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F1日本GP、フェルスタッペンが優勝し2022年のF1チャンピオン獲得 2年連続チャンピオンに

F1第18戦日本グランプリを優勝し、2022年のドライバー選手権を獲得したマックス・フェルスタッペン選手。2年連続のシリーズチャンピオンに輝いた

 10月7日~9日の3日間にわたりF1第18戦日本グランプリが鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)において開催された。決勝レースはスタートしてすぐ赤旗中断。約2時間の中断となったがレースは再開され、マックス・フェルスタッペン選手(1号車 レッドブル・レーシング・RBPT)が優勝。チームメイトのセルジオ・ペレス選手(11号車 レッドブル・レーシング・RBPT)が2位となった。この結果により、フェルスタッペン選手の2022年のドライバー選手権チャンピオン獲得が決まった。

岸田首相や水樹奈々さんなど多彩なゲストが登場した3年ぶりの日本GPのスタート前セレモニー

 F1のセレモニーは通常、レコノサンスラップの後、ピットレーンがクローズになり、グリッドに全車が整列した後に行なわれる。今回もそうした多くのゲストが参列する中で、スタート前のセレモニーが行なわれた。

 多くのゲストの中には、総理大臣 岸田文雄氏の姿もあった。これまでもF1日本グランプリには国土交通大臣が列席し、表彰式のプレゼンターとして参加した例はあった。しかし、日本の首相が来賓としてF1日本グランプリに来場したのは今回が初めてとなる。筆者の記憶している限りという前提はつけさせていただくが、ほかの国内レースでも首相が来賓として来場したことはなく、日本のモータースポーツの歴史において大きな意味がある首相の来場ということができるだろう。

 首相の来場もあってか鈴鹿サーキットは厳しい警備体制が敷かれ、予選日まで行なわれていなかった手荷物検査が実施され、首相を迎えると思われるルートには警備関係者が多数配置されるなどの準備が印象的だった。

 岸田首相はレコノサンスラップが始まる前、詰めかけた多くの観客に向かって「最後までレースを楽しんでいってほしい」とあいさつした。レコノサンス後は、声優であり歌手の水樹奈々さんが国歌「君が代」を独唱するセレモニーなどにも参加した。

レース直前に雨脚が強くなり、スタート直後のアクシデントで赤旗中断に

 決勝レースは、直前になって降り出した雨によりウェットコンディションでのスタートになった。予選17番手に終わったピエール・ガスリー選手はピットスタートを選択し、全車がスタートを終えた後スタートすることに。スタート前の気温は18℃、路面温度は21℃、前日の予選よりも低い状況だ。

 ウェットコンディションの中だが、レースがスタートできないほどの土砂降りではなく、しとしと降る雨で路面が徐々に濡れるという状況。通常のスタンディングスタートで、全車インターミティエイトタイヤで発進した。

 よいスタートをきったのは2番手のシャルル・ルクレール選手(16号車 フェラーリ)。しかし、ポールからスタートしたマックス・フェルスタッペン選手(1号車 レッドブル・レーシング・RBPT)は1コーナーから2コーナーへアウトから抜き返してトップへ返り咲く。

 また、1コーナーでセバスチャン・ベッテル選手がフェルナンド・アロンソ選手(14号車 アルピーヌ・ルノー)と接触して飛び出し、さらにカルロス・サインツ選手(55号車 フェラーリ)が200Rの手前でアクアプレーニングに見える状況でクラッシュしてコース脇にクルマを停め、アレクサンダー・アルボン選手はエンジントラブルでスローダウンしてスプーン辺りにクルマを停めてしまった。この結果、1周目の終わりまでにセーフティカーが出され、雨がさらに強くなったこともあり2周目には赤旗が出されレースは中断となった。

レース再開後にフェルスタッペン選手は独走、レース後のルクレール選手へのペナルティでシリーズチャンピオンが確定

 40分近い中断の後14時50分に、レースはセーフティカー先導のローリングスタートで再開することがアナウンスされた。この赤旗中断の間に全車がタイヤ交換(エクストリーム・ウェットへの交換が義務付けとなった)、スタートの混乱でのクラッシュなどによりマシンに損傷があった場合なども直すことも許可された。しかし、そのリスタートの1分前に、リスタートの延期が通知され、結局レースはそのまま中断が続いた。

 赤旗から2時間以上中断は続き、16時15分にレースはセーフティカー先導で3周目から再開。セーフティカーに率いられての周回が続いたが、5周目の始めにセーフティカーはピットに戻りレース再開。各車きれいに1コーナーへ向かっていたが、セバスチャン・ベッテル選手(5号車 アストンマーティン・メルセデス)とニコラス・ラティフィ選手(6号車 ウイリアムズ・メルセデス)はいち早くピット入って、タイヤをエクストリーム・ウェットからインターミディエイトに交換。

 それを見て取ってトップのフェルスタッペン選手、2位のルクレール選手以下、上位勢も次々とインターミディエイトに交換。その結果トップにはフェルナンド・アロンソ選手(14号車 アルピーヌ・ルノー)が浮上するが、翌周にアロンソ選手もピットに入り、結局インターミディエイトに交換したフェルスタッペン選手、ルクレール選手、ペレス選手がトップ3に戻り、インターミディエイトへの交換を遅らせたドライバーはどんどん順位を下げていく結果になった。

