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KDDI、フォーラムエイト・ラリージャパン2023をリアルとバーチャルの融合で楽しむ「デジタルツイン観戦体験」を提供

2023年10月6日 発表

梅本まどか選手のボリュメトリックビデオ撮影風景

XR技術を活用した新たな「デジタルツイン観戦体験」とは

 KDDIは10月6日、オフィシャルパートナーに就任したWRC(FIA世界ラリー選手権)の日本ラウンド「フォーラムエイト・ラリージャパン2023」(11月16日~19日開催)で、ラリーチーム「Wellpine Motorsports(ウェルパイン モータースポーツ)」の協力のもと、リアルとバーチャルを融合するXR(クロスリアリティ)技術で、ラリーを楽しむ2つの取り組みを行なうと発表した。

 1つ目の取り組みは、ウェルパイン モータースポーツの参戦車両であるトヨタ自動車の「GRヤリス」を高精細3Dスキャンし、参戦車両が走行する一部のSS(スペシャルステージ)を、現実世界のモノや空間をデジタル上で再現する「デジタルツイン」を活用して再現。大会期間中や期間後も、実際に一部のSSを走行した際の位置情報や車両の姿勢などのデータをもとに、3D車両がデジタルツイン上のコースを走行する様子をスマートフォンやスマートグラスで観られるようにするというもの。

フォーラムエイト・ラリージャパン2023に参戦するウェルパイン モータースポーツの参戦車両トヨタ「GRヤリス」のカラーリングイメージ
デジタルツインの再現イメージ

 実現するためには、KDDIが提供するcm単位での測位が可能な高精度GNSS測位技術を車両に搭載し、位置情報を収集することで、デジタルツイン上の3Dコースにマシンの動きを精緻に再現する環境を構築。また、写真などから3DCGを生成するフォトグラメトリ技術や、対象物との距離を測定できるLiDAR技術を活用した高精度3Dスキャンで3D車両を再現。その3D車両をスマートグラスやスマホ、タブレットなどの画面上に再現したコースや実際のコース上を走らせ、実車を観戦するのと同様の臨場感を再現するという。

 フォーラムエイト・ラリージャパン2023の期間中は、ウェルパイン モータースポーツの個人スポンサー向けに一部のSSの走行シーンをスマートグラスで体験できるコンテンツを提供するほか、大会終了後には現地で観戦ができなかったユーザー向けにコンテンツを提供し、ラリーの楽しさや迫力、ドライバーのテクニックなどをどこからでも体感できるようにするとしている。

「飛び出すAR」を活用したファン向けコンテンツを用意

 2つ目の取り組みは、ドライバーをサポートするコ・ドライバーで元SKE48の梅本まどか選手を、衣装も含めた人物の動きをそのまま3Dデジタル化する技術「ボリュメトリックビデオ」を活用して撮影。大会期間中にスマホでQRコードを読み込むと、目の前に梅本まどか選手が登場し、ファンにコメントを届ける「飛び出すAR」なども提供するとしている。

ボリュメトリックビデオ制作の流れ

 フォーラムエイト・ラリージャパン2023開催期間中は、豊田スタジアムのサービスパーク内に設置されるウェルパイン モータースポーツスペースにて、飛び出すARを活用した取り組みを実施。スマホにQRコードをかざすことで梅本まどか選手が出現し、ファン向けにコメントをする3D動画コンテンツを提供するほか、高精細に3Dスキャンした競技車両をスマホ越しに目の前に登場させ、車両のディテールまで正確に再現した3D車両をRCカーのように操作できるコンテンツも用意される。

 なお、ウェルパイン モータースポーツの個人スポンサー向けにも、梅本まどか選手からのスペシャルメッセージ3D動画を提供するとしている。