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「TOKYO ZEV ACTION」プロジェクト第1弾イベント「E-Tokyoキックオフ」開催 「ZEVを身近なモビリティに」と小池都知事

2023年7月2日 開催

「E-Tokyoキックオフ」のミニトークセッションに参加したタレント・女優の安田美沙子さん(左)、東京都知事 小池百合子氏(中央)、レーシングドライバーの脇阪寿一選手(右)

 東京都は7月2日、CO2を排出しない環境先進都市「ゼロエミッション東京」の実現に向けた取り組み「TOKYO ZEV ACTION」のプロジェクト第1弾となる「E-Tokyoキックオフ」を東京都千代田区の丸の内・行幸通りで開催した。

 東京都では世界の大都市の責務として、「都内で新車販売される乗用車を2030年までに100%非ガソリン化」「2050年にCO2排出実質ゼロ」といった具体的な目標を掲げて気候変動対策に取り組んでいる。

 5月26日からスタートした「TOKYO ZEV ACTION」で最初のイベントとなる「E-Tokyoキックオフ」では、東京都の中心部である丸の内・行幸通りに会場を設定。東京駅を背景とした特設メインステージでの各種ステージプログラムに加え、モータを使ったCO2を排出しない走行が可能な2輪・4輪車両などを紹介する「ZEV展示」、2024年3月に東京ビッグサイト周辺道路での日本初開催が決まったバッテリEV(電気自動車)マシンによるレース「フォーミュラ E」について紹介する「フォーミュラE 車両展示」などの車両展示を実施。

東京駅を背景とした特設メインステージでオープニングステージなどを実施

 また、水から水素を作って水素発電の仕組みを学び、水素を使って走る「FC-PIUS」の体験乗車(身長115cm以上の小学生が対象)も実施する「水素ワークショップ&FC-PIUS体験乗車」、東京都がバッテリEVやPHEV(プラグインハイブリッド車)、FCEV(燃料電池車)といったZEV(ゼロエミッションビークル)の普及促進に向けて行なっている「ZEV補助金」について「脱炭素・水素について学ぼう 補助金のご紹介」など多彩なコンテンツを用意して、ZEVに関連するさまざまな最新技術をアピールする1日となった。

「ZEVを身近なモビリティとして、親しみながら持続可能な社会、脱炭素社会をみんなで作っていければ」と小池都知事

小池百合子氏

 イベントの開幕を告げるオープニングステージでは、主催者を代表して東京都知事 小池百合子氏があいさつを実施。

 小池都知事は冒頭で天候について触れ、「出番を待ってテントのなかにいたんですけど、もう暑くて暑くてサウナみたい。すっかり整いました」とコメントして会場を盛り上げたあと、東京都では気候変動とエネルギー危機の問題に取り組んでいることを説明。日ごろの生活の足となるクルマでも、技術革新によってバッテリEV(電気自動車)やFCEV(燃料電池車)などが登場しており、これらZEVの潮流をこの会場で体感してほしいと開催の意義について語った。

 また、TOKYO ZEV ACTIONではこのキックオフイベントに続き、2024年3月までの期間に2回のイベント開催を行なう予定になっていること、2024年3月に都内でフォーミュラEのレースが実施されることなども紹介。東京都ではZEVをはじめとするさまざまな施策によってカーボンニュートラルを実現していくことを目指していくと語り、「環境推進都市・東京として、この行幸通りから皆さまと一緒に、楽しい、ワクワクするような未来にアクセルを吹かして……、アクセルを吹かすという言葉も?(モータ主体のZEVには合わない?)言葉選びも難しくなりますね。暑いなかで熱中症にもお気をつけいただきながら、しっかりとこれからの未来を皆さんで確かめていただいて、楽しんでいただきたいと思います」と締めくくった。