 フェルスタッペン選手は2位のルクレール選手を徐々に引き離して一人旅を続け、レーススタートから3時間で終了というルールにより27周を完了したところで、トップでチェッカーを受けた。

 2位は終盤に3位ペレス選手の激しい追撃を辛くも逃げ切ったルクレール選手、3位はペレス選手となった。しかし、最終シケインでルクレール選手はコースを飛び出してアドバンテージを得た状態で走り続けたとして、+5秒ペナルティが出て、ペレス選手が2位に繰り上がる結果となった。

 レース距離が足りなくポイントが減らされるときには、レースが中止されて再開されないときという条件がついているため、フルポイントが与えられ、この結果フェルスタッペン選手の2022年ドライバー選手権タイトルが決定することになった。

 4位は、こちらもルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)を辛くも逃げ切ったエステバン・オコン選手(31号車 アルピーヌ・ルノー)、6位はこのレースが最後の鈴鹿レースとなったセバスチャン・ベッテル選手(5号車 アストンマーティン・メルセデス)。

 角田裕毅選手(22号車 アルファタウリ・RBPT)はスタートで13位から9位に上がったが、レース後半に新しいタイヤに交換をしたため13位に終わり、母国レースでポイントを取ることはできなかった。

F1第18戦日本グランプリ 決勝 暫定結果

順位号車ドライバー車両周回数タイムポイント
11マックス・フェルスタッペンレッドブル・レーシング RBPT283時間01分44秒00425
211セルジオ・ペレスレッドブル・レーシング RBPT28+27.066秒18
316シャルル・ルクレールフェラーリ28+31.763秒15
431エステバン・オコンアルピーヌ・ルノー28+39.685秒12
544ルイス・ハミルトンメルセデス28+40.326秒10
65セバスチャン・ベッテルアストンマーティン・アラムコ・メルセデス28+46.358秒8
714フェルナンド・アロンソアルピーヌ・ルノー28+46.369秒6
863ジョージ・ラッセルメルセデス28+47.661秒4
96ニコラス・ラティフィウイリアムズ・メルセデス28+70.143秒2
104ランド・ノリスマクラーレン・メルセデス28+70.782秒1
113ダニエル・リカルドマクラーレン・メルセデス28+72.877秒0
1218ランス・ストロールアストンマーティン・アラムコ・メルセデス28+73.904秒0
1322角田裕毅アルファタウリ RBPT28+75.599秒0
1420ケビン・マグネッセンハース・フェラーリ28+86.016秒0
1577バルテリ・ボッタスアルファロメオ・フェラーリ28+86.496秒0
1624ジョウ・グアンユーアルファロメオ・フェラーリ28+87.043秒0
1710ピエール・ガスリーアルファタウリ RBPT28+88.091秒0
1847ミック・シューマッハハース・フェラーリ28+92.523秒0
NC55カルロス・サインツフェラーリ0DNF0
NC23アレクサンダー・アルボンウイリアムズ・メルセデス0DNF0

* Provisional results. Note - Leclerc received a five-second time penalty for leaving the track and gaining an advantage.

ドライバー選手権(F1第18戦日本グランプリ終了時点)

順位ドライバー車両ポイント
1マックス・フェルスタッペンNEDレッドブル・レーシング RBPT366
2セルジオ・ペレスMEXレッドブル・レーシング RBPT253
3シャルル・ルクレールMONフェラーリ252
4ジョージ・ラッセルGBRメルセデス207
5カルロス・サインツESPフェラーリ202
6ルイス・ハミルトンGBRメルセデス180
7ランド・ノリスGBRマクラーレン・メルセデス101
8エステバン・オコンFRAアルピーヌ・ルノー78
9フェルナンド・アロンソESPアルピーヌ・ルノー65
10バルテリ・ボッタスFINアルファロメオ・フェラーリ46
11セバスチャン・ベッテルGERアストンマーティン・アラムコ・メルセデス32
12ダニエル・リカルドAUSマクラーレン・メルセデス29
13ピエール・ガスリーFRAアルファタウリ RBPT23
14ケビン・マグネッセンDENハース・フェラーリ22
15ランス・ストロールCANアストンマーティン・アラムコ・メルセデス13
16ミック・シューマッハGERハース・フェラーリ12
17角田裕毅JPNアルファタウリ RBPT11
18ジョウ・グアンユーCHNアルファロメオ・フェラーリ6
19アレクサンダー・アルボンTHAウイリアムズ・メルセデス4
20ニコラス・ラティフィCANウイリアムズ・メルセデス2
21ニック・デ・ブリーズNEDウイリアムズ・メルセデス2
22ニコ・ヒュルケンベルグGERアストンマーティン・アラムコ・メルセデス0

コンストラクター選手権(F1第18戦日本グランプリ終了時点)

順位チームポイント
1レッドブル・レーシング RBPT619
2フェラーリ454
3メルセデス387
4アルピーヌ・ルノー143
5マクラーレン・メルセデス130
6アルファロメオ・フェラーリ52
7アストンマーティン・アラムコ・メルセデス45
8ハース・フェラーリ34
9アルファタウリ RBPT34
10ウイリアムズ・メルセデス8