、アルファタウリ・ホンダ勢はピエール・ガスリー選手(10号車 アルファタウリ・ホンダ)が6位、角田裕毅選手(22号車 アルファタウリ・ホンダ)が8位となり、ホンダ・パワーユニット勢は4台ともトップ10からスタートすることになった。
F1も残り2戦、第21戦サウジアラビアGPの予選はメルセデスのハミルトンがポール、ボッタス2位 レッドブル・ホンダのフェルスタッペンは3位に
https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1371680.html
フェルスタッペン選手は壁にリアタイヤを当てたことでギヤボックスへも影響があることが想定された。ギヤボックスを交換した場合には5グリッド降格ペナルティを受けることになるところだったが、レコノサンスラップの時点ではギヤボックスを交換せずにそのまま走りだし、問題がないことが確認された。フェルスタッペン選手は、結局3番グリッドからそのままスタートすることになった。
ハミルトン選手とフェルスタッペン選手の激しいトップ争い、両者同点のまま最終戦へ
現地時間20時30分にスタートした決勝レースでは、F2でもアクシデントが発生していたスタート時の1コーナーに注目が集まった。スタートではポールポジションのハミルトン選手がホールショットを奪い、2位のバルテリ・ボッタス選手(77号車 メルセデス)が順位を維持したまま1コーナーに入っていった。フェルスタッペン選手はボッタス選手にブロックされる形で前に出ることはできなかった。懸念された1コーナーでのアクシデントはなく、全車無事に1コーナーを抜けていった。
レース序盤はハミルトン選手がファステストラップを出して逃げにかかり、ボッタス選手がフェルスタッペン選手を抑えるレースに。10周目という早めの段階でハースのミック・シューマッハー選手(47号車 ハース・フェラーリ)がクラッシュ。その結果セーフティカーが導入された。
ここでレースは大きなドラマが起きる。ハミルトン選手はピットに入り、タイヤ交換をすることを選択。その後ろでボッタス選手は必要以上にスローダウンしてピットストップ時にフェルスタッペン選手に抜かれないようにする作戦に出る。ボッタス選手もハミルトン選手に続きタイヤ交換を選んだが、フェルスタッペン選手はピットストップをしない選択をして、メルセデスとは違う戦略に出る。
ところがそのセーフティカーは赤旗に変わる。その結果フェルスタッペン選手はメルセデスの2台を後ろに置いた状態でピットストップしなくてもタイヤ交換をすることが可能になり、優勝へのチャンスが巡ってきた。
レースは現地時間の21時15分に再開。レースはスタンディングスタートで再開され、2度目のスタートが行なわれた。ハードタイヤでスタートしたダニエル・リカルド選手(3号車 マクラーレン・メルセデス)、赤旗前にハードタイヤに交換していたが新品のミディアムに替えて勝負に出たペレス選手を除きみなハードタイヤをチョイス、そのまま最後まで走る戦略だ。
2度目のスタートでは1コーナーで大混乱が発生、ペレス選手が後ろから押される形でクラッシュしたほか、ハースのニキータ・マゼピン選手(9号車 ハース・フェラーリ)が前走車に追突してクラッシュ、追突されたジョージ・ラッセル選手(63号車 ウイリアムズ・メルセデス)もリタイアに。この混乱でもう一度赤旗になり、コース上に散らばった破片と車両を片付けることになった。
このときにフェルスタッペン選手が1コーナーでコース外からハミルトン選手を追い抜いたととられ、再開時のオーダーではハミルトン選手の後ろの3番手に回されることになる。それによりエステバン・オコン選手(31号車 アルピーヌ・ルノー)が1番グリッドからスタート、2位ハミルトン選手、3位フェルスタッペン選手、4位リカルド選手、5位ボッタス選手、6位ガスリー選手の順で再開されることになった。
現地時間21時40分にレースは17周目から再開。再びスタンディングスタートで、フェルスタッペン選手はミディアムタイヤを選択、ここでも攻めの姿勢をみせた。
3回目のスタートではフェルスタッペン選手が見事なスタートを見せて、1コーナーで2位に上がる。その後1コーナーをショートカットしたオコン選手に順位を譲られトップに立った。ハミルトン選手は3位だが、すぐにオコン選手をオーバテイクして2位に上がる。
