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マツダ「ロードスター」が4代目として最大の大幅改良 新LSD採用や出力向上しつつ、「990S」は廃止に
2023年10月5日 11:30
- 2023年10月5日 予約開始
- 289万8500円~367万9500円(ロードスター)
- 379万6100円~430万8700円(ロードスター RF)
ベージュのソフトトップを採用した「S Leather Package V Selection」登場
マツダは10月5日、小型オープンスポーツカー「ロードスター(ソフトトップモデル)」「ロードスター RF(リトラクタブルハードトップモデル)」を大幅改良し、予約を開始した。発売は2024年1月中旬を予定する。価格はロードスターが289万8500円~367万9500円、ロードスター RFが379万6100円~430万8700円。
なお、今回の大幅改良に合わせ、ロードスターでは「特別仕様車 990S」「特別仕様車 BROWN TOP」「S Leather Package White Selection」、ロードスター RFでは「VS White Selection」「VS Terracotta Selection」がそれぞれ廃止となった。
一方でソフトトップカラーにベージュ(インシュレーター付)を採用した「S Leather Package V Selection」を新たに追加。ボディ同色の電動リモコン式ドアミラー(手動可倒式)、ナッパレザーシート(スポーツタン)、合成皮革(スポーツタン)のドアトリム/インパネ/センターコンソール、高輝度塗装の16インチアルミホイールなどを採用し、価格は6速MTが355万3000円、6速ATが366万8500円。
ロードスター(ソフトトップモデル)価格表
ソフトトップモデルグレード | エンジン | 変速機 | 駆動系 | 旧価格 | 新価格 |
---|---|---|---|---|---|
S | SKYACTIV-G1.5 | 6速MT | 2WD(FR) | 2,689,500円 | 2,898,500円 |
NR-A | 6速MT | 2,843,500円 | 3,064,600円 | ||
S Special Package | 6速MT | 2,906,200円 | 3,087,700円 | ||
6速AT | 3,021,700円 | 3,203,200円 | |||
特別仕様車 990S | 6速MT | 2,959,000円 | 廃止 | ||
S Leather Package | 6速MT | 3,257,100円 | 3,498,000円 | ||
6速AT | 3,372,600円 | 3,613,500円 | |||
特別仕様車 BROWN TOP | 6速MT | 3,257,100円 | 廃止 | ||
6速AT | 3,372,600円 | 廃止 | |||
S Leather Package White Selection | 6速MT | 3,297,800円 | 廃止 | ||
6速AT | 3,413,300円 | 廃止 | |||
S Leather Package V Selection | 6速MT | - | 3,553,000円 | ||
6速AT | - | 3,668,500円 | |||
RS | 6速MT | 3,422,100円 | 3,679,500円 |
ロードスター RF(リトラクタブルハードトップモデル)価格表
RFグレード | エンジン | 変速機 | 駆動系 | 旧価格 | 新価格 |
---|---|---|---|---|---|
S | SKYACTIV-G2.0 | 6速MT | 2WD(FR) | 3,527,700円 | 3,796,100円 |
6速AT | 3,555,200円 | 3,823,600円 | |||
VS | 6速MT | 3,823,600円 | 4,154,700円 | ||
6速AT | 3,851,100円 | 4,182,200円 | |||
VS White Selection | 6速MT | 3,864,300円 | 廃止 | ||
6速AT | 3,891,800円 | 廃止 | |||
VS Terracotta Selection | 6速MT | 3,864,300円 | 廃止 | ||
6速AT | 3,891,800円 | 廃止 | |||
RS | 6MT | 3,988,600円 | 4,308,700円 |
MT車にDSCの新制御モード「DSC-TRACK」を新追加
今回の改良では、現代に求められる新たな安全法規に適合しながら、ロードスターらしさを追求した進化により「人馬一体」の走りの楽しさをさらに向上。マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)とスマート・ブレーキ・サポート(後退時検知機能[SBS-RC])の新採用や、マツダコネクトの進化など、最新の先進安全技術やコネクティッド技術を搭載。同時にデザインも進化し、4代目ロードスターとしては最も大きな商品改良になったという。
まずダイナミクス性能の進化について、ロードスター「S」グレードを除くMT車に「アシンメトリック LSD」を新採用した。これは加速・減速時のデファレンシャルギヤの差動制限力を変化させることで、リアタイヤの接地荷重変化に対してクルマの旋回挙動を安定させる新しいLSDの技術コンセプト。軽量・コンパクトで耐久性の高い円錐クラッチ型LSDにカム機構を追加し、減速時と加速時で異なるカム角を設定することで、それぞれに最適な差動制限力を実現。特に減速側の差動制限力を強めることで、後輪の接地荷重減少により車両挙動が不安定となりやすいターンインでの減速旋回時の安定性を向上させた。さらにロードスターのエンジンやサスペンション、タイヤ特性に最適化したイニシャルトルクと差動制限特性のチューニングにより、これまで以上にスムーズでリニアな旋回特性を実現したという。
また、電動パワーステアリングも進化し、より軽やかで正確なステリングフィールを実現するためステアリングシステムにも改良が加えられ、ステアリングラックの摩擦を低減しながらモーターアシストの制御ロジックをより緻密に進化することで、自然ですっきりとしたフィードバック感を実現。ハンドルを切り始めてから戻すまで、一貫してタイヤと路面のコンタクトが感じられる仕様とした。
SKYACTIV-G 1.5エンジンでは、国内ハイオクガソリンに合わせた専用セッティングを施すことでさらなる高効率化を実現。加速の伸び感を強化しながら出力を3kW向上することに成功した。さらにMT車にはSKYACTIV-G 2.0も含めた駆動力制御に最新の制御ロジックを導入し、アクセル操作時のレスポンスを改善。アクセルを踏み込んで加速するシーンだけでなく、アクセルを緩めて減速するシーンでもよりドライバーの意に沿った駆動力の応答性を実現したとのこと。
加えてMT車にはサーキットでの走行に最適化したDSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロール)の新制御モードである「DSC-TRACK」を新たに追加。「DSC-TRACK」ではスポーツ走行におけるドライバーの運転操作を最大限に尊重し、ドライバーがコントロールできないような危険なスピン挙動に陥った場合に限って制御が介入する。
エクステリアでは、デイタイムランニングライトの変更によって目元にスポーティな軽快さを与えるとともに、テールランプも立体的となり、より鮮明な印象を与えた。ヘッドライト、テールランプ、ターンランプなどを含め、すべてのランプがLED化されている。
足下では軽やかさと機能美を表現した新たなホイールを設定。ホイール中央から周辺へまっすぐに伸びたスポークが、車軸からタイヤに動力を確実に伝えているようなデザインとすることで、スポーツカーとしての性能の高さや強さ、精緻さを表現した。
また、ボディカラーに新たに追加された「エアログレーメタリック」は、ソリッドカラーのような鮮やかさとメタリックカラーならではの陰影感をバランスさせており、ロードスターに軽快さとクールな印象を与える。
インテリアでは従来の7インチから8.8インチに拡大したセンターディスプレイを搭載し、前方の視界確保を確保しながら、エアバッグ作動時の干渉を避けるため画面の縁部分をできるだけ狭くしたフレームレス構造を採用。また、スマートフォンからアプリを通じてクルマの状態が確認できたり、万が一の事故の際には自動で救急車を手配したりするコネクティッドサービスも取り入れている。