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「BYD AUTO 東京品川」オープニングセレモニー、自動車産業90年の老舗「明治産業」がEV市場に本格参入

2023年10月2日 開催

左から明治モータース株式会社 取締役社長 齋藤剛氏、BYDジャパン株式会社 代表取締役社長 劉学亮氏、明治産業株式会社 取締役社長 竹内眞哉氏、BYD Auto Japan株式会社 代表取締役社長 東福寺厚樹氏

好立地な品川港南に新規ディーラーをオープン

 明治産業の子会社である明治モータースは10月2日、東京都港区港南にBYD Auto Japanの正規ディーラーとなる「BYD AUTO 東京品川」にてオープニングセレモニーを開催した。

 1933年に設立した明治産業は、主にブレーキ関連の商材を手掛けていたが、1951年に明治モータースを立ち上げ、イギリスの自動車メーカー「アルビス」や「シンガー」の乗用車や「ロイヤルエンフィールド」の二輪車などの輸入を開始。

明治モータース株式会社は1963年にいったん解散しているが、2023年に再び同名で復活した
自動車整備のエキスパートを育成する「Seiken e-Garage」

 さらに1953年には東京日野ルノーを設立し、「ルノー4VC」の販売も行なったが、1960年代に自動車輸入販売事業から撤退して再びパーツ事業に注力してきた。また、昨今の急速な自動車の進化に合わせて技術力のあるスタッフが必要になると、2017年に神奈川県大和市に「Seiken e-Garage」を設立し、人材育成にも力を入れている。

 2018年には再びアルビスの乗用車の輸入販売を再開したほか、2022年にはBYDと業務提携を行ないSeiken e-Garageにて、EV(電気自動車)向けの整備技術トレーニングを提供。その協業の流れから、2022年7月にはBYDのEVフォークリフトの取り扱いもスタート、そして今回の正規ディーラー開設へとつながったという。

BYD AUTO 東京品川では、10月31日までオープニングフェアを実施している
ショールーム前には充電設備が2つ設けられている
今は普通充電だが急速充電器に変更する予定とのこと

 BYD AUTO 東京品川では、車両の展示や販売はもちろん、体験試乗やサービススタッフによる点検・車検・修理といった車両整備のほか、給電ポートも2基設置するなど、EVライフをトータルでサポートしてくれる。また、BYD AUTO 東京品川はオープンを記念して、10月2日~10月31日までの期間、オープニングフェアを開催している。

明治産業株式会社 取締役社長である竹内眞哉氏は、セレモニーで明治産業の歴史を紹介しつつ、BYDとの業務提携を経て正規ディーラー開業へとつながった経緯を説明した

 続いてBYDジャパン 代表取締役社長の劉学亮氏が登壇し、BYDはITエレクトロニクス、自動車、新エネルギー、都市型モビリティの4つの事業で成長してきた会社で、スマートフォンの10台に1台はBYDの部品が使われている計算であると紹介。また、日本では2005年からソーラーパネルや産業用蓄電システムなどの環境エネルギー事業と、EVバスやEVフォークリフトといったEV事業を展開していて、日本国内のEVバスのシェアは約70%を占めていると説明した。

 年間300万台を目指しているEV販売については、昨年グローバルで合計186万台を達成したと紹介。また、ミドルサイズSUVの「ATTO 3(アットスリー)」が今年9月にグローバルで累計50万台を達成したほか、発売したばかりのコンパクトEV「ドルフィン」も1週間前にグローバルで累計50万台を突破するなど好調さをアピールした。

 最後に「BYDだけではなく、他の自動車メーカーさんやサプライチェーン、メディアが一緒になって力を合わせて、日本でのEV社会を作っていけたらいいなと思っています」とあいさつを締めくくった。

BYDジャパン株式会社 代表取締役社長 劉学亮氏

 BYDの日本の乗用車市場参入にあたり、販売からサービスまでを担う専門会社BYDオートジャパンの代表取締役社長である東福寺厚樹氏は、「オープンしたばかりのBYD AUTO 東京品川は、品川駅から徒歩10分という好立地で、多くのビジネスマンの目に触れることになりますし、東京都では2025年から新築マンションの充電設備設置が義務化されるので、タワーマンション建築ラッシュの港区では、住民の方にも新たな選択肢に加えてもらえる可能性が大きい」と、品川を拠点とした優位性を説明。港区、世田谷区、大田区といった広範囲をカバーできる店舗になることを見据えている。

BYD Auto Japan株式会社 代表取締役社長 東福寺厚樹氏
9月20日に発売したコンパクトEV「ドルフィン」
BYDには「王朝」と「海洋」の2つの大きなグループ分けがあり、ドルフィンは海洋シリーズに属する

 9月20日に日本で発売したドルフィンについては、すでに国内で100台近い受注があり、好調な出だしであると紹介。グローバルでベンチマークと言われるフォルクスワーゲンの「ゴルフ」とほぼ同サイズとしながらも、ロングホイールベースとしたことで快適な居住空間を確保。また、車高を1550mmと日本独自の機械式立体駐車場へ対応させ、ウィンカーレバーも国産車と同じ右レバーに設定しているほか、急速充電器「CHAdeMO(チャデモ)」や日本語音声認識にも対応させている。さらに、日本市場に向けて誤発進抑制システムを開発し搭載するなど、日本の自動車環境に寄り添った車両に仕上げている点をアピール。

 また、航続距離400kmのベースモデル(363万円)と、ATTO 3と同じバッテリを積み航続距離476kmを誇るロングレンジモデル(407万円)の2グレードがあり、国のCEV補助金のほか東京都ではさらにZEV補助金の対象にもなり、最大で100万円ちかく減額されると金額面での優位性について言及した。

日本の自動車環境に寄り添った仕様にしている
幼児置き去り検知なども搭載する
国のCEV(clean energy vehicle)補助金のほか、東京都ではさらにZEV(ゼロエミッションビークル)補助金の対象にもなるという

 最後にBYD AUTO 東京品川を運営する明治モータース取締役社長の齋藤剛氏が登壇し、「まずは300台の販売を目標に頑張りたい。年末には都内では需要のあるセダンモデル『SEAL(シール)』が追加される予定ですので、そこにも大きく期待しています。店舗も大田区や港区内での追加も検討しています。まずはこの好立地を生かして、先頭バッターになれるようにしっかり頑張っていきたいと思います」と意気込みを語りオープニングセレモニーを締めくくった。

明治モータース株式会社 取締役社長 齋藤剛氏
セレモニーではテープカットも行なわれた

「BYD AUTO 東京品川」概要

所在地:東京都港区港南2-12-23 明産高浜ビルディング
営業時間:10時~18時
定休日:火曜、水曜
電話番号:03-6810-3038