3位のオコン選手以下は瞬く間に2台に置いて行かれてしまい、ここからはチャンピオン争いの2人のレースになった。23周目、27周目、29周目、36周目にVSC(バーチャルセーフティカー)が出されたものの、2台はファステストラップを更新しながらレースを進めていく。ミディアムタイヤを履いているフェルスタッペン選手にとってはタイヤを休ませる周回が増えたのはうれしい展開だ。
38周目の1コーナーでハミルトン選手がフェルスタッペン選手を抜きストレートで前に出た。フェルスタッペン選手は1コーナーで抜き返すが、コース外を走行してしまう。そのため38周目の最終コーナーでフェルスタッペン選手がハミルトン選手に譲ろうとしたものの、ハミルトン選手がフェルスタッペン選手に追突。ハミルトン選手はフロントウィングの右側翼端板を壊してしまう。
このアクシデントによりフェルスタッペン選手に5秒ペナルティが出される。43周目にハミルトン選手がフェルスタッペン選手の前に出て、コース上の順位も入れ替わった。
結局レースはそのままゴールし、ハミルトン選手が優勝。フェルスタッペン選手が2位に。ハミルトン選手はファステストラップのポイントも獲っており、26ポイントを加え369.5ポイントに。フェルスタッペン選手と同点に並んで最終戦に向かうことになる。
3位は最後にアルピーヌ・ルノーのオコン選手を抜いたメルセデスのボッタス選手。メルセデスはボッタス選手の3位もあって41ポイントを獲得し、ペレス選手がリタイアに終わったレッドブル・ホンダに対してコンストラクター選手権のリードを28ポイントに拡大して最終戦へ向かう。4位はオコン選手、5位はリカルド選手。
アルファタウリの2台はいずれもスタートで順位を下げた。ガスリー選手は8位に、角田選手は12位にそれぞれ順位を下げて苦しいレースになった。しかし、1回目のセーフティカー/赤旗ではピットストップしなかったため順位を上げる。2回目の赤旗ではガスリー選手が6位に、角田選手が12位から再開するレースに臨んだ。
角田選手は再スタートで9位に上がる。23周目にベッテル選手と1コーナーで接触してコースアウト、フロントウィングを壊してしまう。再度走り出すことに成功したが、ピットに入ってウィング交換したため、周回遅れになってしまう。さらに接触により5秒のタイムペナルティを課せられることになり、ポイント圏外に落ちてしまった(最終的に13位)。ガスリー選手は、赤旗後は淡々と走り6位に入賞した。
F1第21戦サウジアラビアGP 決勝結果(暫定)
OS | 号車 | ドライバー | 車両 | 周回数 | タイム | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 44 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 50 | 2時間06分15秒118 | 26 |
2 | 33 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル・レーシング・ホンダ | 50 | +11.825秒 | 18 |
3 | 77 | バルテリ・ボッタス | メルセデス | 50 | +27.531秒 | 15 |
4 | 31 | エステバン・オコン | アルピーヌ・ルノー | 50 | +27.633秒 | 12 |
5 | 3 | ダニエル・リカルド | マクラーレン・メルセデス | 50 | +40.121秒 | 10 |
6 | 10 | ピエール・ガスリー | アルファタウリ・ホンダ | 50 | +41.613秒 | 8 |
7 | 16 | シャルル・ルクレール | フェラーリ | 50 | +44.475秒 | 6 |
8 | 55 | カルロス・サインツ | フェラーリ | 50 | +46.606秒 | 4 |
9 | 99 | アントニオ・ジョビナッツィ | アルファロメオ・レーシング・フェラーリ | 50 | +58.505秒 | 2 |
10 | 4 | ランド・ノリス | マクラーレン・メルセデス | 50 | +61.358秒 | 1 |
11 | 18 | ランス・ストロール | アストンマーティン・メルセデス | 50 | +77.212秒 | 0 |