ミニトークセッションも開催

 モータースポーツ実況でもおなじみのサッシャさんがMCを務め、ゲストとして参加したレーシングドライバーの脇阪寿一選手、タレント・女優の安田美沙子さんと小池都知事の4人で行なわれたミニトークセッションでは、最初に小池都知事からフォーミュラE開催についてさらに詳しく説明され、エンジン音や排出ガスのないモータ駆動のマシンで争われることが最大の特徴となり、東京開催では市街地コースとして臨海エリアの東京ビッグサイト周辺道路を利用。この大会を通じてZEVの普及に弾みをつけ、同時に東京の魅力を高めていきたいとの意気込みが語られた。

脇阪寿一選手

 さらに脇阪選手からフォーミュラEについての捕捉も行なわれ、「まぁ“電気自動車のF1”です。2014年9月にスタートして、ベルリンやローマ、ロンドン、モナコといった世界の主要都市で行なわれてきたレースになります。フォーミュラEには第1世代、第2世代、第3世代とあって、現在は第3世代になっていて、この会場で展示されているのは第2世代のマシンです。第3世代のマシンは最高速が320km/hですね。パワートレーンの出力は350kW、といってもピンと来ないですが、馬力で言うと476馬力ぐらいに相当するパワーです」と解説した。

安田美沙子さん

 これを聞いて安田さんは「新幹線ぐらいのスピード感ですね」と感想を述べたが、脇阪選手は「新幹線は10分ぐらいかけて320km/hまでいくんですけど(フォーミュラEは)一瞬で300km/hまでいきます」と説明し、あらためてフォーミュラEマシンの力強さを紹介。

 また、ZEVに対して持っているイメージについて「金額が高いのかなというイメージがあります」と安田さんが口にしたコメントに対して、小池都知事が「脱炭素社会を担っていくモビリティについてもっとサポートしていこうということで、EVを購入する人には東京都として補助金を出しています。これによって既存のガソリン車と遜色なくチョイスしていただけるようになるということです。この会場でもどれぐらい安くなるのか、具体的に示していますので、ぜひご覧いただきたいと思います」と説明。実はサッシャさんもバッテリEVを所有しているが、東京都から出る補助金も購入の決め手の1つになったと小池都知事に感謝の言葉を伝えていた。

小池都知事

 最後に小池都知事は「今日は皆さんにZEVの魅力をぜひしっかりと受け止めていただきたいと思っています。ZEV、ゼロエミッションビークルということで、走っているときはCO2を出さない新しいモビリティでございます。これは地球環境に優しいということだけでなく、かっこいいよね、クールだよね、ということで、乗ってみたいなと感じていただくことも大切かと思います。どうぞZEVを身近なモビリティとして、親しみながら持続可能な社会、脱炭素社会をみんなで作っていければと思います」とコメントしている。

MCを務めたサッシャさん

「ZEV展示」

トヨタ車体「コムス」
日産自動車「サクラ」
本田技研工業「Honda e」
マツダ「CX-60 PHEV」
三菱自動車工業「アウトランダーPHEV」
カワサキモータースジャパン「noslisu e」
ホンダ「EM1 e:」

「フォーミュラE 車両展示」

日産e.damsが2021年~2022年のシーズン8参戦で使用したフォーミュラEマシン(Gen2)

「水素ワークショップ&FC-PIUS体験乗車」

実際に水素から発電した電気で走る「FC-PIUS」
乗車体験する子供はシートポジションを合わせたあと、運転操作についてしっかりとレクチャーされ、パイロンで設定されたコースを反時計回りに2周の走行体験を行なった
「水素ラジコンカー」の操縦体験コーナーも用意

「脱炭素・水素について学ぼう 補助金のご紹介」

展示パネルを使って補助金について紹介

ラリージャパン 2023 実行委員会ブース

11月に愛知県・岐阜県で開催される「フォーラムエイト・ラリージャパン 2023」のPRコーナーも開設され、「ヤリス」をベースとしたラリーマシン2台も展示された