12 | 6 | ニコラス・ラティフィ | ウイリアムズ・メルセデス | 50 | +83.249秒 | 0 |
13 | 14 | フェルナンド・アロンソ | アルピーヌ・ルノー | 49 | +1周 | 0 |
14 | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ・ホンダ | 49 | +1周 | 0 |
15 | 7 | キミ・ライコネン | アルファロメオ・レーシング・フェラーリ | 49 | +1周 | 0 |
NC | 5 | セバスチャン・ベッテル | アストンマーティン・メルセデス | 44 | DNF | 0 |
NC | 11 | セルジオ・ペレス | レッドブル・レーシング・ホンダ | 14 | DNF | 0 |
NC | 9 | ニキータ・マゼピン | ハース・フェラーリ | 14 | DNF | 0 |
NC | 63 | ジョージ・ラッセル | ウイリアムズ・メルセデス | 14 | DNF | 0 |
NC | 47 | ミック・シューマッハ | ハース・フェラーリ | 8 | DNF | 0 |
ドライバーランキング(F1第21戦サウジアラビアGP終了後)
順位 | ドライバー | 国 | 車両 | ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | マックス・フェルスタッペン | NED | レッドブル・レーシング・ホンダ | 369.5 |
2 | ルイス・ハミルトン | GBR | メルセデス | 369.5 |
3 | バルテリ・ボッタス | FIN | メルセデス | 218 |
4 | セルジオ・ペレス | MEX | レッドブル・レーシング・ホンダ | 190 |
5 | シャルル・ルクレール | MON | フェラーリ | 158 |
6 | ランド・ノリス | GBR | マクラーレン・メルセデス | 154 |
7 | カルロス・サインツ | ESP | フェラーリ | 149.5 |
8 | ダニエル・リカルド | AUS | マクラーレン・メルセデス | 115 |
9 | ピエール・ガスリー | FRA | アルファタウリ・ホンダ | 100 |
10 | フェルナンド・アロンソ | ESP | アルピーヌ・ルノー | 77 |
11 | エステバン・オコン | FRA | アルピーヌ・ルノー | 72 |
12 | セバスチャン・ベッテル | GER | アストンマーティン・メルセデス | 43 |
13 | ランス・ストロール | CAN | アストンマーティン・メルセデス | 34 |
14 | 角田裕毅 | JPN | アルファタウリ・ホンダ | 20 |
15 | ジョージ・ラッセル | GBR | ウイリアムズ・メルセデス | 16 |
16 | キミ・ライコネン | FIN | アルファロメオ・レーシング・フェラーリ | 10 |
17 | ニコラス・ラティフィ | CAN | ウイリアムズ・メルセデス | 7 |
18 | アントニオ・ジョビナッツィ | ITA | アルファロメオ・レーシング・フェラーリ | 3 |
19 | ミック・シューマッハ | GER | ハース・フェラーリ | 0 |
20 | ロバート・クビサ | POL | アルファロメオ・レーシング・フェラーリ | 0 |
21 | ニキータ・マゼピン | RAF | ハース・フェラーリ | 0 |
●●コンストラクターランキング(F1第21戦サウジアラビアGP終了後)
順位 | チーム | ポイント |
---|---|---|
1 | メルセデス | 587.5 |
2 | レッドブル・レーシング・ホンダ | 559.5 |
3 | フェラーリ | 307.5 |
4 | マクラーレン・メルセデス | 269 |
5 | アルピーヌ・ルノー | 149 |
6 | アルファタウリ・ホンダ | 120 |
7 | アストンマーティン・メルセデス | 77 |
8 | ウイリアムズ・メルセデス | 23 |
9 | アルファロメオ・レーシング・フェラーリ | 13 |
10 | ハース・フェラーリ | 0 |